ウプトラビ
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2019/12/27 10:35:34」(JST)
[Wiki ja表示]
セレキシパグ
|
IUPAC命名法による物質名 |
---|
IUPAC名 2-{4-[(5,6-diphenylpyrazin-2-yl)(propan-2-yl)amino]butoxy}-N-(methanesulfonyl)acetamide |
識別 |
---|
PubChem |
CID: 9913767 |
---|
ChemSpider |
8089417 |
---|
UNII |
5EXC0E384L |
---|
KEGG |
D09994 |
---|
ChEMBL |
CHEMBL238804 |
---|
化学的データ |
---|
化学式 |
C26H32N4O4S |
---|
分子量 |
496.63 g·mol−1 |
---|
SMILES
CC(C)N(CCCCOCC(=O)NS(=O)(=O)C)C1=CN=C(C(=N1)C2=CC=CC=C2)C3=CC=CC=C3
|
InChI
InChI=1S/C26H32N4O4S/c1-20(2)30(16-10-11-17-34-19-24(31)29-35(3,32)33)23-18-27-25(21-12-6-4-7-13-21)26(28-23)22-14-8-5-9-15-22/h4-9,12-15,18,20H,10-11,16-17,19H2,1-3H3,(H,29,31) Key:QXWZQTURMXZVHJ-UHFFFAOYSA-N
|
テンプレートを表示 |
セレキシパグ(Selexipag、開発コードNS-304、ACT-293987)は日本新薬が創薬した肺高血圧治療薬である。商品名ウプトラビである。
プロスタグランジンI2受容体(IP受容体)作動薬であり、肺循環において血管拡張作用を持ち、肺血圧を低下させる[1]。
2014年12月に欧州[2]および米国[3]で承認申請され、米国で2015年12月[4]に、欧州で2016年5月[5]に承認された。
日本では2014年9月に「肺動脈性肺高血圧症」について希少疾病用医薬品に指定され[6]、2016年1月に承認申請された[7]。2016年6月には、「慢性血栓塞栓性肺高血圧症」について希少疾病用医薬品の指定を受けた[8]。
出典
- ^ Sitbon, O.; Morrell, N. (2012). “Pathways in pulmonary arterial hypertension: The future is here”. European Respiratory Review 21 (126): 321–327. doi:10.1183/09059180.00004812. PMID 23204120.
- ^ “当社が創薬したセレキシパグの、導出先企業による販売承認申請のお知らせ”. 日本新薬 (2014年12月2日). 2015年5月19日閲覧。
- ^ “当社が創薬したセレキシパグの、導出先企業によるFDAへの販売承認申請のお知らせ”. 日本新薬 (2014年12月24日). 2015年5月19日閲覧。
- ^ “当社が創薬したセレキシパグの、導出先企業による販売承認取得のお知らせ”. 日本新薬 (2015年12月22日). 2016年6月26日閲覧。
- ^ “当社が創薬したセレキシパグの、導出先企業による 欧州委員会の販売承認取得のお知らせ”. 日本新薬 (2016年5月17日). 2016年6月26日閲覧。
- ^ “肺動脈性肺高血圧症治療薬セレキシパグが国内において希少疾病用医薬品の指定を受けました”. 日本新薬 (2014年9月18日). 2015年5月19日閲覧。
- ^ “日本新薬は本日、肺動脈性肺高血圧症治療薬 「セレキシパグ」の製造販売の承認申請を行いました”. 日本新薬 (2016年1月7日). 2016年6月26日閲覧。
- ^ “セレキシパグ、慢性血栓塞栓性肺高血圧症のオーファン指定に関するお知らせ”. 日本新薬 (2016年6月21日). 2016年6月26日閲覧。
参考文献
- ウプトラビ錠0.2㎎/ウプトラビ錠0.4㎎ 添付文書 日本新薬株式会社
- ウプトラビ錠0.2㎎/ウプトラビ錠0.4㎎ 医薬品インタビューフォーム
|
この項目は、薬学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:薬学/Portal:医学と医療/Portal:化学)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
- 1. 成人における肺動脈性肺高血圧症の治療(グループ 1):肺高血圧症に特異的な治療treatment of pulmonary arterial hypertension group 1 in adults pulmonary hypertension specific therapy [show details]
…years . Selexipag plus ERA and/or PDE5I – In a large trial (GRIPHON), 1156 patients with group 1 PAH and WHO classification II or III were randomly assigned to receive placebo or selexipag (200 to 1600 …
- 2. 先天性心疾患のある成人の肺高血圧症のマネージメントと予後management and prognosis of pulmonary hypertension in adults with congenital heart disease [show details]
…significantly changed . Selexipag is an oral prostacyclin receptor (also called IP-receptor) agonist. The IP-receptor is one of five types of prostanoid receptors. Selexipag is approved by the US Food …
- 3. 全身性硬化症(強皮症)に伴う肺動脈性高血圧症:治療および予後pulmonary arterial hypertension in systemic sclerosis scleroderma treatment and prognosis [show details]
…Studies that support the use of this agent in patients with PAH are provided separately. Selexipag – Selexipag is an oral selective non-prostanoid prostacyclin receptor (IP receptor) agonist that results …
- 4. 小児の肺高血圧症:マネージメントおよび予後pulmonary hypertension in children management and prognosis [show details]
…food (to prevent gastrointestinal upset) at fairly uniform intervals (every six to eight hours). Selexipag is an oral selective nonprostanoid prostacyclin receptor agonist that is available for use in adult…
- 5. 先天性心疾患のある成人に生じる肺高血圧症の臨床症状と診断clinical manifestations and diagnosis of pulmonary hypertension in adults with congenital heart disease [show details]
Japanese Journal
- 古川 明日香,田村 雄一
- 日本病院薬剤師会雑誌 = Journal of Japanese Society of Hospital Pharmacists 53(6), 725-731, 2017-06
- NAID 40021234035
- 新薬の紹介 選択的プロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬 セレキシパグ錠(ウプトラビ錠0.2mg,0.4mg)
- 玉田 あゆみ
- 日本病院薬剤師会雑誌 = Journal of Japanese Society of Hospital Pharmacists 53(2), 219-221, 2017-02
- NAID 40021088743
- ウプトラビ錠<sup>®</sup>0.2mg, 0.4mg
- 舟木 俊治
- ファルマシア 53(4), 348-349, 2017
- … にプロスタサイクリン(PGI<sub>2</sub>)およびその誘導体が,肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療に臨床応用されている.しかし,これらの多くは半減期が短く,血中濃度の維持が課題であった.そこで,長時間持続型のIP受容体作動薬を探索し,経口投与後に活性代謝物(MRE-269)の有効血中濃度が長時間維持できるセレキシパグを創製した.主にMRE-269がIP受容体に作用し, 血管拡張作用および細胞増殖抑制作用を示す. …
- NAID 130005530020
Related Links
- 【薬剤師監修・作成】「セレキシパグ(選択的プロスタサイクリン受容体作動薬)(肺高血圧症治療薬)」プロスタサイクリン受容体(IP受容体)への作動作用により、平滑筋弛緩作用や肺動脈平滑筋細胞の増殖抑制作用などを介して ...
