100Cases

出典: meddic

英文文献

  • Studies on serum LDL-cholesterol in second and third trimester of pregnancy.
  • Husain F, Latif SA, Uddin MM.SourceDepartment of physiology, Mymensingh Medical College, Mymensingh, Bangladesh. drfarhadmmc@yahoo.com
  • Mymensingh medical journal : MMJ.Mymensingh Med J.2010 Jul;19(3):330-4.
  • The present study was carried out in the Department of Physiology, Mymensingh Medical College, Mymensingh, Bangladesh during the period of July 2006 to June 2007 to evaluate the effect of pregnancy on serum LDL-cholesterol. The serum concentrations of LDL-cholesterol was measured in 100cases during
  • PMID 20639821


和文文献

  • 小児鼠径ヘルニアに対するLaparoscopic percutaneous extraperitoneal closure(LPEC)法-100例を経験して-
  • 望月 響子 [他]
  • 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 85(4), 331-338, 2011-12-25
  • 小児鼠径ヘルニアに対し2008年から腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(laparoscopic percutaneou 小s extraperitoneal closure、以下LPEC法)を施行し、昨年の本誌において、従来のPotts法との比較検討を行った。以降、標準術式としてLPEC法を採用し、2010年10月、LPEC法施行症例が104例に達した。手術所見、手術術式、術中・術後合併症など術 …
  • NAID 110008452473
  • Editorial Comment from Dr Kadono to Robotic-assisted laparoscopic radical prostatectomy : Learning curve of first 100 cases
  • KADONO Yoshifumi
  • International journal of urology 17(7), 641-642, 2010-07-01
  • NAID 10027259353
  • Editorial Comment from Dr Lallas to Robotic-assisted laparoscopic radical prostatectomy : Learning curve of first 100 cases
  • LALLAS Costas
  • International journal of urology 17(7), 640-641, 2010-07-01
  • NAID 10027259349
  • Robotic-assisted laparoscopic radical prostatectomy : Learning curve of first 100 cases
  • OU Yen Chuan,YANG Chi Rei,WANG John,CHENG Chen Li,PATEL Vipul R
  • International journal of urology 17(7), 635-640, 2010-07-01
  • NAID 10027259318

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100Cases 07」

  [★]

☆case7 悪心と体重減少
■glossary
trouser n. ズボン
 he has recently noticed his trousers getting tighter.
adopt
he has been a chef all his working life
plethoric adj. 多過ぎる、過多の、大げさな。膨らんだ。多血症の/多血の 
pitting edema 圧痕性浮腫
swelling of his ankle
spider naevi on his trunk クモ状血管腫(vascular spider, spider angioma, spider nevus)
distend vt. 広げる。膨張させる。誇張する。 
shifting dullness 体位変換現象
fluid thrill
urinalysis 尿検査
disguise vt. 返送する、偽装する。偽る、(事実を)おおう、隠蔽する(意図・感情を)隠す 
effect vt. (変化などを)もたらす。(目的・計画など)果たす、遂げる。実施/施行する 
postural hypotension 起立性低血圧
fitful adj. 断続的な、発作的な、気まぐれな、変わりやすい 
macrocytosis 大赤血球症
blood smear, blood film 血液塗抹標本
provisional adj. 仮の、暫定的な、臨時の、緊急の 

■症例
45歳、男性
主訴:6ヶ月前より食欲ゲンタイ、体重減少(78kgから71kg)
現病歴:直近の3ヶ月間特に朝に、間欠的に悪心を感じ、何度かは嘔吐した。一ヶ月前、踵の腫脹を認めた。体重減少に関わらず、腹囲が増えている。腹部痛なし。服用薬無し。タバコ1日5-6本、アルコール15-20 unit/week。
既往歴:特記無し
家族歴:知らない。
生活歴:ずっと料理人として働いている。妻は1年前に死亡。

・身体診断
膨らんだ顔をしている(plethoric features)、踵に圧痕性浮腫。四肢はの重量は減っているが、体幹では増えているようにみえる。体幹上半部に9つのクモ状血管腫。脈:正常、92/min、頚静脈圧上昇せず。血圧:146/84 mmHg。心血管系
呼吸器系正常。腹部:腫脹、腫瘤触知せず、fluid thrillを認める

