ホルモン補充療法
概念
- 閉経や卵巣摘出後のエストロゲン欠乏を補う目的で外因性にエストロゲンとプロゲストーゲンを投与する療法のことで、子宮のある女性が対象となる(参考1)。 (⇔ エストロゲン補充療法 ERT)
薬剤
- エストロゲン製剤
- 結合型エストロゲン:プレマリン
- 17βエストラジオール:エストラダームM、フェミエスト
- エストリオール:エストリオール、ホーリン
- プロゲステロン製剤
- 酢酸メドロキシプロゲステロン:プロベラ、ヒスロン
エストロゲンの臨床的作用
- 参考1
- 更年期症状緩和作用
- 骨吸収抑制作用
- 抗動脈硬化作用
- 脂質代謝改善作用
- 凝固・線溶亢進作用
- 認知機能改善作用
- 皮膚萎縮予防作用
- 泌尿生殖器障害改善作用
適応
- 参考1
最もよい適応疾患
- 更年期症状(顔面紅潮、発汗、睡眠障害および一部の精神神経症状)
- 骨粗鬆症および骨量減少症
- 泌尿生殖器系の障害
条件付きで適応となる疾患
- 脂質代謝異常
現時点では適応とならない疾患
- 動脈硬化性疾患
- 皮膚の萎縮
- アルツハイマー病
禁忌
参考1
- 1) 絶対的禁忌
- (1) 乳癌
- (2) 原因不明の子宮出血
- (3) 急性期の血栓性静脈炎,血栓症
- (4) 重症肝機能障害
- 2) 相対的禁忌
- (1) 血栓性静脈炎の既往,静脈血栓症の既往
- (2) 子宮内膜癌の既往
- (3) 子宮筋腫の既往,子宮内膜症の既往
- (4) 重症高血圧 → エストロゲンの水、電解質貯留作用に基づく。
- (5) 糖尿病
- 3) 注意して投与
- (1) 胆石症
- (2) 片頭痛
- (3) 高度の肥満
- (4) ヘビースモーカー
G9M.101
絶対禁忌
- エストロゲン依存性の悪性腫瘍
- 原因不明の不正性器出血 → 子宮内膜癌に対して投与することを防ぐ
- 血栓性静脈炎、血栓炎
- 重症肝機能障害 → 性ホルモンは肝臓で代謝されるため
- 妊娠疑い
- 冠動脈疾患、脳卒中既往
相対禁忌
- 血栓症の既往
- 子宮体癌の既往
- 子宮筋腫の既往
- 子宮内膜症の既往
- 重症高血圧
- 重症糖尿病
- 卵巣癌の既往
- 肥満
- 高齢者
治療方法
- G9M.101
- 子宮を有する場合にはエストロゲンとプロゲステロンを併用する。
- 周期的併用投与:閉経前、月経が不規則で機能性出血を繰り返す場合に適応。カウフマン療法と呼ばれる。
- 持続併用投与:エストロゲンとプロゲステロンを持続的に同時投与すると、最初、破綻出血がみられるが、次第に子宮内膜が萎縮し、破綻出血がみられなくなる。
投与経路について
- 参考2
- 経口結合型エストロゲン:CEEの投与量に依存して心筋梗塞や脳血管疾患のリスクが上昇する。また静脈血栓症、静脈塞栓症のリスクも上昇する
- 経皮結合型エストロゲン:CEEの投与量を減らすことなく静脈血栓症、静脈塞栓症、胆嚢疾患、乳癌リスクを低減させうる。
参考
- 1.
- <click2in>http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5607-158.pdf</click2in>
- 2. HRT - 日産婦誌61巻7 号