- ラ
- Ocimum basilicum
- 関
- バジル、スイートバジル
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/17 00:27:24」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この項目では、植物について説明しています。出版社については「バジリコ (出版社)」をご覧ください。 |
|
「バジル」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「バジル (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
バジリコ |
バジリコ
|
分類 |
界 |
: |
植物界 Plantae |
門 |
: |
被子植物門 Magnoliophyta |
綱 |
: |
双子葉植物綱 Magnoliopsida |
目 |
: |
シソ目 Lamiales |
科 |
: |
シソ科 Lamiaceae |
属 |
: |
メボウキ属 Ocimum |
種 |
: |
メボウキ O. basilicum |
|
学名 |
Ocimum basilicum L. |
和名 |
メボウキ |
英名 |
Basil |
バジリコ(イタリア語: Basilico、学名:Ocimum basilicum)は、シソ科メボウキ属の多年草(日本では越冬できないので一年草として扱われる)。シソ科であることから風味もシソに若干似る。
和名はメボウキ。英名のバジル(Basil)の名でも知られる。インド、熱帯アジア原産のハーブである。Basilicoの名はラテン語 basilicumから来ており、さらにさかのぼると「王」を意味するギリシャ語の βασιλευς (バジレウス)に由来する。「バジル」と呼ばれるハーブには、Ocimum basilicum以外の種に由来するものもふくめ、およそ150 種類の栽培品種がある。 香りの主成分はメチルカビコール(エストラゴール)、リナロール、シネオール、オイゲノールで、刺激性は低くく生食でも食べられる。
イタリア料理に多く使われる品種は「バジリコ」、「バジル」あるいは「スイートバジル(Sweet basil)」の名で知られている。ジェノベーゼバジル(Genovese basil)もイタリア料理に使われる。ほかにレモンバジル(Lemon basil)、ホーリーバジル(Holy basil)、シナモンバジル(Sinnamon basil)、タイバジル(Thai basil)、マンモスバジル(Mammoth basil)、タイレモンバジル(Thai Lemon basil、ライムバジル(Lime basil)、リコリスバジル(Licorice basil)、アフリカンブルーバジル(African Blue basil)などの品種がある。
日本においては、有名メーカー製の家庭用乾燥ハーブが「バジル」と称される一方で、産地及び料理からイタリア語の呼称、バジリコが使われることもある。
目次
- 1 近縁種
- 2 歴史
- 3 利用
- 3.1 葉
- 3.2 種子
- 3.3 栄養
- 3.4 参考画像
- 4 脚注
- 5 参考文献
- 6 関連項目
近縁種
- ブッシュバジル Ocimum mininum
- ヒメボウキ O. canum
- ワイルドバジル Calaminthe clinopodium
- カミメボウキ Ocimum tenuiflorum
など
歴史
バジリコは、アレキサンダー大王によって、インドからヨーロッパに伝えられたとする説がある。イギリスには16世紀に、アメリカには17世紀に渡来している。インドではホーリーバジルが、クリシュナ神とヴィシュヌ神に捧げる神聖なハーブとされる。またバジルは、ペルシャ、エジプトでは墓に植える草とされていた。
バジリコの名前の由来は、伝説上の怪物バジリスク(英: basilisk, 羅: basiliscus, 古希: βασιλίσκος [basiliskos])に由来すると言う説もある[1]。
歴史的にみて、とてもポピュラーなハーブでありいろいろな儀礼や迷信と結びついている。昔のインドでは葬儀の際に死者の横にバジリコを供えることで、故人が黄泉の国へ無事にたどり着けると考えられた。中世ヨーロッパでは、サソリがバジリコを好むと考えられており、粉末にしたバジリコを吸い込むと頭のなかにサソリが沸くと信じられていた[2]。
利用
葉
バジリコの利用法としてはジェノヴァ付近で作られるペスト・ジェノヴェーゼ(ジェノヴァのソース)が有名である。
日本では、ペスト・ジェノヴェーゼあるいは類似のソースを混ぜ込んだスパゲッティをバジリコ・スパゲッティ(スパゲッティ・バジリコ)とも呼ぶ。バジリコ・スパゲッティは、東京都港区のイタリア料理店『キャンティ』がまだバジリコが手に入らない頃、代用としてシソとパセリを使ってジェノヴェーゼ風に仕上げたのが始まりと言われている。現在では日本でもバジリコの生の葉や乾燥、粉砕した葉が容易に入手できるため、代用品を使う必要はなくなっている。
その他、トマトと相性がよいことでも知られる。新鮮なスイートバジルの葉とモッツァレッラチーズとトマトをあわせたサラダは、インサラータ・カプレーゼ(Insalata Caprese、「カプリ風サラダ」の意)といい、イタリアの国旗と同じ配色で、イタリアを象徴するサラダとなっている。ナポリピッツァの一つマルゲリータも、ピザの生地にモッツァレッラ、トマト、バジルの葉をトッピングしたものである。
また、台湾では「羅勒」と称されるが、ほんのり清涼感がある「九層塔」(台湾語 カウツァンタッ Káu-chàn-thah、同時に北京語でも言われる)が圧倒的に多く使われ、「羅勒」と「九層塔」が混合されて理解、使用されてる場合が多い。調理の際にもスイートバジルと同じようにパスタに使われるが、主に台湾料理の炒め物や台湾式鉄板焼に葉が数枚入れられたり、天ぷらのように揚げられたりする。
タイ料理、ベトナム料理、カンボジア料理、インドネシア料理など、東南アジアでも使われる例がある。
種子