・検査
hemoglobin ↓
mean corpuscular volume ↑
white cell vount 
platelet 
sodium ↓
potassium 
urea ↓
creatinine 
calcium 
phosphate 
total protein ↓
albumin ↓
bilirubin ↑
alanine transaminase ↑↑
gamma-glutamyl transaminase ↑↑↑
alkaline phosphatase ↑
urinalysis: no protein, no blood

・1. 診断
 ・肝不全:
 ・低蛋白血症→腹水、踵の浮腫
 ・クモ状血管腫:3つまでは正常
 ・本患者の病態形成にはアルコールが関与している。患者の職歴もリスク増大させている。
 ・彼の朝の悪心・嘔吐は典型的であり、これはクッシング様容貌(アルコールはACTHの分泌を亢進させる)と大赤血球症(アルコールは葉酸を消費し、また骨髄への直接的な毒性を有する)の説明となる。
 ・仮の診断を提示したところ、15-20units per weekではなく、20年間40-50 units per week摂取しており、昨年、妻が亡くなりこれが飲酒の理由となってさらに飲酒量が増加していた。


・2. 検査結果の解釈
 ・↓Na, ↓urea:慢性的な食塩・蛋白摂取の減少
 ・↑bilirubin:黄疸を来すには至らない

・3. 確定診断・治療方針決定のための検査
 ・肝炎ウイルスの血清学的検査:陰性
 ・超音波検査:肝臓縮小、脾臓の大きさ2-3cm増大。肝細胞癌は否定的。
 →これら所見は門脈亢進症を示す
 ・確定診断のために肝生検を施行:肝硬変

・4. 管理
 ・アルコール離脱の指導:現在の肝臓障害の程度、想定される門脈高血圧、および食道静脈瘤と食道出血のリスクの点から、断酒の必要性とalcohol addiction unitに参加して断酒することを理解してもらう
 ・食事療法:短期間、蛋白に富む食事に変更。
 ・利尿剤:浮腫の治療。慢性のアルコール摂取による肝不全に続発する腹水の治療において、利尿剤の使用による循環血漿量の減少により、起立性低血圧を来すことがある。

・5. 結末

■KEY POINTS
・過剰のアルコール摂取している患者では、患者のhistoryにおいてこのことをしばしば隠すだろう
・alcoholic liver diseaseはアルコールの摂取をやめなければ予後は悪い

□肝不全
 病態(肝機能の低下)で定義される疾患概念。
・病型と病因
 1. 急性肝不全:劇症肝炎(急激に肝予備能が低下。ウイルス性、薬剤性など)など。
 2, 慢性肝不全:非代償性肝硬変、末期肝癌など

・症候
 1. 全身倦怠感および消化器症状(悪心、嘔吐など) 
 2. 肝性脳症 
  意識障害などの精神症状、羽ばたき振戦、肝性口臭など 
  肝の機能低下および門脈大循環の側副血行路のため、血中に蓄積した物質が脳代謝障害を起こすと考えられる。 
  血中アンモニア値上昇、フィッシャー比(血中分岐鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸比)の低下、脳波の徐波化と三相波出現がみられる。 
 3. 黄疸 
  ビリルビンの代謝障害(抱合や輸送)による血中ビリルビン値の上昇。 
 4. 腹水 
  1) 膠質浸透圧低下:↓肝でのアルブミン産生量 → ↓膠質浸透圧 → ↑組織外液 
  2) 門脈圧亢進 
 5. 出血性素因(凝固機能低下) 
  凝固因子産生量低下 

□肝硬変
 病理で定義される疾患概念:以下の1.2.を満たすもの
  1. 肝細胞死が原因で、びまん性の結合組織増生が肝臓全域に見られる 
  2. 肝実質の結節性再生と小葉構造の改築が認められるもの 

