- 英
- adalimumab
- 商
- ヒュミラ
- 関
- 他に分類されない代謝性医薬品
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/18 04:20:38」(JST)
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アダリムマブ?
|
モノクローナル抗体 |
種類 |
全長抗体 |
原料 |
ヒト |
抗原 |
TNF-α |
臨床データ |
商品名 |
ヒュミラ |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a603010 |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- UK: 処方箋のみ (POM)
- US: ℞-only
|
投与方法 |
Subcutaneous |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
64% (皮下注), 0% (経口投与) |
半減期 |
10–20日 |
識別 |
CAS番号 |
331731-18-1 |
ATCコード |
L04AB04 |
DrugBank |
DB00051 |
UNII |
FYS6T7F842 |
KEGG |
D02597 |
ChEMBL |
CHEMBL1201580 |
化学的データ |
化学式 |
C6428H9912N1694O1987S46 |
分子量 |
144190.3 g/mol |
アダリムマブ(adalimumab:ADA)とは遺伝子組換えによって作られたヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤(医薬品)である。独BASF傘下の製薬会社であったKnoll AG(後に米アボット・ラボラトリーズが買収)が創製した。日本での販売名はヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL(製造販売(輸入)元:アボットジャパン、販売元:エーザイ)。抗体成分である蛋白配列が完全ヒト由来であるため、先行のキメラ抗体製剤よりも理論的に生体適合性が高い(より過敏症を起こしにくい)とされる。剤型はプレフィルドシリンジであり、2週間に1回投与される。一定の条件を満たした患者においては自己投与も認められている。
アダリムマブ等の免疫調節を作用機序とする生物学的製剤は従来のリウマチ治療薬に比べ全く異なる新しいアプローチとして高い治療効果を持つに至り、長年にわたり有効な治療法がなかった関節リウマチにおいて切り札的な治療法となった。しかし、一方でアダリムマブはヒトの免疫機構(細胞性免疫)の一部に関与するTNF-α(腫瘍壊死因子α)の生理活性を抑制する一種の免疫抑制剤であることから、投与中は特に細菌、真菌、ウイルスによる重篤な感染症(肺炎、結核、ウイルス性脳炎等)の発現に注意しながら使用することが重要である。また、アダリムマブ等の生物学的製剤は臨床使用(ヒトでの使用)が開始されてからまだ歴史が浅いため、今後、長期的な治療効果及び安全性データの集積が待たれるという点で未知の要素を残している。
目次
- 1 日本における適応症
- 2 作用機序
- 3 脚注
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
日本における適応症
- 関節リウマチ
- 若年性特発性関節炎
- 尋常性乾癬および関節症性乾癬…皮膚科疾患。2010年現在、日本では特定の施設でしか治療を受けることができない。
- クローン病[1]
- 腸管型ベーチェット病[2]
- 潰瘍性大腸炎
- 強直性脊椎炎[1]
作用機序
関節リウマチ:アダリムマブは関節リウマチにおいて過剰に産生されたTNF-αに特異的に結合し、TNF-αがTNF-α受容体に結合することによって生じる関節滑膜の炎症反応の抑制や関節破壊に関与する破骨細胞の形成及びその活性化の抑制により関節破壊の進展を防止する(関節破壊防止については海外データでのみ認められている)。
脚注
- ^ a b アボット ジャパン株式会社、エーザイ株式会社 ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」国内においてクローン病ならびに強直性脊椎炎に関する効能・効果の追加を承認取得(2010年10月29日)
- ^ http://www.eisai.co.jp/news/news201330.html
関連項目
外部リンク
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Japanese Journal
- 乾癬の最新の治療と展望 (特集 アレルギー疾患治療の最近の進歩と展望) -- (皮膚科)
- 炎症性腸疾患に対する抗体療法の発展と課題 (第1土曜特集 抗体医療Update--コンセプトから最新治療実績まで) -- (臨床:その他の疾患に対する抗体治療)
Related Links
- アダリムマブ (adalimumab;ADA) とは遺伝子組換えによって作られたヒト型抗ヒトTNF- αモノクローナル抗体製剤(医薬品)である。独BASF傘下の製薬会社であったKnoll AG (後に米アボット・ラボラトリーズが買収)が創製した。日本での販売名はヒュミラR皮下 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL
組成
有効成分・含量(1シリンジ中)
添加物(1シリンジ中)
- D-マンニトール 9.6mg
クエン酸水和物 1.044mg
クエン酸ナトリウム水和物 0.244mg
リン酸水素二ナトリウム二水和物 1.224mg
リン酸二水素ナトリウム 0.688mg
塩化ナトリウム 4.932mg
ポリソルベート80 0.8mg
水酸化ナトリウム 適量
禁忌
- 重篤な感染症 (敗血症等) の患者[症状を悪化させるおそれがある.]
