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ペルティエ素子(ペルティエそし、英: Peltier device)とは、電子部品のひとつで、熱電素子の一種である。
サーモ・モジュールとも呼ばれる。ペルチエ素子、ペルチェ素子と表記することもある。
名前の由来は、その原理を発見した物理学者、ジャン=シャルル・ペルティエに因んだもの。
2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するというペルティエ効果を利用した板状の半導体素子。直流電流を流すと、一方の面が吸熱し、反対面に発熱が起こる。電流の極性を逆転させると、その関係が反転し高精度の温度制御に適している。また温度制御が可能なばかりでなく、温度差を与えることで電圧を生じさせることもでき、ゼーベック効果という。
ペルティエ素子の性能は最大吸熱量(Q max)、最大電流(A max)、最大電圧(V max)で表される。印加電圧が大きくなると発熱量が増えて冷却効率が悪くなるため、最大電圧の50-60%が最適電圧といわれる。
複数重ねることで熱の移動量を増やすことができる。
各種の冷却装置に使用されている。家庭用の電気冷蔵庫やエアコンに使用される逆カルノーサイクルを使う冷却方法と比較して、冷却効率は劣るが、一方で装置の体積が小さく装置の小型化が容易というメリットがあり、騒音・振動を発生しないことなどから、コンピュータのCPU冷却、車などに乗せる小型冷温庫、医療用冷却装置などに使用されている。
移動させる熱以上に、素子自体の放熱量が大きいため、冷却メカニズムとしては電力効率が悪いという欠点がある。吸熱側で吸収した熱と、消費電力分の熱が放熱側で発熱するため、ペルティエ素子自体の冷却が大変であるというのが、冷却の手段として広く普及しない理由である。
また、ヒートポンプなどの熱交換とは異なり「熱移動」であるため、排熱側の十分な冷却を行わないまま負荷をかけ続けると、吸熱側の冷却効率が落ちるばかりでなく素子自体が破損・焼損することがある。
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