- 平成 30 年 月20 日 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 セレキシパグ及びクロピドグレル硫酸塩含有製剤の 「使用上の注意」の改訂について 成分名 該当商品名 成分名 該当商品名(承認取得者) ① セレキシパグ ② クロピドグレル ...
- 通常、成人にはセレキシパグとして1回0.2mgを1日2回食後経口投与から開始する。忍容性を確認しながら、7日以上の間隔で1回量として0.2mgずつ最大耐用量まで増量して維持用量を決定する。なお、最高用量は1回1.6mgとし、いずれの用量 ...
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 選択的プロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬
販売名
ウプトラビ錠0.2mg
組成
組成
添加物
- 黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、プロピレングリコール、D-マンニトールを含有する。
効能または効果
- 本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること。
- 通常、成人にはセレキシパグとして1回0.2mgを1日2回食後経口投与から開始する。忍容性を確認しながら、7日以上の間隔で1回量として0.2mgずつ最大耐用量まで増量して維持用量を決定する。なお、最高用量は1回1.6mgとし、いずれの用量においても、1日2回食後に経口投与する。
- 投与初期に頭痛、下痢等の副作用が多く報告されているため、患者の状態を十分観察しながら慎重に用量の漸増を行うこと。
- 忍容性に問題があり減量する場合は、原則として1回0.2mgずつ漸減すること。減量後に再増量する場合は、再増量までに8日以上の間隔をあけ、忍容性を確認しながら漸増すること。
- 3日以上投与を中断した場合、再開時には中断前より低い用量からの投与を考慮すること。
- 投与を中止する場合は、症状の増悪に留意しながら投与量を漸減すること。
- 中等度の肝障害患者には、1日1回に減量して投与を開始し、投与間隔や増量間隔の延長、最高用量の減量を考慮すること。(「薬物動態」の項参照)
慎重投与
- 低血圧の患者[本剤の血管拡張作用により、血圧を更に低下させるおそれがある。]
- 出血傾向並びにその素因のある患者[本剤の血小板凝集抑制作用により、出血傾向を助長するおそれがある。(「相互作用」の項参照)]
- 軽度又は中等度の肝障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇することが認められている。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照)]
- 重度の腎障害のある患者(透析中の患者を含む)[本剤の血中濃度が上昇することが認められている。また、透析中の患者への使用経験はない。(「薬物動態」の項参照)]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
低血圧
- 過度の血圧低下〔低血圧(2.6%)、起立性低血圧(0.8%)等〕があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
出血
- 出血〔鼻出血(1.6%)、網膜出血(0.3%)等〕があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
甲状腺機能異常
- 甲状腺機能異常〔甲状腺機能亢進症(0.5%)、甲状腺機能低下症(0.5%)等〕があらわれることがあるので、本剤投与中は必要に応じて甲状腺機能検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序15)〜17)
- セレキシパグはヒトプロスタサイクリン受容体に選択的な結合能を有し、cyclic AMP生成量を濃度依存的に増加させ、アゴニスト作用を示した。
- セレキシパグは、プロスタグランジンF2αによる摘出ラット肺葉内動脈標本の収縮を濃度依存的に抑制した。
- 主代謝物であるMRE-269も上記(1)及び(2)の作用を示し、その効力(EC50又はIC50)はセレキシパグと比較して(1)では15〜33倍、(2)では約4倍高かった。
薬理作用18), 19)
- トロンボキサンA2受容体アゴニストであるU46619誘発肺高血圧モデルラットにおいて、セレキシパグの投与は右心室圧の上昇を抑制した。
- モノクロタリン誘発肺高血圧モデルラットにおいて、セレキシパグの投与は右心肥大を抑制した。
- モノクロタリン誘発肺高血圧モデルラットにおいて、セレキシパグの投与は肺動脈圧を低下させた。反復投与による肺動脈圧低下効果の減弱は認められなかった。
有効成分に関する理化学的知見
性状
- 本品は微黄色〜黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品はジメチルスルホキシドに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
分配係数
- 3.0 [1-オクタノール・第1液(pH1.2)]
2.1 [1-オクタノール・第2液(pH6.8)]
2.2 [1-オクタノール・水]
★リンクテーブル★
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
- 選択的プロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬
薬効
【希少疾病用医薬品】