エストロゲン
- 英
- estrogen ES, estrogens, E2?
- 関
- ethinyl estradiol、エストロゲン補充療法、月経周期
分類
- 卵胞ホルモンの一種
性状
- ステロイド
産生組織
- 卵巣の顆粒膜細胞
- 月経周期の1-14日の間に卵胞が発育していくが、この間FSHは月経周期の初期にピークをつけたあとLHの増加と裏腹に減少していく。そして顆粒膜細胞からはエストロゲン(エストラジオール17β)の放出が徐々に高まってくる。(NGY.27,月経周期)
標的組織
- 乳腺、子宮(頚管、内膜、平滑筋)、膣粘膜
受容体
作用
- G9M.9 参考2
- LHサージの引き金 (NGY.27)
- 卵胞の発育期:エストロゲンはLH, FSHの分泌にたいしnegative feedback作用を及ぼす
- 排卵期の高濃度で急増加する時期:positive feedback作用を及ぼす
- 生殖器以外に対する作用
- 肝臓 :LDL受容体増加
- 血管・血液:血管拡張作用、凝固能亢進(経口避妊薬による血栓症につながる)、血管保護作用(LDLコレステロール低下、HDLコレステロール増加)
- 骨 :骨量の維持、コラーゲンの合成促進
- 皮膚 :皮脂腺の分泌抑制、コラーゲンの合成促進
- その他
G9M.8
| エストロゲン | プロゲステロン | ||
| 乳房 | 思春期 | 乳管の発育 | - |
| 非妊娠時 | - | 乳腺の発育 | |
| 妊娠時 | 乳管上皮の増殖 | 乳腺腺房の増殖 | |
| 乳汁分泌抑制 | 乳汁分泌抑制 | ||
| 子宮 | 非妊娠時 | 子宮内膜の増殖・肥厚 | 子宮内膜の分泌期様変化 |
| 頚管粘液 | 頚管粘液 | ||
| 分泌亢進 | 分泌低下 | ||
| 粘稠度低下 | 粘稠度上昇 | ||
| 牽糸性上昇 | 牽糸性低下 | ||
| 妊娠時 | 子宮筋の発育・増大 | 子宮内膜の脱落膜様変化 | |
| 頚管熟化 | 子宮筋の収縮抑制 | ||
| 子宮筋層内の毛細血管の増加 | |||
| 卵巣 | - | 排卵抑制 | |
| 膣 | 膣粘膜の角化・肥厚 | 膣粘膜の菲薄化 | |
| その他 | LDLコレステロールの低下 | 基礎体温の上昇 | |
| 基礎体温の低下 | |||
| 骨量維持 | |||
分泌の調整
- ネガティブフィードバック:エストロゲンは間脳下垂体系(視床下部・下垂体)に対して抑制的に作用。
- ポジティブフィードバック:エストロゲンがあるレベル以上となると、ポジティブフィードバックにより間脳下垂体系(視床下部・下垂体)に対して促進的に作用する。エストロゲンのピークはLHサージの1-2日前?である。
「二細胞説 two-cell theory」
- LH刺激により莢膜細胞は主にアンドロゲンを合成し、このアンドロゲンは一部卵巣静脈に流出するが、残りは基底膜を通り卵胞内に流入する。グラーフ卵胞内の顆粒膜細胞は高い芳香化活性を持ち、莢膜細胞由来のアンドロゲンからエストロゲンを合成する。このため卵胞には多量のエストロゲンが含まれる。この芳香化酵素の活性はFSHにより刺激される。卵胞には血中の1000倍ものエストロゲンが含まれ、このエストロゲンは局所的に作用して卵胞の発育を促進する。(NGY.27)
生合成
臨床関連
- 女性新生児の性器出血:生後4-8日から性器出血が一週間持続。胎生期中に移行した胎盤ホルモン(エストロゲンの減少)の消失による。
- 老人性膣炎:エストロゲンの消失により膣上皮が萎縮し、粘膜下出血を来す。
性周期・月経との関連
- 卵胞期:漸増。排卵期に先立ってピーク
- 排卵期以降漸減
- 黄体期:漸減後、再び増加して高値で経過。プロゲステロンと並行して月経期に向かって漸減 ← 月経一週間前あたりがピーク。
LAB.724
| エストロゲン | プロゲステロン | ||||
| エストロン | エストラジオール | エストリオール | |||
| (pg/ml) | (pg/ml) | (pg/ml) | (ng/ml) | ||
| 女性 | 卵胞期 | 10~60 | 10~150 | 0~20 | 0.5~1.5 |
| 排卵期 | 25~100 | 50~380 | 5~40 | 1.5~6.8 | |
| 黄体期 | 25~80 | 30~300 | 5~40 | 5.0~28.0 | |
| 更年期 | 20~80 | 10~50 | 0~20 | 0.3~0.4 | |
| 男性 | 30~60 | 10~60 | 0~15 | 0.2~0.4 | |
添付文書
- プレマリン錠0.625mg
- <click2in>http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2479004F1033_3_01/2479004F1033_3_01?view=body</click2in>
参考
- 1. [charged] Molecular biology and physiology of estrogen action - uptodate [1]
- 2. 〔閉経シリーズ〕 閉経と骨代謝の変化および管理 - 日産婦誌52巻10号