□起立性低血圧
正常では起立時には圧受容体反射が作動し、交感神経活性が増加し、末梢血管抵抗の増大および心拍出量を増大させて血圧が維持される。 
また起立に伴う下肢静脈圧の上昇は皮膚、筋、脂肪組織などへの動脈性血流を抑制し、有効循環血液量を維持することも血圧の維持につながる。 
従って自律神経疾患、心疾患、筋疾患、血管障害、循環血液量の減少などの病態において起立性低血圧がみられる。 
これらの循環調節系の異常を伴いやすい老年者でも、起立性低血圧を来しやすい。 
また、薬剤が原因であることもある。antihypertensives, diuretics, vasodilators(nitrates, hydralazine), alpha-blocking agents, beta-blocking agents, CNS sedatives(barbiturates, opiates), tricyclic antidepressants, phonothiazines

□血清ビリルビン(total bilirubin)(HIM.A-4)
・単位変換
 1 μmol/L = 0.058 mg/dl 
・total bilirubin
 正常範囲: 5.1-22μmolL   0.3-1.3 mg/dl (HIM.A-4)
 黄疸  :>34.5 μmol/l   >2 mg/dl

□体位変換現象
 大量の腹水の存在を裏付ける身体所見。そのほかの所見として、臍窩の平坦化、波動など。

□臍窩の平坦化
 カエル腹(IMD.114)のこと。漏出性腹水では腹壁の緊張を伴わないので、仰臥位では腹部は前方よりも側方に膨隆する。

アルコール性肝障害
IMD.882
pitting edema
IMD.522
腹水
IMD.532


気管支喘息」

  [★]

bronchial asthma
喘息 asthma
喘息発作(喘息の急性増悪)

概念

  • 気道の慢性炎症、気道過敏性、可逆性の気道閉塞を呈する

疫学

病型

  • アトピー型:小児に多く、60-70%は成人になる前に寛解
  • 感染型
  • 混合型

病態生理

  • 遺伝子素因を背景とした気道過敏性が存在し、ある誘因により気道閉塞が起こる。これが喘息症状を引きおこす。
  • ここに気管炎症が加わると、気道過敏性亢進、気道閉塞を直接引きおこすほか、気道リモデリングを促してさらに気道過敏性亢進・気道閉塞を亢進させる。
  • この病態の中で、気道に起こっている変化は次のようにまとめられる。
  • 可逆的変化 :気道上皮細胞の剥離、粘液栓、炎症細胞(好酸球など)の浸潤、粘膜・粘膜下の浮腫、うっ血
  • 不可逆的変化:平滑筋の肥厚気道上皮下の線維性肥厚気道上皮での杯細胞の過形成気道粘膜下の血管新生

気流制限をきたす機序

気流制限は4つの機序により成立
  • (1)気道平滑筋収縮、(2)気管壁の浮腫、(3)気道粘液分泌、(4)気道壁リモデリング

気管炎症

  • 好酸球性気道炎症:好酸球、肥満細胞、リンパ球などの炎症細胞がサイトカインと化学伝達物質などを介して炎症を惹起する。
  • リンパ球
  • 肥満細胞
  • 好酸球
  • 気道上皮細胞
  • 気管支平滑筋
  • 気管支分泌腺

気管壁リモデリング

  • 慢性の炎症状態 → 永続的な気道壁の肥厚 → 不可逆的な気流制限
  • (1) 基底膜下にコラーゲンが沈着 → 気道粘膜の線維化
  • (2) 気管支平滑筋の肥厚、過形成
  • (3) 粘膜下線過形成

気道過敏性

  • 非特異的な刺激により気管支平滑筋が容易に収縮する状態
  • ヒスタミン、アセチルコリン、メサコリンの希釈系列を投与してFEV1.0が20%以上低下する閾値を測定して評価
  • 気道過敏性と喘息の重症度が相関する。

