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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/11 00:46:19」(JST)
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この項目では、食べ物のパイについて説明しています。その他の用法については「パイ (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
パイ(英: Pie、独: die Pastete, der Blätterteig、仏: Tarte, Tourte)は、小麦粉とバターなどから作った生地(パイ生地)に、甘く煮た果実類や、ナッツ類、肉類その他を包み込むなどして、オーブンで焼き上げた料理あるいは菓子。バターの代わりにショートニングやラードを用いることもあり、卵や砂糖を入れる場合もある。
なお、パイ生地を用いないパイや、食品としての使用目的以外に作られるパイも存在する(後述)。
目次
- 1 由来
- 2 基本的なパイ生地の作り方
- 3 代表的なパイ
- 4 パイ生地を利用した料理
- 5 食べにくさ
- 6 菓子パイ
- 7 食品でないパイ
- 8 脚注
- 9 関連項目
- 10 外部リンク
由来
原型として、古代エジプトの「ウテン・ト」や中近東の「バクラバ」が挙げられ、現代のパイの発案者として、クロード・ロランとコンデ侯爵家のフィユ(Feuillet)の2説がある[1]。 オックスフォード英語辞典によれば、パイに関する最初の記録は1303年、ヨークシャーのボルトン修道院の出納帳であるという。イギリスでの初期のパイはベイクド・ミート・パイのようなパイ包み焼き料理だった。原始的なかまどでの長時間の炙り焼きに耐えられる容器として、パイ皮は非常に厚く硬く作られ、食用には適さなかった。16世紀になり、オーブンの改良とペストリーの進歩により、食べるためのパイ皮のレシピが現れ始める。一方、アラブ世界から伝わった菓子パンの影響から、イタリアではルネサンス期に小さくて甘いパイが発展し、ヨーロッパ全域に広まった[2]。
基本的なパイ生地の作り方
パイ生地中には多量のバターが含まれる。加熱によりバターが溶け、沸騰する際に生地中に気泡を生じ、さっくりした独特の食感を生み出すことが出来る。パイ作りの作業中にパイ生地が温まると、焼く前にバターが溶けてしまい軽い口当たりが損なわれるため、上等な生地作りには多少の熟練を要する。冷凍のパイ生地も市販されており、家庭でも短時間で簡単にパイをつくることができるようになった。
折りパイ
- 折りパイ(フィユタージュ(仏)、パートフィエテ Pâte feuilletée (仏)、Blätterteig(独)、Puff Pastry(英))
- ふるった小麦粉に水と塩を加えて均一になるまで混ぜる。
- 溶かしバターを加えてさらに混ぜ、しばらく休ませる。
- 生地を四角く伸ばし、冷しておいたバターの塊を包む。
- バターを包んだ生地を麺棒などで平たく叩き伸ばす。
- 平らになった生地に打ち粉をし、麺棒で平らに伸ばす。
- 生地を三つ折にしてしばらく休ませる。
- 最初の伸ばしと直交する方向に再度伸ばし、三つ折にする。
- この工程を合計5-6回行い、最後に生地を数時間休ませて完成。
- これを適宜切って具材を包んだり、パイ皿に伸ばして具材を盛って焼きあげる。
練りパイ
- 練りパイ(パートブリゼ Pâte brisée(仏)、Flaky Pastry(英))(一般的にアメリカン・パイと呼ばれるタイプ)
- ふるった小麦粉に冷やしたバターを入れ、粉をまぶしながらバターを切り込む。
- 粉とバターが全体に薄黄色を帯びたさらさらの状態になるまで切り込む。
- 全体が細かい粒状になったら両手で軽くすり合わせて粉とバターを均一にする。
- 水に塩を溶かした仕込み水を加え、全体が均一になり生地がまとまるまで混ぜる。
- 台に軽く打ち粉をして生地をのせ、軽く麺棒を転がしながら生地を伸ばす。
- 折りパイ同様に調理する。
代表的なパイ
甘いパイ
- アップルパイ
- ピーチパイ
- バナナパイ
- パンプキンパイ:甘く煮たカボチャのペーストを包んだものやカボチャ味のフィリングを焼いたもの。秋から冬にかけてハロウィンなどによく作られる。
- チェリーパイ:生のサクランボまたはサクランボの砂糖煮を包んだもの。テレビドラマ『ツイン・ピークス』の登場人物の好物であったため、日本でも有名になった。
- ペカンパイ:ペカンとコーンシロップ、カスタードを用いたパイ。
- ミンスパイ:ブランデーなどに漬け込んだ、刻んだドライフルーツを包んだもの。この中身は「ミンス・ミート」と呼ばれるが、ミート(肉類)ではない。この呼称は昔、挽肉(mince)とドライフルーツ類を混ぜたものを詰めていたなごりで、現代では肉は入れない。
- ミルフィーユ:焼いたパイ生地とクリーム類やフルーツを層状に重ねたもの。肉類や魚類の料理で焼いたパイ生地と層を成すように重ねたものは「ミルフィーユ仕立て」と呼ばれることがある。ナポレオンパイとも呼ばれる。
以下は「パイ」とは呼ばれるものの、オーブンで焼いたものではなく、焼いたパイ生地や砕いたグラハム・クラッカーなどをバターと混ぜたものを敷き詰めたパイ皿(上述のパイの様に練りパイ生地だけを台にしているものもある)にクリームなどを盛り付けた生菓子の仲間である。
- レモンパイ:レモンの果皮や果汁で味と香りをつけたメレンゲやクリームを用いる。トッピングにメレンゲを用いる場合はレモン・メレンゲパイとも呼ばれ、短時間オーブンで焼いてメレンゲに焼き色をつける。
- カスタードパイ:カスタードクリームを用いたもの。粉砂糖を振りかけて飾る。
- キーライムパイ:ライムの果汁を加えたフィリングとメレンゲを使ったアメリカでポピュラーなパイ。本物はキーライムを用いる。
- バナナクリームパイ:薄切りにしたバナナとカスタードクリームのパイ。