バジリコの種子はグルコマンナンを多く含むため、水分を含むと乾燥状態の約30倍に膨張し、ゼリー状の物質で覆われる。食物繊維を豊富に含むことからダイエット補助食品としても利用されている。日本には最初、種子が漢方薬として輸入された。ゼリー状の物質により目の汚れを取り去る目薬とされ、メボウキ(目箒)の名称が付いた。東南アジアとアフガニスタンでは、水に浸した種子をデザートや飲み物にする。
栄養
バジルの栄養価
バジル、生
100 gあたりの栄養価 |
エネルギー |
94 kJ (22 kcal) |
|
炭水化物
|
2.65 g
|
糖分 |
0.3 g |
食物繊維 |
1.6 g |
|
脂肪
|
0.64 g
|
飽和脂肪酸 |
0.041 g |
一価不飽和脂肪酸 |
0.088 g |
多価不飽和脂肪酸 |
0.389 g |
|
タンパク質
|
3.15 g
|
トリプトファン |
0.039 g |
トレオニン |
0.104 g |
イソロイシン |
0.104 g |
ロイシン |
0.191 g |
リシン |
0.11 g |
メチオニン |
0.036 g |
シスチン |
0.028 g |
フェニルアラニン |
0.13 g |
チロシン |
0.077 g |
バリン |
0.127 g |
アルギニン |
0.117 g |
ヒスチジン |
0.051 g |
アラニン |
0.132 g |
アスパラギン酸 |
0.301 g |
グルタミン酸 |
0.277 g |
グリシン |
0.122 g |
プロリン |
0.104 g |
セリン |
0.099 g |
|
ビタミン |
ビタミンA相当量
β-カロテン
ルテインと
ゼアキサンチン
|
(33%)
264 μg
5650 μg
|
チアミン (B1) |
(3%)
0.034 mg |
リボフラビン (B2) |
(6%)
0.076 mg |
ナイアシン (B3) |
(6%)
0.902 mg |
パントテン酸 (B5)
|
(4%)
0.209 mg |
ビタミンB6 |
(12%)
0.155 mg |
葉酸 (B9) |
(17%)
68 μg |
ビタミンB12 |
(0%)
0 μg |
コリン |
(2%)
11.4 mg |
ビタミンC |
(22%)
18 mg |
ビタミンD |
(0%)
0 IU |
ビタミンE |
(5%)
0.8 mg |
ビタミンK |
(395%)
414.8 μg |
|
ミネラル |
カルシウム |
(18%)
177 mg |
鉄分 |
(24%)
3.17 mg |
マグネシウム |
(18%)
64 mg |
マンガン |
(55%)
1.148 mg |
セレン |
(0%)
0.3 μg |
リン |
(8%)
56 mg |
カリウム |
(6%)
295 mg |
ナトリウム |
(0%)
4 mg |
亜鉛 |
(9%)
0.81 mg |
|
他の成分 |
水分 |
92.06 g |
- 単位
- μg = マイクログラム • mg = ミリグラム
- IU = 国際単位
|
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
出典: USDA栄養データベース(英語) |
参考画像
脚注
- ^ 北野佐久子『基本ハーブの事典』東京堂出版2005年p113-116
- ^ マーガレット・B・フリーマン著 遠山茂樹訳『西洋中世ハーブ事典』、八坂書房、2009年、p53
参考文献
- 北野佐久子『基本ハーブの事典』東京堂出版2005年
関連項目
|
ウィキメディア・コモンズには、バジリコに関連するカテゴリがあります。 |
|
ウィキスピーシーズにバジリコに関する情報があります。 |
ハーブ・香辛料 |
|
ハーブ |
|
アサ · アンゼリカ · イノンド · イングリッシュラベンダー · エパソーテ · オレガノ · カレーリーフ · クルマバソウ · コショウソウ · コリアンダー (シアントロ) · シシリー · シソ · シソクサ · ジンブー · スイバ · セージ · セイボリー · タイバジリコ · タイホーリーバジル · タイム · タラゴン · チャービル · チャイブ · ドクダミ · ナギナタコウジュ · バジリコ (バジル) · パセリ · ヒソップ · ピペルアウリツム · ベトナムコリアンダー · ヘンルーダ · ボリビアンコリアンダー · ボルド · マジョラム · ミツバ · ミント · メキシカンコリアンダー (ロングコリアンダー) · ルリジサ · レモンバーム · レモンバーベナ · レモンマートル · ローリエ · レモングラス · ローズマリー · ラベージ
|
|
|
香辛料 |
|
アサフェティダ · アジョワン · アナルダナ · アニス · アムチュール (マンゴーパウダー) · アリゲーターペッパー · アレッポペッパー · イノンド · ウコン · オールスパイス · カイエンペッパー · カシア · ガジュツ · カラシナ · カホクザンショウ · カルダモン · キャラウェイ · クスノキ · クミン · クラチャイ · クローブ · クロガラシ · 黒カルダモン · ケシノミ · コクム · コショウ · ゴマ · コリアンダー · サッサフラス · サフラン · サルサパリラ · 塩 · シトラスピール シナモン · シヌスモーレ · ジュニパーベリー · ショウガ · 小ガランガル · シロガラシ · スペインカンゾウ · セリムグレイン · セロリ · タスマニアペッパー · タマリンド · チャロリー · 陳皮 · 唐辛子 · トウシキミ · トンカ豆 · ナツメグ · ナンキョウソウ · ニオイクロタネソウ · ニンニク · バーベリー · ゴルパー · バニラ · パプリカ · パラダイスグレイン · バンウコン · ヒッチョウカ · ヒハツ · ヒハツモドキ · フェヌグリーク · フェンネル · ブラジリアンペッパー · ブラッククミン · ブラックライム · ホースラディッシュ · マウラブチェリー · マラバスラム · メース · ラドゥニ · リツェアクベバ · ローズ · ワサビ ·
|
|
|
スパイスミックス |
|
