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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/02/04 09:02:42」(JST)
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ブテン(butene)とは、分子式C4H8で表される、二重結合を1つもつ不飽和炭化水素。 3種の構造異性体があり、そのうち2-ブテンには幾何異性体であるシス型とトランス型が存在する。ブチレンとの呼称もある。 分子量は56.10。マイケル・ファラデーによって1825年発見されたとされる。
二重結合をもつため、他のアルケン同様に付加反応を起こしやすい。水と反応してブタノールとなったり、水素と反応してブタンとなったりする。それに加え、さまざまな付加重合体を形成する。
空気より重いガスで、非常に引火しやすく、厳重な警戒が必要である。
目次
- 1 異性体
- 1.1 イソブテン
- 1.2 1-ブテン
- 1.3 2-ブテン
- 2 製造
- 3 関連項目
異性体
IUPAC名 |
慣用名 |
構造式 |
球棒モデル |
形状 |
CAS登録番号 |
融点/沸点
(℃) |
1-ブテン |
α-ブチレン |
|
|
無色透明の気体 |
[106-98-9] |
-185.3/-6.3 |
cis-2-ブテン |
cis-β-ブチレン |
|
|
無色透明の気体 |
[107-01-7]
(混合物) |
[590-18-1] |
-139.3/3.73 |
trans-2-ブテン |
trans-β-ブチレン |
|
|
無色透明の気体 |
[624-64-6] |
-105.8/0.88 |
2-メチルプロペン |
イソブテン |
|
|
無色透明の気体 |
[115-11-7] |
-140.3/-6.9 |
イソブテン
詳細は「イソブテン」を参照
エチレンの片方の炭素に結合している水素原子が両方メチル基に置換された構造をしている。示性式は、H2C=C(CH3)2
融点-140.3℃、沸点-6.9℃、無色で独特の臭いをもつ気体。CAS登録番号は115-11-7。
1-ブテン
示性式はH2C=CHCH2CH3。融点-185.3℃、沸点-6.3℃、発火点は384℃。やはり特有臭・無色の気体。CAS登録番号は106-98-9。
2-ブテン
示性式はCH3HC=CHCH3。発火点はどちらも324℃。混合物のCAS登録番号は107-01-7である。
- cis-2-ブテン 融点-139.3℃、沸点3.73℃。CAS登録番号は590-18-1。
- trans-2-ブテン 融点-105.8℃、沸点0.88℃。CAS登録番号は624-64-6。
製造
今日、ブテン類は接触分解によるエチレン、プロピレン、改質ガソリン製造の副産物として生産される。すなわち、接触分解により総重量で10%未満のC4留分が生成されるが、そこからブタジエンを回収した後の留分は、主成分がイソブテン(四十数%前後)であり、残りは1-ブテン(二十数%)、2-ブテン(二十数%)、n-ブタン(沸点-0.5℃)、イソブタン(沸点-11.7℃)などの混合物である。これら成分の生成比は上流工程の接触分解の生成比調節により変動する。
3種のブテンのうちイソブテンは化学的反応性が高く、あるいは分子サイズが他の異性体よりも小さいことから、化学的方法か物理的方法のいずれかで分離される。すなわち、化学的には適当な温度で硫酸と反応させて選択的にtert-ブチル硫酸エステルとして硫酸で抽出したり、適当な反応条件で選択的に硫酸触媒下水和させてtert-ブタノールとして化学的に分離する方法が採用される。化学的に分離されたtert-ブタノールは酸触媒下脱水することでイソブテンを再生する。 また事例は少ないが、3~10オングストロームの細孔を持つ分子篩に、分子サイズの大きい1-ブテン、2-ブテンを吸着させイソブテンを物理的に分離する方法(UCC社Olefin-Sivプロセス)でイソブテンが分離される。
残りの、1-ブテン、2-ブテン、ブタン類は原理的には蒸留により分離が可能であるが、1-ブテンないし2-ブテンは分離することなく他の化成品の原料として転換され、未反応のC4アルカンは接触分解の副原料として回収利用される。すなわち、1-ブテン、2-ブテンの水和はマルコニコフ則に従い、いずれも2-ブタノールを与え、そのままか、あるいはさらに触媒的空気酸化によりメチルエチルケトンに転換されるなどして各種化製品の原料となる。
関連項目
Japanese Journal
- ポリスチレン熱分解生成物スチレン二量体およびスチレントリマーと無水マレイン酸とのラジカル交互共重合
- 木村 貴裕,橋本 保,漆 美智遠,阪口 壽一,澤口 孝志,佐々木 大輔
- 高分子論文集 72(4), 155-164, 2015
- … ポリスチレンの熱分解で生じるスチレン二量体(2,4-ジフェニル-1-ブテン;STD)およびスチレントリマー(2,4,6-トリフェニル-1-ヘキセン;STT)と無水マレイン酸(MAn)のラジカル共重合をさまざまな条件下で検討した.STDとMAnのラジカル共重合においては,最高で分子量約30,000のポリ(STD-co-MAn)が生成した.STTとMAnのラジカル共重合においては,最高で分子量約17,000のポリ(STT-co-MAn)が生成した.生成ポリマーの構造と組成を 1H …
- NAID 130005065938
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- 木村 貴裕,橋本 保,漆 美智遠,阪口 壽一,澤口 孝志,佐々木 大輔
