- 英
- hexadecanoic acid
- 関
- パルミチン酸、パルミチン酸塩
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/03/02 14:33:14」(JST)
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パルミチン酸[1] |
|
|
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
57-10-3 |
PubChem |
985 |
ChEMBL |
CHEMBL82293 |
IUPHAR/BPS
|
1055 |
|
特性 |
化学式 |
C16H32O2 |
モル質量 |
256.42 g/mol |
外観 |
白色結晶 |
密度 |
0.853 g/cm3 at 62 ℃ |
融点 |
62.9 ℃[2]
|
沸点 |
351-352 ℃[3]
215 ℃ at 15 mmHg
|
水への溶解度 |
溶けない |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
パルミチン酸(パルミチンさん、英: palmitic acid、数値表現 16:0)とは、分子式 C16H32O2、示性式 CH3(CH2)14COOH で表すことのできる飽和脂肪酸である。IUPAC系統名はヘキサデカン酸(hexadecanoic acid)。常圧では融点 63 ℃、沸点351 ℃であり、常温では白色の固体である。水には不溶、エーテル、ベンゼンには可溶、エタノールには難溶。
目次
- 1 存在と用途
- 2 生成と変換
- 3 脚注
- 4 関連項目
存在と用途
ラードやヘットなどに多く含まれる。多くの動物性、植物性油脂中、特に木蝋中にグリセリドであるパルミチンとして含まれており、化粧品や界面活性剤などによく用いられている。
類似の化学物質に、イソパルミチン酸(2-ヘキシルデカン酸)があり、同様に化粧品などに応用されている。
生成と変換
植物、微生物、ヒトを含めた動物の体内では、脂肪酸シンターゼによってアセチルCoAとマロニルCoAから直鎖の飽和脂肪酸が作られる。順次アセチルCoAが追加合成されるので原則脂肪酸は偶数の炭素数となる。体内で余剰の糖質、タンパク質等が存在するとアセチルCoAを経て、飽和脂肪酸の合成が進む。脂肪酸の合成は炭素数16のパルミチン酸で一旦終了する。
16:0のパルミチン酸は、長鎖脂肪酸伸長酵素により、18:0のステアリン酸に伸張される。ステアリン酸は、体内でステアロイルCoA 9-デサチュラーゼ(Δ9-脂肪酸デサチュラーゼ)によりステアリン酸のw9位に二重結合が生成されてω-9脂肪酸の一価不飽和脂肪酸である18:1のオレイン酸が生成される[4][5][6]。ステアリン酸がオレイン酸に変換されることで体内の脂肪酸の融点が下がり、体温環境下で脂肪酸を液体に保ち、流動性を増加させる。
脚注
- ^ Merck Index, 12th Edition, 7128.
- ^ Beare-Rogers, J.; Dieffenbacher, A.; Holm, J.V. (2001). “Lexicon of lipid nutrition (IUPAC Technical Report)”. Pure and Applied Chemistry 73 (4): 685–744. doi:10.1351/pac200173040685. http://iupac.org/publications/pac/73/4/0685/.
- ^ Palmitic acid at Inchem.org
- ^ http://hobab.fc2web.com/sub4-Fatty_Acid_Synthesis.htm
- ^ 脂肪酸の合成
- ^ http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/document/topic1.pdf
関連項目
- セタノール - パルミチン酸のカルボキシ基を還元して水酸基にした化合物。別名、パルミチルアルコール。
C15:
ペンタデカン酸 |
飽和脂肪酸 |
C17:
マルガリン酸 |
脂肪:主な脂肪酸 |
飽和脂肪酸
(「*」印は揮発性)
|
C1 蟻酸* - C2 酢酸* - C3 プロピオン酸* - C4 酪酸* - C5 吉草酸 - C6 カプロン酸 - C7 エナント酸 - C8 カプリル酸 - C9 ペラルゴン酸 - C10 カプリン酸 - C11 ウンデシル酸 - C12 ラウリン酸 - C13 トリデシル酸 - C14 ミリスチン酸 - C15 ペンタデシル酸 - C16 パルミチン酸 - C17 マルガリン酸 - C18 ステアリン酸 - C19 ノナデシル酸 - C20 アラキジン酸 - C21 ヘンイコシル酸 - C22 ベヘン酸 - C23 トリコシル酸 - C24 リグノセリン酸
|
不飽和脂肪酸
|
ω-3脂肪酸 |
α-リノレン酸 - ステアリドン酸 - エイコサペンタエン酸 - ドコサペンタエン酸 - ドコサヘキサエン酸
|
ω-6脂肪酸 |
リノール酸 - γ-リノレン酸 - ジホモ-γ-リノレン酸 - アラキドン酸 - ドコサペンタエン酸
|
ω-7脂肪酸 |
パルミトレイン酸 - バクセン酸 - パウリン酸
|
ω-9脂肪酸 |
オレイン酸 - エライジン酸 - エルカ酸 - ネルボン酸
|
ω-10脂肪酸 |
サピエン酸
|
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- シクロプロペン構造を有する脂肪酸とそのアミド体 : カイコガ性フェロモン生合成の阻害剤
- 安藤 哲 [他],大野 竜太,池本 和久,矢島 陽子
- 日本農薬学会誌 20(1), 25-32, 1995-02-20
- … て合成した.それら化合物のフェロモン生合成に及ぼす影響をカイコガ処女雌を用いて検討したところ, フェロモン腺への処理はボンビコール含量の低下をもたらした.また, ^<14>C標識あるいは^2H標識ヘキサデカン酸を利用した実験において, 上記のシクロプロペン化合物をフェロモン腺あたり1μg前処理すると, 生合成前駆体のボンビコールおよび(Z)-11-ヘキサデセノールへの変換が完全に抑えられ, ヘキサデカノール …
- NAID 110001712787
- ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液中でのセルロ-スとヘキサデカン酸の相互作用
- 南極の蘚類中の炭化水素,ステロールおよびヒドロキシ酸(英文)
- 松本 源喜,神田 啓史
- 南極資料 87, 23-31, 1985-12
- … 9,16-または10,16-ジヒドロキシヘキサデカン酸がもっとも卓越していた。 …
- NAID 110000205749
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