コセンティクス
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セクキヌマブ?モノクローナル抗体 |
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種類 |
全長抗体 |
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原料 |
ヒト |
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抗原 |
IL17A |
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臨床データ |
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法的規制 |
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識別 |
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CAS番号
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ATCコード |
L04AC10 (WHO) |
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KEGG |
D09967 |
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別名 |
AIN457 |
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化学的データ |
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化学式 |
C6584H10134N1754O2042S44 |
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分子量 |
147.94 kDa |
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セクキヌマブ(Secukinumab、開発コードAIN457)は、非感染性慢性ぶどう膜炎[1]、関節リウマチ、乾癬、強直性脊椎炎[2]への治療効果を期待されている医薬品であり、サイトカインの一つインターロイキン-17Aに対するヒトモノクローナル抗体である[3][1]。商品名コセンティクス。
承認取得状況
日本では2014年11月、薬事・食品衛生審議会が「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬」への使用を審議・了承し[4]、2014年12月、厚生労働省が承認した[5]。米国では2014年10月、FDA諮問委員会が「中等症または重症の尋常性乾癬」への使用承認を勧告した[6]のを受けて、2015年1月にFDAが承認した[7]。欧州では2015年1月に「中等症から重症の乾癬」への使用を欧州医薬品委員会(CHMP)が承認勧告した[8]。
臨床試験
リウマチ性関節炎に対しては、充分な効果が得られなかった[9]。
2014年7月、乾癬についての第III相比較臨床試験によりプラセボおよびエタネルセプトに対する優越性が確認された[10][11]。
また多発性硬化症モデル動物における実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に対する有効性が確認されたことを受けて、多発性硬化症に対する第II相臨床試験が進行中である[12]。
クローン病への有効性は確認されなかった[13]。
副作用
重大な副作用として添付文書に記載されているものは、重篤な感染症、過敏症反応、好中球数減少である。ウイルス、細菌、真菌等による感染症については警告欄でも注意喚起されている。
副作用は少なく、好中球減少をきたさないとする意見もある[14]。また別の報告[15][16]では、感染症への罹患率が増加している。
出典
- ^ a b “Effects of AIN457, a fully human antibody to interleukin-17A, on psoriasis, rheumatoid arthritis, and uveitis”. Sci Transl Med 2 (52): 52ra72. (October 2010). doi:10.1126/scitranslmed.3001107. PMID 20926833. http://stm.sciencemag.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=20926833.
- ^ Baeten D, Baraliakos X, Braun J et al. Anti-interleukin-17A monoclonal antibody secukinumab in treatment of ankylosing spondylitis: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial, Lancet, 2013;382:1705-1713
- ^ “Statement On A Nonproprietary Name Adopted By The USAN Council: Secukinumab”. American Medical Association. 2014年10月24日閲覧。
- ^ “薬食審・第二部会 新薬など7成分を審議 承認了承 ノバルティスの新規乾癬治療薬も”. ミクス (2014年12月1日). 2014年12月4日閲覧。
- ^ “ヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体「コセンティクス」尋常性乾癬と関節症性乾癬の治療薬として世界で初めて製造販売承認取得”. ノバルティス (2014年12月26日). 2015年2月19日閲覧。
- ^ “ノバルティス、FDA諮問委員会が中等症または重症の尋常性乾癬患者さんに対するAIN457(セクキヌマブ)の承認勧告を全会一致で決議したと発表” (2014年10月29日). 2014年12月4日閲覧。
- ^ “米FDA 乾癬治療薬セクキヌマブを承認”. ミクス (2015年1月23日). 2015年1月26日閲覧。
- ^ “ノバルティス、中等症から重症の乾癬患者さんの第一選択薬としてCHMPからAIN457(セクキヌマブ)の承認勧告を取得”. ノバルティス (2014年12月5日). 2015年1月26日閲覧。
- ^ http://www.medscape.com/viewarticle/806510_6
- ^ Langley RG, Elewski BE, Mark Lebwohl M, et al., for the ERASURE and FIXTURE Study Groups (July 24, 2014). “Secukinumab in Plaque Psoriasis — Results of Two Phase 3 Trials”. N Engl J Med 371: 326-338. doi:10.1056/NEJMoa1314258. http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1314258.
- ^ “乾癬患者さんを対象にしたセクキヌマブ(AIN457)の高い有効性を示した2つの第III相臨床試験結果がNEJMに掲載” (2014年7月18日). 2014年10月24日閲覧。
- ^ http://clinicaltrials.gov/show/NCT01874340
- ^ Hueber W, Sands BE, Lewitzky S, et al (2012年5月17日). “Secukinumab, a human anti-IL-17A monoclonal antibody, for moderate to severe Crohn's disease: unexpected results of a randomised, double-blind placebo-controlled trial”. Gut 61: 1693-1700. doi:10.1136/gutjnl-2011-301668. http://gut.bmj.com/content/61/12/1693.