- 高分子論文集 advpub(0), 2015
- … ポリスチレンの熱分解で生じるスチレン二量体(2,4-ジフェニル-1-ブテン;STD)およびスチレントリマー(2,4,6-トリフェニル-1-ヘキセン;STT)と無水マレイン酸(MAn)のラジカル共重合をさまざまな条件下で検討した.STDとMAnのラジカル共重合においては,最高で分子量約30,000のポリ(STD-co-MAn)が生成した.STTとMAnのラジカル共重合においては,最高で分子量約17,000のポリ(STT-co-MAn)が生成した.生成ポリマーの構造と組成を 1H …
- NAID 130004793198
- 21374 制震ダンパでのエネルギー変換を利用したアクティブ制震 : その2 連成システムの特性分析(アクティブ制振(震),構造II,2014年度日本建築学会大会(近畿)学術講演会・建築デザイン発表会)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
セフテムカプセル100mg
組成
成分・含量(1カプセル中)
添加物
- 結晶セルロース,ステアリン酸マグネシウム
カプセル本体中:ラウリル硫酸ナトリウム,ゼラチン,ポリソルベート80,酸化チタン,青色1号,赤色3号
禁忌
本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
効能または効果
適応菌種>
- 本剤に感性の淋菌,大腸菌,クレブシエラ属,エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア・レットゲリ,インフルエンザ菌
適応症>
- ○ 急性気管支炎,慢性呼吸器病変の二次感染
- ○ 膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性に限る)
- ○ 尿道炎
- [急性気管支炎,慢性呼吸器病変の二次感染,膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性に限る)の場合]
- 通常,成人にはセフチブテン水和物として1回200mg(力価)を1日2回経口投与する。
- [尿道炎の場合]
- 通常,成人にはセフチブテン水和物として1回100mg(力価)を1日3回経口投与する。
- なお,年齢及び症状により適宜増減する。
本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
慎重投与
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
高度の腎障害のある患者[血中濃度が持続するので,投与量を減らすか,投与間隔をあけて使用すること。(「薬物動態」の項参照)]
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者,全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
ショック,アナフィラキシー(0.1%未満):ショック,アナフィラキシー(呼吸困難,全身潮紅,浮腫等)を起こすことがあるので,観察を十分に行い,症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
急性腎不全(0.1%未満):急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎(0.1%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には,直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
- 抗菌作用
セフチブテンは,試験管内ではグラム陰性菌の淋菌,大腸菌,クレブシエラ属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア・レットゲリ,インフルエンザ菌に抗菌力を示し,エンテロバクター属,セラチア属にも抗菌力を示す。グラム陽性菌のブドウ球菌,腸球菌にはほとんど抗菌力を示さない。バクテロイデス・フラジリスの産生するβ-ラクタマーゼを除き,ペニシリナーゼ型及びセファロスポリナーゼ型のいずれのβ-ラクタマーゼにも安定である。
作用機序
- 細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を発揮し,その作用は殺菌的である。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称:セフチブテン水和物(JAN)[日局]
Ceftibuten Hydrate
略号:CETB
化学名:(6R,7R)-7-[(2Z)-2-(2-Aminothiazol-4-yl)-4-carboxybut-2-enoylamino]-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylic acid dihydrate
分子式:C15H14N4O6S2・2H2O
分子量:446.46
化学構造式:
性状:白色〜淡黄白色の結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドに溶けやすく,水,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点:約235℃(分解)
分配係数:0.004[pH7,1-オクタノール/緩衝液]
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