- ミシシッピーマッドパイ:チョコレートとアイスクリームを用いた冷たいパイ。
甘くないパイ
- ステーキ・アンド・キドニーパイ:細切りにした牛肉と牛の腎臓を包み込んだもの。イギリスでポピュラーなパイ。
- ポークパイ:味付けした豚肉の細切れを包み込んだもの。冷たいまま食べる。
- ハンギパイ:ロトルアにある蒸し焼きの牛肉入りのパイ。
- ミートパイ:味付けした肉類(ミートソースの場合もある)を包んだもの。
- キッシュ:型に合わせた練りパイ生地に肉や野菜などとカスタードを入れ、チーズを振掛けて焼き上げる。フランスのロレーヌ地方の郷土料理。
- シェパーズパイ:「羊飼いのパイ」という意味で、子羊の挽肉を塩・コショウ・ハーブ・タマネギ・羊の骨から抽出したスープと炒めてから耐熱容器に移し、野菜を加え、上にマッシュポテトを盛ってオーブンで焼いたもの。パイ生地は用いない。イギリス料理。別名コテージパイ。
- ピザパイ:ピザはパイではないが、20世紀半ばには英語でピッツァパイと呼ばれていた[3]。パイの一切れ「ピース・オブ・パイ」から、ピザ・パイと呼ばれるようになったともいう[4]。
- スターゲイジー・パイ:コーンウォールのマウゾルという漁村で、嵐の夜に漁に出て村を飢餓から救った伝説の漁師を讃えて、12月23日の夜に食べられる伝統のあるパイ[2]。
パイ生地を利用した料理
- パイ包み焼き:肉類や魚類の香りを逃がさないように、全体をパイ生地で包み込んでオーブン焼きした料理。
- ポットパイ:シチューやスープを入れた耐熱容器の口に蓋をするようにパイ生地を貼り付け、容器ごとオーブンで焼いたもの。中のシチューやスープにパイを崩し入れながら食べる。パイ生地で具を包んで焼くこともある。
- アップルダンプリング:皮をむいたリンゴをパイ生地で包みこんでオーブンで焼いた菓子。果実を丸ごと包むブールドロ(これのリンゴをセイヨウナシに変えるとドゥイヨン)という菓子もある。
食べにくさ
パイは、層になっているためフォークやスプーンでは切り取ることが難しい。中でもミルフィーユは食べにくいパイの代表格であり、美しく食べることが難しい。横に倒してからナイフで切ると、散らかさずに食べることができ、これはマナーにも適っている。
菓子パイ
上述の折込パイでの製造過程において、砂糖の粒(主にグラニュー糖)を練り込んだり表面にまぶした後、形を整えて焼き上げた菓子である。ただし、ケーゼシュタンゲンのように砂糖を用いない菓子パイも一部にはある。なお食品成分表での食品名はパフパイと表記されている。
焼き上げの時に溶けた砂糖が、出来上がった後に冷えて固まることから、他のパイよりも硬い食感がある。
- リーフパイ
- スティックパイ
- パルミエ
- ケーゼシュタンゲン
食品でないパイ
- パイ皿(厚手の紙やアルミ箔でつくられた深さのある皿)にホイップクリームや食品ではないシェービングクリームを盛ったものは、コメディやバラエティ番組において良く用いられるガジェットで、特にアメリカの映画やテレビドラマ、アニメによく登場する。他の登場人物の顔にぶつけるため、あるいは互いにぶつけ合うために用いられる。そういったシチュエーションは「パイ投げ」と呼ばれる。欧米では政治家や大企業の経営者の会見などで敵対意識を持った人に投げつけられることもある。
- 一般にパイは切り分けて食べられ、食べる人数によって1人あたりの量が変わることから、「複数者によって分け合われる収益や顧客などの総量」の比喩に使われ、「パイを奪い合う」「パイが大きくなる(=市場規模が大きくなる)」などと言う。ちなみに円グラフを英語でパイチャート(pie chart)と呼ぶ。
- 様々なスポーツ競技に使われるフリスビーは、もともとはパイ皿を使った射的遊技であった。
脚注
- ^ 参考文献:猫井登『お菓子の由来物語』幻冬舎ルネッサンス
- ^ a b ジャネット・クラークソン『パイの歴史物語』竹田円訳、原書房、2013年、ISBN 9784562048854
- ^ 1957 broadcast
- ^ 「ピッツァ」「ピザ・パイ」 小麦粉のおはなし 財団法人製粉振興会
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、パイに関連するメディアおよびカテゴリがあります。 |
- キッシュ
- パスタ、ペースト、パテ
- テリーヌ
- ケーキ
- トルテ、タルト
- パスティラ - モロッコの名物料理。また、同名の長崎市の郷土料理。
- ピロシキ
- サンブーサク
- うなぎパイ
- 三立製菓 - 源氏パイ
- 不二家 - ホームパイ
- ロッテ - パイの実
- 3月14日 - パイの日。「3.14≒π」ということから日本パイ協会が2002年に制定。
外部リンク
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 空自ファイター・パイロットのスクランブル人生 われは"空の子"奮闘記(149)
- ライクリン ルクレツィア,ポルテス リチャード,パパイオアヌ エリアス
- Newsweek = ニューズウィーク 30(25), 36-37, 2015-06-30
- NAID 40020495173
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
オパイリン錠125mg
組成
成分・含量
添加物
- 結晶セルロース
ヒドロキシプロピルスターチ
ポリソルベート80
ヒドロキシプロピルセルロース
ステアリン酸マグネシウム
硬化油
ヒプロメロース
酸化チタン
カルナウバロウ
パラフィン
ポリビニルアルコール(部分けん化物)
ショ糖脂肪酸エステル
軽質無水ケイ酸
禁忌
- 消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」の項参照)[消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。]
- 重篤な血液の異常のある患者[副作用として血液障害が報告されているため、血液の異常を悪化させるおそれがある(「副作用」の項参照)。]