- ^ Rich P, Sigurgeirsson B, Thaci D, et al (2013年1月30日). “Secukinumab induction and maintenance therapy in moderate-to-severe plaque psoriasis: a randomized, double-blind, placebo-controlled, phase II regimen-finding study”. Br J Dermatol 168: 402-411. doi:10.1111/bjd.12112. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/bjd.12112/abstract.
- ^ Hueber W, Sands BE, Lewitzky S, et al. Secukinumab, a human anti-IL-17A monoclonal antibody, for moderate to severe Crohn's disease: unexpected results of a randomised, double-blind placebo-controlled trial, Gut, 2012;61:1693-1700
- ^ Genovese MC, Durez P, Richards HB et al. Efficacy and safety of secukinumab in patients with rheumatoid arthritis: a phase II, dose-finding, double-blind, randomised, placebo controlled study, Ann Rheum Dis, 2013;72:863-869
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- 1. リウマチ性疾患のマネージメントに用いる生物学的製剤とキナーゼ阻害薬の概要overview of biologic agents and kinase inhibitors in the rheumatic diseases [show details]
…mAbs employed in the treatment of rheumatic disease are infliximab, adalimumab, ustekinumab, and secukinumab. Certolizumab, a polyethylene glycolated (PEGylated) Fab fragment that does not contain an Fc portion …
- 2. 成人の乾癬の治療treatment of psoriasis in adults [show details]
…interleukin 17 (IL-17) pathway utilized for the treatment of psoriasis include secukinumab, ixekizumab, and brodalumab. Secukinumab, an anti-IL-17A monoclonal antibody, is an effective treatment for moderate …
- 3. 乾癬性関節炎の治療treatment of psoriatic arthritis [show details]
…population, such as secukinumab or ustekinumab. Resistant to two TNF inhibitors – In patients who do not respond adequately to two different TNF inhibitors, we use an IL-17 inhibitor (ie, secukinumab or ixekizumab) …
- 4. 成人の体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎およびX線画像に変化が認められない体軸性脊椎関節炎)の治療treatment of axial spondyloarthritis ankylosing spondylitis and nonradiographic axial spondyloarthritis in adults [show details]
…starting secukinumab. However, there are no reports, in contrast to TNF inhibitor therapy, of latent TB reactivation under secukinumab treatment. Hence, an IL-17 inhibitor, such as secukinumab (or ixekizumab …
- 5. 炎症性腸疾患に伴う関節炎の治療treatment of arthritis associated with inflammatory bowel disease [show details]
…nonradiographic axial spondyloarthritis . While secukinumab has been ineffective for bowel disease in IBD trials, flares of new or pre-existing IBD after initiation of secukinumab have been rare in our clinical experience …
Japanese Journal
- 毛孔性紅色粃糠疹に対してセクキヌマブが奏効した1例 (特集 角化症・炎症性角化症)
- 柴田 知之,田代 綾香,武藤 潤,大嶋 雄一郎,渡辺 大輔,渡辺 拓
- 皮膚科の臨床 61(5), 611-614, 2019-05
- NAID 40021899959
- 田村 直人
- 臨床リウマチ 31(3), 246-251, 2019
- … どの患者教育とストレッチなどの運動療法が推奨される.非ステロイド性抗炎症薬で効果不十分な場合には抗TNF抗体製剤インフリキシマブもしくはアダリムマブが用いられ,高い臨床的有効性を示す.二次無効の場合は他方への切り替えを行う.TNF阻害薬の長期間の投与や早期からの使用は長期的な骨病変進行を抑制する可能性が示唆されている.一次無効ではIL-17阻害薬セクキヌマブの有効性が示されている.</p> …
- NAID 130007741424
- 当院における過去3年間の免疫抑制・化学療法によるB型肝炎ウイルス再活性化の実態
- 小橋 春彦,歳森 淳一,小山 芳伸,藤井 総一郎,竹内 誠
- 岡山赤十字病院医学雑誌 (29), 26-33, 2018-11
- … 自己免疫疾患845例中5例でHBV再活性化を認め、関節リウマチ3例(アバタセプト、サラゾスルファピリジン、メトトレキサート)、強皮症1例(シクロフォスファミド)、膿疱性乾癬1例(セクキヌマブ)だった。 …
- NAID 120006585759
Related Links
- セクキヌマブは、ヒト遺伝子組換えIL-17Aにより誘発した関節炎モデルマウスにおいて、関節炎を誘発する24時間前及び2時間前にセクキヌマブを腹腔内投与することにより、関節の腫脹及び軟骨に対する作用を完全に抑制した。 7) また ...