- 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある.]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 脱髄疾患 (多発性硬化症等) 及びその既往歴のある患者[症状の再燃及び悪化のおそれがある.]
- うっ血性心不全の患者[症状を悪化させるおそれがある.]
効能または効果
,*ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL
- 関節リウマチ
- 尋常性乾癬,関節症性乾癬
- 強直性脊椎炎
- 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
- 中等症又は重症の活動期にあるクローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
(参考)
ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL
- 関節リウマチ:○
尋常性乾癬,関節症性乾癬:○
強直性脊椎炎:○
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎:○
クローン病:○
,*関節リウマチ
- 過去の治療において,少なくとも1剤の抗リウマチ薬(生物製剤を除く)等による適切な治療を行っても,疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること.
- 本剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用は行わないこと(「重要な基本的注意」の項参照).
尋常性乾癬及び関節症性乾癬
- 少なくとも1種類の既存の全身療法 (紫外線療法を含む) で十分な効果が得られず,皮疹が体表面積 (BSA) の10%以上に及ぶ場合に投与すること.
- 難治性の皮疹又は関節症状を有する場合に投与すること.
強直性脊椎炎
- 過去の治療において,既存治療薬 (非ステロイド性抗炎症薬等) による適切な治療を行っても,疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること.
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
- 過去の治療において,少なくとも1剤の抗リウマチ薬(生物製剤を除く)等による適切な治療を行っても,疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること.全身型若年性特発性関節炎については,全身症状に対する有効性及び安全性が確立していないため,全身症状が安定し,多関節炎が主症状の場合に投与すること.
クローン病
- 過去の治療において,栄養療法,他の薬物療法 (5-アミノサリチル酸製剤,ステロイド,アザチオプリン等) 等による適切な治療を行っても,疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること.なお,寛解維持投与は漫然と行わず経過を観察しながら行うこと.
関節リウマチ
- 通常,成人にはアダリムマブ (遺伝子組換え) として40mgを2週に1回,皮下注射する.なお,効果不十分な場合,1回80mgまで増量できる.
尋常性乾癬及び関節症性乾癬
- 通常,成人にはアダリムマブ (遺伝子組換え) として初回に80mgを皮下注射し,以後2週に1回,40mgを皮下注射する.なお,効果不十分な場合には1回80mgまで増量できる.
強直性脊椎炎
- 通常,成人にはアダリムマブ (遺伝子組換え) として40mgを2週に1回,皮下注射する.なお,効果不十分な場合,1回80mgまで増量できる.
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
- 通常,アダリムマブ(遺伝子組換え)として,体重15kg以上30kg未満の場合は20mgを,体重30kg以上の場合は40mgを2週に1回,皮下注射する.
クローン病
- 通常,成人にはアダリムマブ (遺伝子組換え) として初回に160mgを,初回投与2週間後に80mgを皮下注射する.初回投与4週間後以降は,40mgを2週に1回,皮下注射する.
- 本剤の投与開始にあたっては,医療施設において,必ず医師によるか,医師の直接の監督のもとで投与を行うこと.本剤による治療開始後,医師により適用が妥当と判断された患者については,自己投与も可能である (「重要な基本的注意」の項参照).
- 投与毎に注射部位を変えること.また,皮膚が敏感な部位,皮膚に異常のある部位 (傷,発疹,発赤,硬結等の部位),乾癬の部位には注射しないこと (「適用上の注意」の項参照).
- 関節リウマチ及び強直性脊椎炎において,本剤による治療反応は,通常投与開始から12週以内に得られる.12週以内に治療反応が得られない場合は,現在の治療計画の継続を慎重に再考すること.また,増量を行っても効果が得られない場合,現在の治療計画の継続を慎重に再考すること.
- 尋常性乾癬及び関節症性乾癬において,本剤による治療反応は,通常投与開始から16週以内に得られる.16週以内に治療反応が得られない場合は,現在の治療計画の継続を慎重に再考すること.また,増量を行っても効果が得られない場合,現在の治療計画の継続を慎重に再考すること.
- 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎において,本剤による治療反応は,通常投与開始から12週以内に得られる.12週以内に治療反応が得られない場合は,現在の治療計画の継続を慎重に再考すること.
- ,*クローン病において,本剤による治療反応は,通常投与開始から4週以内に得られる.4週時点で臨床症状や内視鏡所見等による治療反応が得られない場合,また,寛解維持投与中に効果不十分となった場合は,本剤の継続投与の必要性を検討し,他の治療法への切替えを考慮すること.
- 本剤は1回に全量を使用すること.
慎重投与
- 感染症の患者又は感染症が疑われる患者[本剤は免疫反応を減弱する作用を有し,正常な免疫応答に影響を与える可能性があるので,適切な処置と十分な観察が必要である (「重要な基本的注意」の項参照).]