検査

  • IgE:
  • 高値であることが多く、その場合には抗原の同定を行う。
  • IgEの値と症状には相関関係がない。

症状

身体所見

  • 聴診:
  • 大発作の際には呼吸音の減弱が認められる。

診断

成人喘息での診断の目安

参考1
成人喘息の診断基準はない
  • 1.発作性の呼吸困難、喘鳴、咳(夜間、早朝に出現する傾向)の反復
  • 2.可逆性気流制限:自然に、あるいは治療により寛解する。PEF値の日内変動20%以上、β2刺激薬吸入により1秒量が12%以上増加かつ絶対量で200mL以上増加
  • 3.気道過敏性の亢進:アセチルコリン、ヒスタミン、メサコリンに対する気道収縮反応の亢進
  • 4.アトピー素因:環境アレルゲンに対するIgE抗体の存在
  • 5.気道炎症の存在:喀痰、末梢血中の好酸球数の増加、ECP高値、クレオラ体の証明、呼気中NO濃度上昇
  • 6.鑑別診断疾患の除外:症状が他の心肺疾患によらない

治療

  • (1)原因の除去と(2)薬物療法
  • 薬物療法
  • 気管支拡張薬:SABA
  • β2受容体に結合→Gsα活性化→[cAMP]i
  • 副作用:振戦、動悸
  • PDE阻害→[cAMP]i↑。抗炎症作用もあるらしい(T細胞、好酸球に対する作用(SPU.241))
  • 安全域(有効安全治療濃度閾)が狭いので、血中濃度モニタリングが必要。5-15μg/ml
  • 副作用:悪心、嘔吐、頻脈、不整脈
  • 抗コリン薬
  • M3受容体に拮抗して作用を発現。作用力、即時性ともにβ2作動薬より劣る。(SPU.242)
  • β2作動薬と併用するらしい。
イプラトロピウム
  • 抗炎症薬
  • 化学伝達物質遊離抑制薬、ヒスタミンH1機構薬、ロイコトリエン拮抗薬、トロンボキサンA2阻害薬。
  • 減感作療法 (SPU.242)

薬物療法に用いられる薬剤

長期管理薬
(コントローラー)
・ステロイド薬(吸入、経口)
テオフィリン徐放製剤
・長時間作用性β2刺激薬(吸入、経口、貼付)
・抗アレルギー薬
 ・ロイコトリエン受容体拮抗薬
 ・メディエーター遊離抑制薬
 ・ヒスタミンH1拮抗薬
 ・トロンボキサン阻害薬
 ・Th2サイトカイン阻害薬
発作治療薬
(リリーバー)
・ステロイド薬(注射・経口)
・短時間作用性β2刺激薬(吸入・経口・注射)
アミノフィリン点滴静注
・短時間作用性テオフィリン製剤(経口)
・抗コリン薬(吸入)

ガイドライン

  • 1. 一般臨床医のための喘息治療ガイドライン2007
http://www.jaanet.org/medical/guide.html


国試




100Cases 05」

  [★]

☆case5 急性腹痛
■glossary
eradication n. 根絶、撲滅 
unwell adj. 気分がすぐれない。(軽い)病気の
sparse adj. 希薄な、まばらな。まばらに生えている、散在する(opp.dense)。乏しい、貧弱な 
acute cholecystitis 急性胆嚢炎
cystic duct 胆嚢管
impact 嵌入する
derange vt. 混乱させる 
cholecystitis 胆嚢炎
cholangitis 胆管炎
hepatic flexure 肝彎曲、肝弯曲、右結腸曲
nil n. 無、零 
commence vt. 始める、開始する; vi. (~から)始める、始まる(with) 
settle down vi. 落ち着く、(興奮などが)収まる。静かにする/させる。(marry and settle down)身を固める。身を入れる、(おちついて)取りかかる(to)。((ある職業に)身を落ち着ける(in)。沈下する。傾く。(かすが)沈む、よどむ、(液が)澄む 
right upper quadrant pain 右上腹部痛

■症例
56歳、女性、
主訴:腹痛
現病歴:24時間間に上腹部に持続的な痛みが出て、次第に増強。痛みは背中に放散。悪心、寒気と熱っぽさを感じる。
既往歴:5年前に十二指腸潰瘍のためHelicobacter pyloriを除菌治療。
タバコ1日15本。ワインのボトル半分を毎晩飲んでいる。

