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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/30 03:16:14」(JST)
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ベンジル基 (benzyl group) は有機化学における原子団のひとつで、芳香族アルキル基の一種。トルエン上のメチル基から水素1個が失われた構造にあたる1価の置換基である。構造式は C6H5CH2− と表される。しばしば Bn または Bzl と略記される。
C6H5CH= の構造を持つ2価の置換基はベンザル基 (benzal group)、あるいはベンジリデン基 (benzylidene group) と呼ばれる。
目次
- 1 保護基としての利用
- 2 ベンジル化
- 3 主な化合物
- 4 ベンジル位
- 5 関連項目
保護基としての利用
ヘテロ原子に結合したベンジル基はパラジウム触媒存在下水素添加を行うことで切断される(加水素分解)。これを利用し、ヒドロキシ基やカルボキシ基、アミノ基の保護基として常用される。ベンジル基は酸性・塩基性・求核剤・ヒドリド還元などに対して安定であるため、保護基としての利用価値は高い。またバーチ還元、三塩化ホウ素などの強いルイス酸、強酸とチオールの組み合わせなどによっても切断することが可能である。
ベンジル化
ベンジル基を導入する反応をベンジル化と呼ぶ。通常、臭化ベンジルを用いた求核置換反応により行う。例えば、アルコールのヒドロキシ基のベンジル化は、アルコキシドを経由するウィリアムソン合成の手法による。塩基としては水素化ナトリウムなどがよく用いられる。
- ROH + base → RO−
- RO− + C6H5CH2Br → ROCH2C6H5 + Br−
主な化合物
酢酸ベンジルはジャスミンの香り成分の1つである。
ベンジル位
ベンゼン環にアルキル基が結びついているとき、そのアルキル基においてベンゼン環が直接乗っている炭素の位置を ベンジル位 と呼ぶ。共鳴によってアニオンやカチオンやラジカルが安定化を受ける位置である。
関連項目
Japanese Journal
- ニトロベンジル基を有する光潜在性チオールの合成と光反応性材料への応用
- 有光 晃二,佐藤 友理,古谷 昌大
- 材料技術 = Material technology 32(6), 153-160, 2014-11
- NAID 40020328977
- 齋藤 健志,山田 肇,栗本 康司
- 木材学会誌 60(2), 94-99, 2014
- … FT-IRスペクトル分析の結果,WPGの上昇に伴って水酸基(3450cm-1)がベンジル基(699cm-1,740cm-1)に置換される割合が増加し,メカノケミカル処理による木粉のベンジル化の進行が確認された。 …
- NAID 130004775939
- グリコシルジフェニルホスファートを用いる1,2-cis-α-グリコシド結合の立体選択的構築とα-ガラクトシルセラミド(KRN7000)の合成
- Nambu Hisanori,Nakamura Seiichi,Suzuki Noritoshi [他],HASHIMOTO Shunichi
- Trends in glycoscience and glycotechnology 22(123), 26-40, 2010-03-31
- … ベンジル基で保護したグルコースおよびガラクトース糖供与体、アセチル基で保護した2-アジド-2-デオキシ糖供与体を用いた場合、ジオキサン/エーテル(1:1)混合溶媒中0.05–0.2 当量の過塩素酸存在下で種々の受容体アルコールのグリコシル化反応を行うと、良好な収率かつα-選択性で対応するグリコシドが得られた。 …
- NAID 10027507942
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- ベンジル保護基 Benzyl (Bn) Protective Group アルコール → エーテル 概要 ・ベンジル保護基(Bn)は酸性条件、塩基性条件に対して安定な、汎用性の高い保護基である。 ・ブレンステッド酸存在下、BnOC(=NH)CCl 3 を用いると塩基性条件下 ...
- いくつかの全合成において,最終段階でのベンジル基の脱保護に失敗している。 一般には簡単にはずせるが,例外が知られているので注意が必要である。 また, 保護されるヒドロキシル基酸素のローンペアが配位能を保持する ...
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