出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/13 12:51:34」(JST)
三日月 のその他の用法については「#三日月の名前がついているもの」をご覧ください。 |
三日月・朏(みかづき)は、陰暦3日の夜の月。ここで言う陰暦とは、朔を1日とする暦、つまり、中国暦・和暦など太陰太陽暦を含む太陰暦のほぼ全てである。
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円弧状の細い範囲が輝いている。そのため、眉月(まゆづき、びげつ)、蛾眉(がび)、繊月(せんげつ)などとも言う。三日月より早い2日の月はほとんど見ることができず、三日月は最初に見える月であるため、新月(しんげつ、ただし現在は朔の同義語に使う)、初月(はつづき、しょげつ)などとも言う。他にも多くの異名がある。
三日月の黄経は太陽よりわずかしか先行していないため、三日月は日没のすぐ後(約2時間後)に、光っている側を下(北半球では右下、南半球では左下)にして沈む。いっぽう、三日月の出は日の出のすぐ後であるため、見ることは難しい。
朔(月齢0日)が陰暦1日なので、三日月の月齢は3日ではなく2日である。厳密には、朔は陰暦1日の平均12時(0時から24時までのいつか)で、いっぽう三日月は(昼月を別にすれば)日没直後しか見えないので3日18時の月齢を求めると、平均2.25日になる。これは平均朔望月29.53日の約8%で、月相は平均27度、2.13日となる。ただしこれらは平均であり、朔の時刻のばらつきなどにより±半日強の変動がある。
地球から見た三日月の輝いている面積は、(1 - cos 27°) / 2 = 0.056 と、満月のわずか6%にすぎない。しかも、光っている月面をほぼ真横から見ているため光度はさらに下がり、満月の1/300にすぎない。
陰暦26日深夜(27日未明)の月を二十六夜(にじゅうろくや)と言い、三日月に形は似ているが、光っている部分が東西逆側である。見える時間も違い、日の出の前に、光っている側を下(北半球では左下、南半球では右下)にして昇る。
広義には(特に陰暦を使わなくなった現代では)、厳密に陰暦3日の月だけでなく、新月と上弦の間の広い範囲の月相を三日月と呼ぶことも多い。
英語のクレッセント (crescent) やフランス語のクロワッサン (croissant) などはこの意味である。ただしこれらの語は、月に限らず、朔望する天体一般に使える。
また、下弦と晦の間の月も三日月と呼ばれることがある。英語でもこれをクレッセントと呼ぶが、デクレッセント (decrescent) として区別することもある。
月は肉眼で朔望を確認できる唯一の天体であるため、三日月(ここでの三日月は広義の意味)は月を象徴する形としてよく使われる。ただし、実際の三日月では内側の輪郭は同心の楕円弧だが、三日月形では、内側の輪郭は偏心した円弧になっていて、弧が実際の180度より長くなっていることも多い。
月の占星術記号は、三日月形である。ちなみに、左右の向きはどちらでもいい。
三日月と星はイスラム教の象徴であり、多くのイスラム教国の国旗に使われている。UnicodeではU+262A (☪) に符号化されている。また赤十字社に相当する赤新月社の旗も三日月形である。向きはCの字型が圧倒的に多いが、逆Cの字型や、実際に見えるように明るい部分を下や斜め下に向けた三日月もある。
伊達政宗の兜の前立に大きな三日月があしらわれているため、旧仙台藩にある宮城県や仙台市の公的施設・マスコットキャラクター・商業施設などに三日月のデザインが用いられる例がしばしば見られる。
魁!!男塾の江田島平八塾長がたびたび着用する兜の前立の飾りもなぜか三日月があしらわれている。
花王株式会社のシンボルマークは、顔のついた三日月形である。
関西学院大学の校章は、三日月の中にK.Gという文字をあしらったものである。同学院では新月という表現をするのが一般的でありOB・OG会などの各種団体に新月会という名称をつけていることが多い。他には弦月、クレセントという表現をする場合もある。
果物ではバナナの形と色が三日月形である。
三日月の地名は日本各地にある。三日月湖など三日月形の地形から名づけられたものが多い。
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