- 結核の既感染者 (特に結核の既往歴のある患者及び胸部X線上結核治癒所見のある患者)[結核を活動化させるおそれがあるので,胸部X線検査等を定期的に行うなど,結核症状の発現に十分注意すること (「重要な基本的注意」の項参照).]
- 脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者及び家族歴のある患者[脱髄疾患発現のおそれがあるため,適宜画像診断等の検査を実施し,十分注意すること (「重要な基本的注意」の項参照).]
- 重篤な血液疾患 (汎血球減少,再生不良性貧血等) の患者又はその既往歴のある患者[血液疾患が悪化するおそれがある (「副作用」の項参照).]
- 間質性肺炎の既往歴のある患者[間質性肺炎が増悪又は再発することがある (「副作用」の項参照).]
- 高齢者 (「高齢者への投与」の項参照)
- 小児等 (「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
敗血症 (0.4%),肺炎 (3.0%) 等の重篤な感染症
- 敗血症,肺炎等の重篤な感染症 (細菌,真菌 (ニューモシスティス等),ウイルス等の日和見感染によるもの) があらわれることがあるので,治療中は十分に観察を行い,異常が認められた場合には投与を中止する等の適切な処置を行うこと.なお,感染症により死亡に至った症例が報告されている.
結核
(0.4%)
- 結核 (肺外結核 (胸膜,リンパ節等),播種性結核を含む) があらわれることがある.ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において,投与後活動性結核があらわれることもある.結核の既感染者では,症状が顕在化するおそれがあるため,投与開始前に,結核菌感染の診断を行い,抗結核薬を投与すること.結核の既感染者には,問診及び胸部X線検査等を定期的に行うことにより,結核症状の発現に十分に注意すること.また,肺外結核 (胸膜,リンパ節等) もあらわれることがあることから,その可能性も十分考慮した観察を行うこと.異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
ループス様症候群
(頻度不明注))
- ループス様症候群があらわれることがある.このような場合には,投与を中止すること.
脱髄疾患
(頻度不明注))
- 脱髄疾患 (多発性硬化症,視神経炎,横断性脊髄炎,ギラン・バレー症候群等) の新たな発生もしくは悪化があらわれることがある.異常が認められた場合には,投与を中止する等の適切な処置を行うこと.
重篤なアレルギー反応
(頻度不明注))
- アナフィラキシー様症状等の重篤なアレルギー反応があらわれることがある.十分に観察を行い,このような反応が認められた場合には速やかに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
重篤な血液障害 (汎血球減少症,血小板減少症,白血球減少症,顆粒球減少症)
(頻度不明注))
- 再生不良性貧血を含む汎血球減少症,血球減少症 (血小板減少症,白血球減少症,顆粒球減少症等) があらわれることがある.異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
間質性肺炎
(0.4%)
- 肺線維症を含む間質性肺炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状に十分注意し,異常が認められた場合には,速やかに胸部X線検査,胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し,本剤投与を中止するとともにニューモシスティス肺炎と鑑別診断 (β?Dグルカンの測定等) を考慮に入れ適切な処置を行うこと.なお,間質性肺炎の既往歴のある患者には,定期的に問診を行うなど,注意すること.
劇症肝炎,肝機能障害,黄疸,肝不全
(頻度不明注))
- 劇症肝炎,著しいAST (GOT),ALT (GPT) 等の上昇を伴う肝機能障害,黄疸,肝不全があらわれることがあるので,十分に観察を行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.なお,これらの中にはB型肝炎ウイルスの再活性化によるものが含まれていた.
薬効薬理
- アダリムマブはin vitro 試験において,TNFαに選択的に結合し以下の作用を示した.
- ・ ヒトTNFαに対して高い親和性を示した.
- ・ TNFα受容体 (TNF RI及びTNF RII) に対するTNFαの結合を阻害した (IC50値: 1.26?1.47×10-9mol/L).
- ・ L929細胞に対するヒトTNFα誘発細胞傷害において細胞死を中和した (IC50値: 1.4?3.5×10-11mol/L).
- ,*アダリムマブはin vivo 試験において,ヒトTNFαトランスジェニックマウスモデルにおける関節炎の発症を抑制した16).
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- アダリムマブ (遺伝子組換え)(JAN)
Adalimumab (Genetical Recombination)
本質:
- ヒト抗ヒトTNFαモノクローナル抗体であるIgG1の重鎖 (γ1鎖) 及び軽鎖 (κ鎖) をコードするcDNAの発現によりチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される451個のアミノ酸残基(C2197H3396N584O678S15; 分子量: 49,318.95,C末端のリジン残基が欠落しているものC2191H3384N582O677S15; 分子量: 49,190.78を含む) からなる重鎖2分子と214個のアミノ酸残基(C1027H1606N282O332S6; 分子量: 23,407.82) からなる軽鎖2分子からなる糖たん白質
分子量:
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副作用
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- 脱髄疾患
- ループス様症状
- 悪性腫瘍
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- うっ血性心不全