- コセンティクスは2015年12月に「乾癬」の治療薬として承認されています。今回は乾癬・強直性脊椎炎とコセンティクス(セクキヌマブ)の作用機序についてご紹介します。
- 2014年12月26日、乾癬治療薬セクキヌマブ(商品名コセンティクス皮下注150mgシリンジ、同皮下注150mg)の製造販売が承認された。適応は「既存の ...
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
コセンティクス皮下注150mgペン
組成
有効成分・含量(1シリンジ中)
添加物(1シリンジ中)
- トレハロース水和物 75.67mg
L-ヒスチジン・L-ヒスチジン塩酸塩水和物 3.103mg注1)
L-メチオニン 0.746mg
ポリソルベート80 0.200mg
- 本剤の有効成分であるセクキヌマブ(遺伝子組換え)は、チャイニーズハムスター卵巣細胞から産生されるヒト型モノクローナル抗体である。
- 注1)L-ヒスチジンとL-ヒスチジン塩酸塩水和物の合計量を、L-ヒスチジンの量として示す。
禁忌
- 重篤な感染症の患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
- 活動性結核の患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
**既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎
**尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬
- 以下のいずれかを満たす患者に投与すること。
- 紫外線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者。
- 難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する患者。
**強直性脊椎炎
- 過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。
**尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬
- 通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。
**強直性脊椎炎
- 通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。
- **本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。本剤による治療開始後、医師により適用が妥当と判断された患者については、自己投与も可能である。(「重要な基本的注意」の項参照)
- 投与毎に注射部位を変えること。また、皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位、乾癬の部位には注射しないこと。(「適用上の注意」の項参照)
- 本剤による治療反応は、通常投与開始から16週以内に得られる。16週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
**尋常性乾癬、関節症性乾癬及び膿疱性乾癬患者に投与する場合
- 体重60kg以下の患者では1回150mgの投与を考慮すること。(【臨床成績】の項参照)
慎重投与
- 感染症の患者又は感染症が疑われる患者〔感染症が悪化するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- 結核の既往歴を有する患者〔結核を活動化させるおそれがあるので、胸部X線(レントゲン)検査等を定期的に行うなど、結核症の発現に十分に注意すること。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- *炎症性腸疾患の患者〔症状を悪化させるおそれがある。また活動期にあるクローン病の患者を対象とした海外臨床試験において、プラセボ群に比べて本剤群においてクローン病の症状が悪化する傾向がみられている。炎症性腸疾患の患者に投与する場合は観察を十分に行うこと。〕(「副作用 重大な副作用」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
**重篤な感染症(1.1%)
- ウイルス、細菌あるいは真菌等による重篤な感染症があらわれることがあるので、本剤投与後は患者の状態を十分に観察し、感染症が疑われた場合には適切な処置を行うこと。
**過敏症反応
- アナフィラキシー(頻度不明)、蕁麻疹(1.1%)等の過敏症反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
好中球数減少(頻度不明)
- 好中球数減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
**,*炎症性腸疾患(0.5%)
- 炎症性腸疾患があらわれることがあるので、観察を十分に行い、炎症性腸疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- セクキヌマブは、ヒト抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体であり、炎症性サイトカインであるIL-17Aと結合し、IL-17AのIL-17受容体への結合を阻害することにより、その活性を中和する。
In vitroにおける薬理活性
- セクキヌマブは、選択的にヒトIL-17Aに結合し(解離定数:約200pM)、ヒト線維芽細胞様滑膜細胞5)及びヒト皮膚線維芽細胞6)において、ヒトIL-17Aにより誘導したIL-6産生作用を中和した。
In vivoにおける薬理活性
- セクキヌマブは、ヒト遺伝子組換えIL-17Aにより誘発した関節炎モデルマウスにおいて、関節炎を誘発する24時間前及び2時間前にセクキヌマブを腹腔内投与することにより、関節の腫脹及び軟骨に対する作用を完全に抑制した。7)また、ヒト遺伝子組換えIL-17Aで誘発されるマウス空気嚢への好中球浸潤を、好中球浸潤誘発前にセクキヌマブを単回腹腔内投与することにより、用量依存的に抑制した。8)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- セクキヌマブ(遺伝子組換え)
Secukinumab(Genetical Recombination)
分子量
本質
- ヒトインターロイキン-17Aに対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体であり、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される457個のアミノ酸残基からなる重鎖(C2268H3477N597O686S16:分子量:50,595.50)2分子及び215個のアミノ酸残基からなる軽鎖(C1024H1594N280O335S6:23,379.68)2分子で構成される糖タンパク質
★リンクテーブル★
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商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効