- 英
- indapamide
- 商
- ナトリックス、テナキシル
- 関
- 降圧薬、利尿薬
- Na/Cl cotransporterを阻害しNaClと水の排泄を促進する。チアジド系利尿薬と類似の作用を持ちながら、降圧作用が大きい。
WordNet
- diuretic (trade name Lozal) used in the treatment of hypertension (同)Lozal
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/06 16:22:43」(JST)
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インダパミド
|
IUPAC命名法による物質名 |
4-chloro-N-(2-methyl-2,3-dihydroindol-1-yl)- 3-sulfamoyl-benzamide |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
POM |
投与方法 |
経口(タブレット) |
薬物動態的データ |
血漿タンパク結合 |
71-79% |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
14-18 時間 |
識別 |
CAS登録番号 |
26807-65-8 |
ATCコード |
C03BA11 |
PubChem |
CID 3702 |
DrugBank |
APRD01031 |
ChemSpider |
3574 |
UNII |
F089I0511L |
KEGG |
D00345 |
ChEMBL |
CHEMBL406 |
化学的データ |
化学式 |
C16H16ClN3O3S |
分子量 |
365.835 g/mol |
SMILES
- O=S(=O)(N)c1c(Cl)ccc(c1)C(=O)NN3c2ccccc2CC3C
|
InChI
-
InChI=1S/C16H16ClN3O3S/c1-10-8-11-4-2-3-5-14(11)20(10)19-16(21)12-6-7-13(17)15(9-12)24(18,22)23/h2-7,9-10H,8H2,1H3,(H,19,21)(H2,18,22,23)
Key:NDDAHWYSQHTHNT-UHFFFAOYSA-N
|
インダパミド(英: Indapamide)は、サイアザイド系(チアジド系)に近い利尿薬。日本での適応症は本態性高血圧。商品名はナトリックス錠1mg/2mg(大日本住友製薬)、テナキシル錠(アルフレッサ)。後発品は撤退した。(発売中止:ナシンドレン:辰巳科学)
目次
- 1 薬理
- 2 副作用
- 3 エビデンス
- 4 脚注
- 5 外部リンク
薬理[編集]
利尿作用によりナトリウムを排泄し、血圧を下げる。サイアザイド系よりも、低カリウム血症の副作用が少ないとされている。ひいては糖尿病の発症・増悪も少ないと推測されている[1][2]。
- インダパミドは遠位尿細管のNaCl共輸送体(NCC)を阻害するため、交感神経による高血圧および食塩感受性高血圧は良い適応となる。[3]
副作用[編集]
- 高尿酸血症…副作用を相殺しつつ血圧を下げるためにニューロタン、アバプロ・イルベタンやアテレックがしばしば併用される。
- 皮膚炎・皮疹・皮膚掻痒感
- 低カリウム血症→糖尿病の発症・増悪には注意を要する。が、大規模臨床試験では糖尿病患者の死亡や血管合併症はむしろ減っている。(エビデンスの項参照)
- 腎障害・肝障害…慢性腎不全や肝硬変では投与禁忌。
エビデンス[編集]
- 脳卒中既往患者に対してペリンドプリル・インダパミド治療群とプラセボ群の無作為割付二重盲検試験(RCT)。治療群で脳卒中再発の減少が報告された。
- エナラプリル治療群と比較して、左室重量係数において有意にインダパミド治療群で左室肥大を抑制していた。
- 2型糖尿病患者において、エナラプリル治療群とインダパミド治療群では、微量アルブミン尿の減少効果は同様であった。腎保護においてもACE阻害薬と遜色ないことと報告された。
- 2型糖尿病患者において、ペリンドプリル・インダパミド治療群はプラセボ群よりも、全死亡・心血管死において有意差をもって優れていた。
- 80歳以上の超高齢者を対象とし,治療群には利尿薬としてインダパミドを投与し、降圧不十分であればACE阻害薬ペリンドプリルを追加した。積極的に降圧療法を行った治療群のほうが脳卒中の発症が少ないという結果であった。またサブ解析でも総死亡,全心血管イベントともに,治療群でのリスク減少がみられた。
- 脳卒中再発抑制について検討した予備的研究。プラセボ群と比べ脳卒中が29%減少した。上記のPROGRESS試験と比較した文献もある。[8][9]
脚注[編集]
- ^ a b Effects of a fixed combination of perindopril and indapamide on macrovascular and microvascular outcomes in patients with type 2 diabetes mellitus (the ADVANCE trial): a randomised controlled trial. Lancet. 2007; 370: 829-40.
- ^ a b Equivalence of indapamide SR and enalapril on microalbuminuria reduction in hypertensive patients with type 2 diabetes: the NESTOR Study. J Hypertens 2004; 22: 1613-22.
- ^ http://www.nature.com/nm/journal/v17/n5/full/nm.2337.html
- ^ Lancet 2001; 358: 1033-41.
- ^ J Hypertens 2000; 18: 1465-75.
- ^ Beckett NS, et al, for the HYVET Study Group. Treatment of hypertension in patients 80 years of age or older. N Engl J Med. 2008;358(18):1887-98.
