- 英
- nalfurafine
- 同
- ナルフラフィン塩酸塩、nalfurafine hydrochloride
- 商
- レミッチ
- 関
- その他の中枢神経系用薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/30 18:48:40」(JST)
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ナルフラフィン
|
IUPAC命名法による物質名 |
(2E)-N-[(5α,6β)-17-(cyclopropylmethyl)- 3,14-dihydroxy- 4,5-epoxymorphinan- 6-yl]- 3-(3-furyl)- N-methylacrylamide
|
臨床データ |
AHFS/Drugs.com |
International Drug Names |
投与方法 |
intravenous |
識別 |
CAS番号 |
152658-17-8 |
ATCコード |
V03AX02 |
PubChem |
CID: 6445230 |
IUPHAR/BPS |
1651 |
ChemSpider |
4949003 |
UNII |
XC41AVD567 |
ChEMBL |
CHEMBL267495en:Template:ebicite |
別名 |
TRK-820 |
化学的データ |
化学式 |
C28H32N2O5 |
分子量 |
476.564 g/mol |
SMILES
-
CN([C@@H]1CC[C@]2([C@H]3CC4=C5[C@]2([C@H]1OC5=C(C=C4)O)CCN3CC6CC6)O)C(=O)/C=C/C7=COC=C7
|
InChI
-
InChI=1S/C28H32N2O5/c1-29(23(32)7-4-18-9-13-34-16-18)20-8-10-28(33)22-14-19-5-6-21(31)25-24(19)27(28,26(20)35-25)11-12-30(22)15-17-2-3-17/h4-7,9,13,16-17,20,22,26,31,33H,2-3,8,10-12,14-15H2,1H3/b7-4+/t20-,22-,26+,27+,28-/m1/s1
-
Key:XGZZHZMWIXFATA-UEZBDDGYSA-N
|
ナルフラフィン(Nalfurafine、商品名:レミッチ、開発コード:TRK-820)は東レが創薬したκ-オピオイド受容体(英語版)作動薬であり、血液透析患者の瘙痒症治療に用いられる。
目次
- 1 効能・効果
- 2 副作用
- 3 作用機序
- 4 外部リンク
- 5 参考資料
効能・効果
2009年1月、厚生労働省は「血液透析患者に於ける瘙痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」についてナルフラフィンの使用を承認した[1]。
2015年3月、慢性肝疾患患者に於ける瘙痒症の改善について効能効果追加承認申請がされた[2]。
副作用
重大な副作用として添付文書に記載されているものは、肝機能障害及び黄疸である。5%以上に不眠が生じる。
作用機序
詳細は「オピオイド」を参照
オピオイド受容体の内、κ受容体に特に親和性が高く、オピオイド受容体作動性試験(EC50)の結果、κ:μ:δ比は1:203:2610(値が小さい方が作動力が高い)であった。
外部リンク
参考資料
- ^ “経口そう痒症改善剤「レミッチ®カプセル2.5µg」の国内における製造販売承認取得について”. 東レ・日本たばこ産業・鳥居薬品 (2009年1月21日). 2015年3月4日閲覧。
- ^ “瘙痒症改善剤「レミッチ®カプセル2.5µg」の国内における効能追加申請およびプロモーション提携に関するお知らせ”. 東レ・日本たばこ産業・鳥居薬品・大日本住友製薬 (2015年3月3日). 2015年3月4日閲覧。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 輝く : 日本人による発見と新規開発(Vol.11)難治性そう痒症治療薬ナルフラフィン塩酸塩の創出
- 維持血液透析患者に対するナルフラフィン塩酸塩の長期投与(2年間)効果
- 高橋 直子,吉澤 拓,熊谷 純子
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 46(3), 371-378, 2013-03-28
- NAID 10031161765
- 維持血液透析患者に対するナルフラフィン塩酸塩の長期投与(2年間)効果
- 高橋 直子,吉澤 拓,熊谷 純子
- 日本透析医学会雑誌 46(3), 371-378, 2013
- … 影響を与える因子として注目されている.2009年3月に,既存治療で効果不十分な血液透析患者のそう痒症に対してナルフラフィン塩酸塩(ナルフラフィン)が臨床使用可能となった.今回,われわれは,既存治療抵抗性そう痒症を有する血液透析患者にナルフラフィンを投与し,2年(104週)にわたる長期間の有効性と安全性を検討した.投与前のvisual analogue scale(VAS)が70 …