・身体診察
全身状態:気分がすぐれない。脱水状態。体重115kg、体温38.t℃、脈拍108/分、血圧124/76mmHg。心血管系:正常、呼吸器系:正常、右上腹部と心窩部に圧痛があり、筋性防御と反跳痛を伴う。腹部音:乏しい。

・検査

診断
Hemoglobin
white cell count 急性胆嚢炎による炎症のため上昇
platelet
sodium
potassium
urea
creatinine
bilirubin 肝臓細胞が軽度障害?。胆道炎で上昇
alkaline phosphatase 胆道炎で上昇
alanine aminotransferase 肝臓細胞が軽度障害?。胆道炎で上昇
gamma-glutamyl transpeptidase 飲酒のため上昇
C-reactive protein 急性胆嚢炎による炎症のため上昇

■ANSWER
・急性胆嚢炎
・管理方法
 ・入院、外科チームに引き渡す
 ・血清アミラーゼ:膵炎を否定
 ・血液培養
 ・胸部単純X線写真:肺炎を否定
 ・立位腹部X線:消化管穿孔を否定 ← 横隔膜下のairの存在を否定
 ・超音波検査:炎症を来した胆嚢を描出
 ・絶食
 ・セファロスポリンとメトロニダゾールを静脈投与開始
 ・定期的に反発性腹膜炎と胆道炎の検査を行う
 ・症状が治まったら退院、炎症が収まった2,3週間後に胆嚢摘出術を施行

■急性胆嚢炎
・疑うキーワード:肥満、中年女性、脂肪食が引き金。
 USMLE的にはfat, female, forty, and fertile” = acute cholecystitis 

・病因:90-95%が胆石が胆嚢管を閉塞して生じる。腹部手術後・長期絶食・経静脈栄養により胆嚢が異常収縮して生じる場合もある(IMD.897)

・病態
 ・1. 胆石が胆嚢管を閉塞 → 胆嚢内圧上昇 → 胆嚢壁に炎症を来す → グラム陰性菌や嫌気性菌が胆嚢に感染 →(虚血に陥った胆嚢壁が破れると)汎発性腹膜炎、膿瘍の形成
 ・2. 胆嚢管を閉塞した胆石が外れることがある
 ・3. 胆石が総胆管を閉塞して胆管炎を来すことがある
 ・4. (まれ)胆石が小腸を突き破って胆石イレウスを来すことがある。

・症状
 ・上腹部痛、右肩への放散痛、悪心・嘔吐、細菌感染による発熱、時に黄疸を伴う場合もある(IMD.897)

・身体診察
 ・Murphy徴候(マーフィ徴候)を認める
  急性胆嚢炎の診断方法の一つ 。圧痛をきたす右季肋部を押さえながら深呼吸をさせると、痛みのために吸気が止まる徴候。吸気時に胆嚢が下行し、押さえた手に触れるときに疼痛を感じる。 

■鑑別診断
 消化性潰瘍の穿孔、急性肝炎、横隔膜下膿瘍、盲腸後虫垂炎、癌腫の穿孔、結腸の肝弯曲部の憩室の穿孔
 時に紛らわしいのは、心筋梗塞、右下葉の肺炎

■腹部X線写真はどう読むか
・消化管穿孔:横隔膜下にair
・胆石:ときに写るが、殆どの胆石は写らない。

■KEY POINTS
・急性胆嚢炎は典型的には右上腹部痛とマーフィー徴候陽性を引き起こす
・急性胆嚢炎の潜在的な合併症は敗血症と腹膜炎である。

■胆石 (first aid step1 2006 p.280)
 1. Cholesterol stones (radiolucent with 10-20% opaque due to calcifications)..associated with obesity, Crohn’s disease, cystic fibrosis, advanced age, clofibrate, estrogens, multiparity, rapid weight loss, and Native American origin.
 2. Mixed stones (radiolucent)..have both cholesterol and pigment components. Most common type.
 3. Pigment stones (radiopaque)..seen in patients with chronic RBC hemolysis, alcoholic cirrhosis, advanced age, and biliary infection. 
 Diagnose with ultrasound. Treat with cholecystectomy.

