出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/16 23:01:34」(JST)
マンモグラフィー(mammography)は、乳癌の早期発見のために人の乳房をX線撮影する手法、またそのための乳房X線撮影装置のこと。 mammographyとは、「乳房」+「画像」から作られた造語である。 近年では乳房の撮影に陽電子断層撮影(PET)の技術を用いるPEM(Positron Emission Mammography)という手法もアメリカなどで普及し始めており日本でも数か所の病院で導入されている。ただし、X線マンモグラフィーとPEMは手法としても診断方法としても全く異なる手段である。本記事では基本的にX線マンモグラフィーについて扱う。
受診者は、上半身裸で装置の前に立ち、乳房を装置の撮影台に載せる。 装置には圧迫板とよばれるプラスチックの板があり、これが乳房を強く撮影台に押さえつけて厚さ4~5cm程度まで圧迫する(このため、乳房に張りのある女性は若干苦痛を感じることもある。2011年には60歳代の女性があばら骨を骨折する事故[1]もあった)。 所定の厚みになったところで、撮影となる。 通常、左右それぞれ撮影方向を変えて2枚ずつ、合計4枚撮影する。
4回ものX線曝射が必要となり、また決して快適とは言えない状態(乳房の圧迫)であるため、短時間で、できるだけ被曝を少なくするように工夫されている。撮影対象が軟部のみなので、X線の波長・エネルギーの最適値も一般撮影(主に骨格)とは大きく異なり、たとえばX線管の管電圧も一般が100kV前後であるのに対し、マンモグラフィー撮影では25-35kV程度となっている。 被曝量は、通常0.05~0.15ミリシーベルトあるいはそれ以下となっている。このような低い線量でも鮮明に撮影できるよう、早くからデジタル化(コンピューテッドラジオグラフィー)が進んだ分野でもある。 撮影装置は、上述のように乳房を圧迫し撮影方向を変化させられるよう、Cアーム(Cの字のようなアーム)の上下に、X線源と撮影台を持つ形状が一般的である。 このような事情から大型にならざるを得ないが、巡回検診車に搭載可能なタイプのものも工夫されている。
独特の、微妙な画像の読影技術を要求されるため、特に訓練を受けた医師でなければ正しく診断することは難しい。これは撮影する技師も同様である。 このため、ほぼ各国それぞれに、マンモグラフィーの撮影、診断に関わる技師や医師への専門の教育訓練や、専門医・専門技師の資格制度が用意されている。 また装置や設備(撮影装置だけでなくフィルムの読影室の環境などを含む)についても公的な基準や規約が設けられ、そうしたソフト面・ハード面を通じた管理システムがなければ、マンモグラフィーによる診断はできないと考えられている。 日本ではNPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構(通称「精中機構」)が一元的にこうした教育・資格認定・基準策定などを行っている。この資格を持った医師・技師・施設はそれぞれ「精中機構」のホームページにて公開されているため、乳がん検診の受診者は、検診を受ける施設を決めるための指標にすることができる。
世界的には、アメリカ放射線学会(ARC)の勧告がデファクトスタンダードとして利用されており、日本の精中機構の教育内容や基準には、ARCのものを参考にローカライズされたものが見受けられる。
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