- 重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告されているため、肝障害を悪化させるおそれがある。]
- 重篤な腎障害のある患者[腎血流量を低下させ、腎障害を悪化させるおそれがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の患者
- アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発させるおそれがある。]
効能または効果
- ○下記疾患の消炎、鎮痛、解熱
関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊椎症、腰痛症、肩胛関節周囲炎、関節炎、症候性神経痛
○下記疾患の消炎、鎮痛
抜歯後、歯髄炎、歯根膜炎
○下記炎症性疾患の消炎
膀胱炎、前立腺炎、帯状疱疹、湿疹・皮膚炎、紅斑症、各科領域の手術後ならびに外傷後の炎症性反応
- 通常、成人にはフルフェナム酸アルミニウムとして1回125〜250mgを1日3回経口投与する。また、頓用する場合には、1回フルフェナム酸アルミニウムとして、250mgとする。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- ○下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
- 通常、成人にはフルフェナム酸アルミニウムとして、1回250mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大750mgを限度とすること。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
慎重投与
- 消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させるおそれがある。]
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。]
- 血液の異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。]
- 出血傾向のある患者[血小板機能低下が起こることがあるため、出血傾向を助長させるおそれがある。]
- 肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。]
- 腎障害又はその既往歴のある患者[腎血流量を低下させ、腎障害を悪化又は再発させるおそれがある。]
- 過敏症の既往歴のある患者
- 気管支喘息の患者[喘息発作を誘発させるおそれがある。]
- 潰瘍性大腸炎の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- クローン病の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 高齢者[「重要な基本的注意」、「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
出血性大腸炎
頻度不明
- 出血性大腸炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止すること。
薬効薬理
抗炎症作用9)〜11)
- モルモット紫外線紅斑抑制作用はフェニルブタゾンより強く、ラットカラゲニン浮腫抑制作用はフェニルブタゾン、アスピリンより強い。
また、ラットクロトン油肉芽嚢への滲出液貯留、綿球肉芽腫増殖及びアジュバント関節炎に対しても抑制作用が認められる。
ラット実験的歯髄炎に対する抗炎症作用はインドメタシンより強く、フェニルブタゾンと同等である。
鎮痛作用12)〜14)
- マウス酢酸Writhing法、ラットRandall-Selitto法においてはメフェナム酸と同等、マウス熱板法においてはアミノピリン、フェニルブタゾンと同等の鎮痛効果を示す。
また、ラットアジュバント関節炎及びイヌ尿酸関節炎による炎症性疼痛に対しても抑制作用が認められている。
解熱効果15)
- ウサギにおいて、正常体温には影響しないが、TTG(発熱物質)による異常体温には解熱作用を示す。
作用機序16)
- 非ステロイド性抗炎症剤に共通するプロスタグランジン生合成阻害作用が考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- フルフェナム酸アルミニウム(flufenamate aluminum)(JAN)
化学名
- aluminium 2-[[3-(trifluoromethyl) phenyl]-amino] benzoate
分子式
分子量
性状
- わずかに緑色を帯びた淡黄色の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。アセトンに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)又はクロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点
- 120℃付近より褐変しはじめ250℃まで昇温しても融解しない。
★リンクテーブル★
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- papaya、Carica papaya
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- パパイヤ科、パパイヤ、パパイヤ属
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- 関
- 肺活量測定、スパイロメトリー
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- bronchospirography
- 同
- 気管支呼吸計測法