出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/29 05:10:02」(JST)
フクロウ目 | ||||||||||||||||||||||||
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カラフトフクロウ
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Strigiformes Wagler, 1830 | ||||||||||||||||||||||||
科 | ||||||||||||||||||||||||
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フクロウ目(フクロウもく、梟目、学名 Strigiformes)は鳥類の1目である。
ミミズクと呼ばれるものも同じ仲間で、はっきりとした区別(分類学上の区別)はない。頭部の上方に突き出た耳のように見えるものを羽角(うかく)というが、羽角のない種をフクロウ、羽角のある種をミミズクと呼んでいる。
220種ほどが南極を除く世界中に分布し、グリーンランドにまで生息している。日本には10種ほどが生息している。
頭部を180度以上回転させることが出来る。
両目が頭部の前面に位置しており、上下にも僅かにずれている。フクロウの眼球は眼窩に固定されているため、眼球を動かせない。その代わり、頭を真後ろに向けたり、上下を反転させたり、自由に回転させることができる。これは頚骨が12-14本と多く、回しやすい構造をもっているためである。[疑問点 – ノート]
フクロウは遠目が利くが、逆に数十センチ以内の近い範囲ははっきりと見ることができない。瞳孔が大きく、弱い光に敏感な桿体細胞が網膜に多いため、夜目がきく(ただしその代償として昼間は眩しすぎるため、目を細めていることが多い)。フクロウの目の感度は人間の100倍。他の多くの鳥類と異なり、両目が正面にあるため立体視が可能で、静止していても対象までの正確な距離を把握できる。
両耳は、耳穴が左右でずれた位置に存在し、奥行きも違っている。 左右非対称であることにより、音源の方向を立体的に認識することが可能になっている。また、パラボラ型の顔面の羽毛が対象の発するわずかな音を集め、聴覚を助ける役目をする。
暗所に強い目と、驚異的な聴力がフクロウ目の夜間ハンティングを可能にしている。
ワシのような形をしたくちばしをもつ。目の周囲を縁取るようにはっきりとした顔盤という羽毛が生えた部位がある。耳角と呼ばれる耳のように見える羽は耳ではなく、耳は顔盤のすぐ後ろに位置している。耳の位置は左右で異なっている。
フクロウ目の羽毛は柔らかく、風切羽の周囲には綿毛が生え、はばたきの音を和らげる効果があるため、ほとんど音を立てることなく飛行できる。
趾(あしゆび)のうち、いちばん外側の第4趾の関節が非常に柔軟で、多くの鳥類のような三前趾足(第1趾のみが後ろで前3本後1本)から対趾足(前2本後2本)に切り替えることができる。
多くの種が夜行性で、フクロウ目は数少ない夜行性の鳥類(鳥類全体の約3%)の中で大きな割合を占める。 肉食で小型の哺乳類や他の鳥類、昆虫などを鋭い爪で捕獲し捕食する。一部には魚を捕食する種もみられる。木の洞穴を住処とし[要出典]て単独またはつがいで生活する。
種類によっては、刺激を受けると、外見上の体の大きさを変えるものもいる。
フクロウ目は、スズメ目などと共に land bird クレードに含まれるが、land bird クレードの初期に分岐した類縁関係のはっきりしない目のひとつである[1][2]。
2科27属220種が現生する[3]。このほかいくつかの化石科がある。
フクロウ目は古くは、猛禽類として分類されてきた。リンネは、タカ類・ハヤブサ類・モズ類と共にタカ目 Accipitres に分類した。
1990年代のSibley分類では、ヨタカ類(ズクヨタカ科を含む)と姉妹群だと考えられ[4]、拡大されたフクロウ目にそれらも含められた。通常のフクロウ目はフクロウ亜目 Strigi となっていた。フクロウ類とヨタカ類は夜行性肉食鳥類という共通点があったため、それらが近縁だとする説は(同じ目にするかどうかは別にして)ある程度の支持を受けた。
カラスやミヤマガラスのほうが知能は高いが、フクロウは古代ギリシャでは女神アテナの従者であり、「森の賢者」と称されるなど知恵の象徴とされている。 古代エジプトではヒエログリフの「m」の文字をフクロウを表すものとしたが、しばしばこのヒエログリフを復活と攻撃のために足の折れたいけにえのフクロウとして記述した。
日本ではフクロウは死の象徴とされ、フクロウを見かけることは不吉なこととされていた。現在では、「不苦労」、「福郎」のゴロ合わせから福を呼ぶものとも言われている。
青森県北津軽郡嘉瀬村(現・五所川原市)では、死んだ嬰児の死霊を「タタリモッケ」といって、その霊魂がフクロウに宿るといわれた[5]。岩手県和賀郡東和町北成島(現・花巻市)ではフクロウを「しまこぶんざ」といい、子供が夜更かししていると「しまこぶんざ来んど」(フクロウが来て連れて行かれる、の意)といって威す風習があった[6]。
アイヌの人々は、シマフクロウを守護神コタンコロカムイとして、エゾフクロウ(フクロウの北海道産亜種)を猟運の神として崇めている。
ホピ族(北アメリカの先住民)でもフクロウは不潔で不気味な生き物とされている。2003年にアメリカの教育委員会が多文化への対応のために児童の教科書のフィクションの項目を再調査したとき、北アメリカの先住民の文化によって従来の蛇やサソリに対するそれのように、フクロウに関する記述や問題を子供たちが怖がってテストが混乱しないように、フクロウについてのこれらの物語や問題を新しい教科書やカリキュラムから取り除かなければならないとの結論に達した。
逆にヨーロッパではしばしば学問の神、英知の象徴とされる。
近年、アジアなどで食用や飼育、様々な用途で密輸され、摘発されるケースがある。
ウィキクォートに梟に関する引用句集があります。 |
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