- NAID 130003372773
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
レミッチカプセル2.5μg
組成
有効成分・含量(1カプセル中)
- ナルフラフィン塩酸塩2.5μg
(ナルフラフィンとして2.32μg)
添加物
- 内容物:マクロゴール400、チオ硫酸ナトリウム水和物
カプセル本体:コハク化ゼラチン、ゼラチン、濃グリセリン、酸化チタン
禁忌
効能または効果
- 次の患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)
- 通常、成人には、ナルフラフィン塩酸塩として1日1回2.5μgを夕食後又は就寝前に経口投与する。なお、症状に応じて増量することができるが、1日1回5μgを限度とする。
〇血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合
- 本剤の投与から血液透析開始までは十分な間隔をあけること。[本剤は血液透析により除去されることから、本剤服用から血液透析までの時間が短い場合、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。(「薬物動態」の項参照)]
〇慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合
- 本剤の投与は1日1回2.5μgから開始し、効果不十分な場合に1日1回5μgへの増量を検討すること。
慎重投与
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者[投与経験がない。また、肝機能の低下に伴い血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合
- 中等度(Child-Pugh分類グレードB)の肝障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
〈慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合
- 腎機能障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。]
重大な副作用
肝機能障害(頻度不明注1))、黄疸(頻度不明注1))
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
そう痒に対する作用
- 既存の止痒薬である抗ヒスタミン薬が有効なヒスタミン皮内投与誘発マウス引っ掻き行動及び抗ヒスタミン薬が効き難いサブスタンスP皮内投与誘発マウス引っ掻き行動を抑制した17)。また、抗ヒスタミン薬が無効な中枢性のかゆみモデルであるモルヒネ大槽内投与誘発マウス引っ掻き行動も抑制した18)。
作用機序
- ヒトオピオイド受容体発現細胞を用いたin vitroの受容体結合試験及び受容体作動性試験の結果から、選択的なオピオイドκ受容体作動薬であることが示されている19)。
表12「ヒトオピオイド受容体結合試験及び作動性試験成績」参照。
また、in vitro試験において、ヒスタミン受容体を含むオピオイド受容体以外の種々の受容体、トランスポーター及びイオンチャネルに結合せず、肥満細胞からの脱顆粒反応に対しても抑制作用を示さなかった19)、20)。さらにサブスタンスP皮内投与誘発マウス引っ掻き行動抑制作用は、オピオイドκ受容体拮抗薬であるノルビナルトルフィミン(nor-BNI)の脳室内投与により完全に拮抗された18)。
依存性
- ラット退薬症候観察5)においてモルヒネで認められた退薬症候をほとんど示さなかったことから、本薬の身体依存性は弱く、サル自己投与試験5)において強化効果が認められなかったことから、精神依存性はないと考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ナルフラフィン塩酸塩 Nalfurafine Hydrochloride
化学名
- (2E)-N-[(5R,6R)-17-(Cyclopropylmethyl)-4,5-epoxy-3,14-dihydroxymorphinan-6-yl]-3-(furan-3-yl)-N-methylprop-2-enamide monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- 白色〜ごくうすい黄色の粉末である。吸湿性が高く、光にやや不安定である。溶解性は、水、メタノールに対して溶けやすく、エタノール(95)に対しては溶けにくく、酢酸エチルとジエチルエーテルにはほとんど溶けない。
分配係数
- 0.95〔1-オクタノール/pH6.8の緩衝液での分配係数(LogD)〕
★リンクテーブル★
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
- 慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能・効果とする新有効成分含有医薬品