腹痛
IMD 523
BAT. 454t-455t
急性胆嚢炎
IMD. 896
WMM. 385,460

100Cases 04」

  [★]

☆case4 息切れ
■glossary
general practitioner 一般開業医、開業医、一般医
amoxicillin アモキシシリン(経口投与可能なアンピシリンに類似した抗菌薬)
bronchitis 気管支炎
diurnal
 adj.
  昼間の、日中の(⇔nocturnal) 
  日ごとの(daily)。1日昼夜の、日周的な 
fibrosing alveolitis 線維化肺炎(= 間質性肺線維症?)。線維化性胞隔炎。線維化性肺胞炎。

■症例
26歳、女性、学校教師
主訴:持続性の咳(長引く咳)
現病歴:アモキシシリン一コースを服用したが改善しないため、もう一コースを希望。新しい学校に引っ越してから三ヶ月間咳で悩まされている。咳で眠りが妨げられて日中疲れている。運動時に咳が出る。
既往歴 past history:3年前に虫垂切除。子供の時に口蓋扁桃摘出術。3-6歳の間に、気管支炎に反復感染。
喫煙無し。服薬:避妊薬。
家族歴 family history:両親元気に生存。2人の兄弟有り。1人は花粉症

・検査
 呼吸数 18/min
 胸部聴診 清、胸部視診 異常なし。鼻、喉頭、心血管、呼吸、神経系に異常なし

・investigations
 胸部X線 正常
 スパイロメトリー FEV1, FVC, FER, PEF 異常なし
  Peak flow 朝低く午後高い

■原因が不明の慢性に持続する咳を見たら?
 原因が不明の慢性に持続する咳を訴える患者には胸部X線撮影を行うべき。

■喘息と胸部X線
 一般に正常である。重症発作を繰り返す重症患者、あるいは発作時は肺が膨らみすぎて明るく見える。他の疾患の除外診断に用いる

■喘息の診断上の注意
 喘息の診断には、呼吸困難などの喘息症状と可逆性の気流制限・喘息症状があって他の心疾患・肺疾患を除外できることが重要である。
 肺機能検査は喘息の非発作時には正常であることが多いが、発作時には閉鎖性障害が見られる。

■喘息と肺機能検査 lung function abnormalities in astham (NEL.957)
 Spirometry(in clinic)
  Airflow limitation
   Low FEV1 (relative to percentage of predicted norms)
   FEV1/FVC ratio < 0.8
  Bronchodilator response(to inhaled β-agonist)
   Improvement in FEV1≧12% or ≧200ml*
  Exercise challenge
   Worsening in FEV1≧15%*
 Daily peak flow or FEV1 monitoring: day to day and/or AM-to-PM variation≧20%*
 * Main criteria consistent with asthma


■KEY POINT
・正常な胸部X線像をともなう持続する乾性咳の原因は
 喘息(50%)、鼻炎・副鼻腔炎に伴う後鼻漏(25%)、逆流性食道炎(20%)。その他(外来異物、気道の腺腫・サルコイドーシス・間質性肺線維症、ACE inhibitorの副作用)
・喘息では、最初に気流閉塞がないか、これをほとんど伴わずに、咳が出現することがある。これはcough variant asthmaという。
・持続する乾性咳では原因が細菌である可能性は低く、抗生剤に反応する可能性は低い。

口蓋扁桃摘出術 tonsillectomy 
手術の適応は次のようなものである。 
1)反復性扁桃炎で、1年間に3-4回以上急性扁桃炎をくり返すもの。 
2)病巣性扁桃炎で、扁桃を病巣とした二次疾患を有するもの。 
3)扁桃肥大*が高度で、上気道狭窄症状、肺性心あるいは摂食障害を有するもの。 
4)扁桃周囲膿瘍を反復するもの。 
5)慢性扁桃炎で抗生物質に耐性を示し頚部リンパ節腫脹が持続するもの。 
6)扁桃腫瘍