アドジカ · アドヴィエ · エルブ・ド・プロヴァンス · オールドベイシーズニング · カーメリスネリ · ガーリックソルト · ガラムマサラ · カレー粉 · キャトルエピス · クラブボイル · 五香粉 · ザーター · シーズンドソルト · 七味唐辛子 · ジャークスパイス · セイボリー · タビル · タンドリーマサラ · チャートマサラ · チャウンク · チュニジアンファイブスパイス · チリパウダー · バハラット · ハリッサ · バルバレ · ハワイジ · パンチフォロン · ファインハーブ · ブーケガルニ · ブクヌ · ペルシャード · マサラ · ミックススパイス · ミトミタ · レモンペッパー · パンプキンパイスパイス · レカードロジョ
|
|
|
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
- 1. 医学的児童虐待(代理によるミュンヒハウゼン症候群)medical child abuse munchausen syndrome by proxy [show details]
… (erroneously) Doctor shopping; Caregiver fabricated illness in a child ; Pediatric condition falsification and factitious disorder by proxy ; We prefer the term "medical child abuse" because it focuses on the …
- 2. 自らに負わせる作為症(ミュンヒハウゼン症候群)factitious disorder imposed on self munchausen syndrome [show details]
…may overlap co-occur with factitious disorder imposed on another, such that some patients falsify illness in both themselves and others. Factitious disorder imposed on another, such as a child, is discussed …
- 3. 悪心および嘔吐を伴う乳児や小児に対するアプローチapproach to the infant or child with nausea and vomiting [show details]
…eczema, or rhinitis. Medical child abuse (also known as fabricated or induced illness by carers or Munchausen syndrome by proxy) consists of fabricating or inducing illness in a child in order to get …
- 4. 抗凝固剤系殺鼠剤中毒:臨床症状と診断anticoagulant rodenticide poisoning clinical manifestations and diagnosis [show details]
…cases of malicious poisoning, factitious disorder (Munchausen syndrome), and medical child abuse (Munchausen syndrome by proxy). Specific levels of anticoagulant rodenticides can be obtained when these diagnoses …
- 5. 潜在性毒素曝露を認める小児に対するアプローチapproach to the child with occult toxic exposure [show details]
…of ingestion. Medical child abuse via forced ingestion in young children, particularly those who are younger than one year of age, must not be overlooked. Examples of medical child abuse by poisoning …
Japanese Journal
- 吉田 桂子,加藤 晋朗,松崎 聖史
- 愛知県農業総合試験場研究報告 (42), 45-50, 2010-12
- … メボウキ(バジル)萎凋病はFusarium oxysporum Schlechtendahl:Fries f. …
- NAID 40018714705
- メボウキ黒斑細菌病(新称),ホワイトレースフラワー軟腐病(新称)について
Related Links
- 武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園は植物を通してタケダと社会を結びつける役割を担っています。 ... メボウキ Ocimum basilicum Linn. シソ科(Lamiaceae) インド原産で、アジア南部、中東などに分布する一年草です。高さ30 ...
- 栄養・生化学辞典 - メボウキの用語解説 - →バシル ... メボウキ【basil】 バジルまたはバジリコと称し,香辛料や香草として知られるシソ科の一年草(イラスト)。メボウキ属Ocimumはアフリカ,東南アジアから太平洋諸島に50~60種が ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- basil、Ocimum basilicum
- 関
- スウィートバジル、メボウキ、スイートバジル
[★]
- 英
- sweet basil、Ocimum basilicum
- 関
- バジル、スウィートバジル、メボウキ
[★]
スイートバジル、バジル、メボウキ
- 関
- basil、sweet basil
[★]
- ラ
- Ocimum
- 関
- Ocimum属、オシマム属、オシマム