- ^ PATS Collaborating Group: Post-stroke antihypertensive treatment study. A preliminary result. Chin Med J. 108 (9): 710-7, 1995.
- ^ Messerli FH, et al. Arch Intern Med. 2003; 163:2557-60
- ^ http://www.lifescience.jp/ebm/sa/2009/0907/1.html#
外部リンク[編集]
- 池田正行教授によるPROGRESS試験の解説
- HYVETについての解説
- HYVETのサブ解析:性別や年齢などに関係なく降圧効果あり
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- P2-292 アンジオテンシンII受容体過剰発現マウスの塩分負荷による糸球体増殖変化、蛋白尿に対するインダパミドの効果(一般演題 ポスター発表,薬物療法(遺伝子多型),医療薬学の創る未来 科学と臨床の融合)
- 粂 哲雄,上村 和秀,大塚 秀隆,尾形 曜子,加藤 こずえ,北村 久代,篠 道弘,野垣 文昭,伊藤 正樹,小野 孝彦
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 19, 436, 2009-09-15
- NAID 110007485496
- 心疾患を合併する高血圧 LIFE,LIVE (大規模臨床試験--循環・代謝系を中心に) -- (高血圧)
- 142) 芍薬甘草湯とインダパミドの併用により,低カリウム血症を来たし心室細動に至った一症例(第104回日本循環器学会近畿地方会)
- 諏訪 恵信,前羽 宏史,居原田 善司,妹尾 健,山本 哲史,真鍋 憲市,佐久間 孝雄,岩坂 壽二
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 72(Supplement_II), 999, 2008-04-20
- NAID 110006914729
Related Links
- ナトリックスとは?インダパミドの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- インダパミドの効果・副作用について解説します。 ... インダパミドについての基本情報 インダパミドの効能・作用……効能は『本態性高血圧症』です。インダパミドは腎臓に対する利尿作用によって、血圧を低下させる降圧剤で ...
- ※この商品に関係するニュース記事へのリンクがページ最下部にあります。 「有効成分」 インダパミド(Indapamide) 「同一成分含有商品」 ディブレット (インダパミド) 1.5mg (10錠) 260 円 Divret (Indapamide) - 1.5mg (10 Tablets) ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ナトリックス錠1
組成
有効成分(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロース、アラビアゴム末、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール4000、大豆レシチン
禁忌
- 無尿の患者
- 急性腎不全の患者
〔1.、2.腎機能がさらに悪化するおそれがある。〕
- 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者〔低ナトリウム血症・低カリウム血症があらわれるおそれがある。〕
- チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対して過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
本態性高血圧症
- インダパミドとして、通常成人1日1回2mgを朝食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、少量から投与を開始して徐々に増量すること。
慎重投与
- 進行した肝硬変症の患者〔肝性昏睡を誘発するおそれがある。〕
- 心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者〔急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮をきたし、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。〕
- 重篤な腎障害のある患者〔腎機能がさらに悪化するおそれがある。〕
- 肝疾患・肝機能障害のある患者
- 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者〔高尿酸血症、高血糖をきたし、痛風、糖尿病の悪化や顕在化のおそれがある。〕
- 下痢、嘔吐のある患者〔電解質異常があらわれるおそれがある。〕
- 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者〔血中カルシウムがさらに上昇するおそれがある。〕
- ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者〔「相互作用」の項参照〕
- 減塩療法を受けている患者〔低ナトリウム血症等の電解質異常があらわれるおそれがある。〕
- 乳児〔乳児は電解質バランスがくずれやすい。〕
3.〜10.項は「副作用」の項を参照。
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
- 交感神経切除後の患者〔降圧作用が増強するおそれがある。〕
重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形滲出性紅斑
(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形滲出性紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、紅斑、そう痒、粘膜疹等の症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
**低ナトリウム血症
(頻度不明)
- けん怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
**低カリウム血症
(頻度不明)
- けん怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
薬効薬理
降圧作用
- 正常血圧ラットでは血圧に影響を与えず、DOCA-食塩高血圧ラット及び一側腎摘出DOCA-食塩高血圧ラットにおいて1,3,10mg/kg、並びに自然発症高血圧ラットにおいて3,10,30mg/kgの単回経口投与により著明な血圧降下を示した。7)
血管平滑筋の収縮反応に対する抑制作用
- ウサギ摘出血管標本におけるニコチン及びチラミンによる収縮を3×10-5mol/L以上で有意に抑制した。8)DOCA-食塩高血圧ラットの脊髄破壊標本において、10mg/kg/日の2週間前投与で、アンジオテンシン及び交感神経電気刺激による血圧上昇を有意に抑制した。9)
利尿作用
- 正常ラットにおいて、0.1mg/kg経口投与から用量依存的な利尿作用を示し、0.05mg/kg経口投与から尿中へのナトリウム排泄量増加を示した。
しかし、尿中へのカリウム排泄作用は比較的軽度であり、また、尿量及びカリウム排泄量は、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジドに比べて少なかった。10)
有効成分に関する理化学的知見
*分子式
*性状
- 白色の結晶性の粉末である。
エタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
エタノール(99.5)溶液(1→10)は旋光性を示さない。
融点
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