アルコール性肝障害」

  [★]

alcoholic liver disease, alcoholic hepatopathy, alcoholic liver injury

分類

組織型により分類。

病態

  • アルコールによる肝細胞障害
  • アルコール代謝の過程でNADHが蓄積し、脂肪の合成が亢進()、血糖低下(糖新生抑制、ATPが必要だから?)、乳酸の増加(NADH増加のため。また、おそらくTCA回路がNADH増加のために回しにくくなっているため)
  • ミトコンドリア機能活性化により酸素消費の増大 + アルコール脱水素酵素ADH、アルデヒド脱水素酵素ALDHは、zone3(肝小葉中心部)に存在 → 虚血による障害を受けやすい → zone3はAST優位なのでAST>ALT、と思われる。
  • アルコール代謝産物による線維化亢進
  • アルデヒドがクッパー細胞、単核球などを刺激して放出されたサイトカインに対して、星細胞や線維芽細胞が活性化しコラーゲンを合成

症状

  • アルコール性肝炎:腹痛、発熱、黄疸、悪心・嘔吐
  • 重症型アルコール性肝炎:腹痛、発熱、黄疸、悪心・嘔吐 + 意識障害

検査

  • トランスアミナーゼ↑(AST > ALT)、γ-GTP ↑、ALP↑、TG↑、尿酸
  • IgA↑ (小腸のパイエル板におけるリンパ球の活性が亢進するため?。急性アルコール性肝炎では65 kDaの熱ショック蛋白に対するIgA抗体の産生が増加するという報告がある(参考4))
  • アルコール性肝炎:白血球増加
  • 重症型アルコール性肝炎:白血球著明に増加
  • アルコール性肝硬変

参考

  • 1. [charged] Pathogenesis of alcoholic liver disease - uptodate [1]
  • 2. [charged] Clinical manifestations and diagnosis of alcoholic liver disease - uptodate [2]
  • 3. [charged]Prognosis and treatment of alcoholic liver disease and alcoholic hepatitis - uptodate [3]
  • 4. Circulating IgA antibody against a 65 kDa heat shock protein in acute alcoholic hepatitis.
  • Winrow VR, Bird GL, Koskinas J, Blake DR, Williams R, Alexander GJ.SourceARC Bone and Joint Research Unit, London Hospital Medical College, UK.
  • Journal of hepatology.J Hepatol.1994 Mar;20(3):359-63.
  • Heat shock proteins are known to be immunogenic in a number of diverse conditions and can be induced by hypoxia, tumour necrosis factor and alcohol--all potential triggers in patients with acute alcoholic hepatitis. In the present study, sera from 23 patients with acute alcoholic hepatitis, 18 liver
  • PMID 8014447

国試



100Cases 33」

  [★]

