出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/09 13:06:54」(JST)
この項目では、電流の単位について記述しています。起磁力の単位については「アンペア回数」を、競走馬については「アンペア (競走馬)」を、お笑いコンビについては「あんぺあ」をご覧ください。 |
アンペア ampere |
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記号 | A |
系 | 国際単位系 |
量 | 電流 |
組立 | 基本単位 |
定義 | 真空中に1メートルの間隔で平行に置かれた無限に小さい円形の断面を有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の1メートルにつき千万分の2ニュートンの力を及ぼし合う直流の電流 |
語源 | アンドレ=マリ・アンペール |
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アンペア (ampere, 記号:A) は電流(量記号: I (直流), i (交流))の単位で、SI基本単位の一つである。また、起磁力(量記号: F , Fm )や磁位差(量記号: Um )の単位も同じ「アンペア」という名称であるが、これは電流の単位アンペアから組み立てられた組立単位であり、定義が異なる(アンペア回数を参照)。
電流と磁界との関係を示した「アンペールの法則」に名を残すアンドレ=マリ・アンペールに因んで命名された[1]。
目次
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現在のアンペアの定義は、「アンペアは,真空中に 1 メートルの間隔で平行に配置された無限に小さい円形断面積を有する無限に長い二本の直線状導体のそれぞれを流れ,これらの導体の長さ 1 メートルにつき 2 × 10−7ニュートンの力を及ぼし合う一定の電流である」とされる[2]。この定義は、1948年の第9回国際度量衡総会(CGPM)で採択されたものであり[3]、1954年の第10回CGPMで電流の基本単位として正式に承認された[4]。この定義により、結果的に真空の透磁率μ0の値が正確に 4π×10−7 H/m に固定されることになる[3]。
1948年以前は、銀の電解析出率に基づく国際アンペア(international ampere)と呼ばれる定義が用いられていた。国際アンペアは1893年の国際電気会議で発表された後、1908年の万国電気単位会議によって追認された国際電気単位の一つで[5]、硝酸銀水溶液中を通過する電気が1秒間当たり0.00111800 gの銀を析出させる電流として定義されていた[1]。現在の定義によるアンペアは国際アンペアと対比する際には絶対アンペアと呼ばれ、これら2つのアンペアの値は1国際アンペア=0.999865絶対アンペアとなる[1]。
なお、上記の定義では直流電流のみについて言及しているが、日本における計量単位令では、「又はこれで定義したアンペアで表した瞬時値の二乗の一周期平均の平方根が一である交流の電流」と、交流電流についても定義している(計量単位令・平成4年政令第357号)[6]。
アンペアの値は電流天秤によって最も正確に知ることができるが、実際には電圧と電気抵抗の単位、すなわちボルトとオームからオームの法則によって測られる。
電荷の単位クーロン(C)はアンペアに基づいて定義されている。すなわち、1クーロンは1秒間に1アンペアの電流により流れる電荷である[7]。電流は電荷が流れる率のことであるので、1アンペアは導体の断面を1秒間に1クーロンの電荷が流れる場合の電流(A=C/s)と定義することができる。
1クーロンは約6.24×1018個の荷電粒子と等しいので、1アンペアは1秒間に約6.24×1018個の荷電粒子が導体中を流れる状態と定義することもできる。
名称 | 記号 | 次元 | 物理量 |
---|---|---|---|
アンペア(SI基本単位) | A | A | 電流 |
クーロン | C | A·s | 電荷・電気量 |
ボルト | V | J/C = kg·m2·s−3·A−1 | 電圧・電位 |
オーム | Ω | V/A = kg·m2·s−3·A−2 | 電気抵抗・インピーダンス・リアクタンス |
オーム・メートル | Ω·m | kg·m3·s−3·A−2 | 電気抵抗率 |
ワット | W | V·A = kg·m2·s−3 | 電力・放射束 |
ファラド | F | C/V = kg−1·m−2·A2·s4 | 静電容量 |
ファラド毎メートル | F/m | kg−1·m−3·A2·s4 | 誘電率 |
逆ファラド(ダラフ) | F−1 | kg1·m2·A−2·s−4 | エラスタンス |
ボルト毎メートル | V/m | kg·m·s−3·A−1 | 電場(電界)の強さ |
クーロン毎平方メートル | C/m2 | C/m2= m−2·A·s | 電束密度 |
ジーメンス | S | Ω−1 = kg−1·m−2·s3·A2 | コンダクタンス・アドミタンス・サセプタンス |
ジーメンス毎メートル | S/m | kg−1·m−3·s3·A2 | 電気伝導率(電気伝導度・導電率) |
ウェーバ | Wb | V·s = kg·m2·s−2·A−1 | 磁束 |
テスラ | T | Wb/m2 = kg·s−2·A−1 | 磁束密度 |
アンペア(アンペア回数) | A | A | 起磁力 |
アンペア毎メートル | A/m | m−1·A | 磁場(磁界)の強さ |
アンペア毎ウェーバ | A/Wb | kg−1·m−2·s2·A2 | 磁気抵抗(リラクタンス) |
ヘンリー | H | Wb/A = V·s/A = kg·m2·s−2·A−2 | インダクタンス・パーミアンス(英語版) |
ヘンリー毎メートル | H/m | kg·m·s−2·A−2 | 透磁率 |
(無次元数) | χ | - | 磁気感受率 |
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