☆case33 頭痛と混乱
glossary
accompany
vt.
(人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
slurred n. 不明瞭
強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
 意識消失とともに全身随意筋強直痙攣が生じ(強直痙攣tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連発作
症例
28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
主訴頭痛と混乱
現病歴過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在頭痛持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
診察 examination
やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
検査 investigation
血算:白血球増多
血液生化学ナトリウム低下
CT供覧
キーワード着目するポイント
口腔カンジダ症(oral candidiasis)
頭痛精神症状強直間代痙攣
・眼底両側に乳頭浮腫
CT所見
・低ナトリウム血症は二次的なもの
アプローチ
口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM免疫抑制AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期抗菌薬の使用)
 ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
 ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
精神症状強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍側頭葉腫瘍クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患大量出血肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
 ・頭痛脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変脳炎(IMD.274)
CT所見 → ringform病変脳浮腫脳圧亢進
・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニア続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体トキソプラズマによる病変形成されることにより起こりうる。
・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
パターン認識HIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
Toxoplasma gondii
 原虫 胞子原虫
(感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
疫学:西洋では30-80%の成人トキソプラズマ感染既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
生活環
 ・終宿主ネコネコ小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便オーシスト排泄
 ・中間宿主ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類無性生殖増殖シスト形成
   急性期増殖盛んな急増虫体tachyzoiteシスト内の緩増虫体bradyzoite
病原病因 phathogenesis
 ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
感染経路
 1. オーシスト経口摂取
 2. 中間宿主の生肉中のシスト経口摂取
 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
 (4)移植臓器、輸血確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
病態
 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
   ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神運動障害
 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
  (1) 健常者
   ・多くは不顕性感染発熱リンパ節腫脹、皮疹(rash)
   ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
   ・(まれ)肺炎心筋炎脳症心膜炎多発筋炎
   ・網膜脈絡叢瘢痕や、脳に小さい炎症性病変を残すことあり(CASES)。
   ・急性感染症状は数週間で消失 筋肉中枢神経系緩増虫体残存
  (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
   シスト緩増虫体急増虫体播種性の多臓器感染
   AIDSでは、トキソプラズマ脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
治療
 (日本)アセチルスピラマイシンファンシダール(感染予防学 080521)
トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitisトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
症状
 発熱頭痛、混乱m、痙攣認知障害、局所神経徴候(不全片麻痺歯垢脳神経損傷視野欠損、感覚喪失)(CASES)
・画像検査
 (CT,MRI)多発性両側性ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核脳幹小脳が冒されやすい(CASES)
鑑別診断(臨床症状画像診断所見で)
 リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
病歴と画像所見からの鑑別診断
 リンパ腫、結核、転移性腫瘍
このCTcerebral toxoplasmosis特徴的かは不明
最後に残る疑問
 AIDSWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVCD4+ T cellmacrophage感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球AIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性増加している?ちなみに、好酸球寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
スルファジアジン
sulfadiazine
ピリメタミン
pyrimethamine
葉酸拮抗剤である。
サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
ST合剤
SMX-TMP
スルファメトキサゾールトリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
AIDS定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
or he/she has one of the following defining illnesses:
People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
AND
AIDSのステージング
参考文献
HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
IMD = 内科診断学第2版


100Cases 84」

  [★]

☆case84 嘔吐
症例
32歳 男性
主訴
現病歴:2 amにからり酔っぱらって救急部受診。11.45 pmに気分が悪くなり2度嘔吐嘔吐物は最初は苦く感じられ、それは食べ物と2Lのビールであった。1時間程度後に、何度か猛烈に吐き気を催した。1 amに鮮赤血を吐いた(bright red blood)。患者が言うには最初少量だったが、2回目にはかなり多い量であった。服用薬なし。時々マリファナを吸う。タバコ1日10本、アルコール2-3 unit/week
既往歴:特記なし
家族歴:特記なし
生活歴:
・身体診断
酔っぱらっているように見える。口の周りに乾燥した血液付着を認める。脈拍:102/分。(臥位(lying))血圧:134/80 mmHg立位でも血圧変化は認められない。心血管系呼吸器系に異常を認めず。腹部:上腹部(心窩部)にわずかに圧痛
検査
(血液生化学)
異常なし
解説
(第1パラグラフ)
 もっともな診断は、下部食道もしくは胃上部における吐血を引き起こす粘膜裂傷である(Mallory-Weiss lesion/Mallory-Weiss tear/Mallory-Weiss laceration)。激しい嘔吐やむかつきによる機械的外傷で生じる。本症例では、なれない大量飲酒によって生じた。
(第2パラグラフ)
患者の話から出血量見積もるのは難しい。吐血はびっくりするような出来事であり、吐血の量を多く見積もりがちである。ヘモグロ分派性状であり、急性出血では吐血量を見積もる手がかりにならない。急性期にヘモグロ分が低ければ慢性出血をほのめかす。著しい失血最初サイン頻脈と起立時の血圧低下であることがある。本症例の彼の脈波速いが、これは不安関連しているのかもしれない。
(第3パラグラフ)
吐血の他の原因胃炎消化性潰瘍である。何度か血液を含まない胃内容物のむかつきと嘔吐の話はマロリーワイス症候群特徴的である。この疾患普通介入を必要としない良性病態である。確定診断上部消化管内視鏡必要とするが、典型的症例ではいつも必要になるわけではない。時に、出血がもりひどかったり、壁の解離粘膜より深いこともあり、穿孔につながる。
(第4パラグラフ)
この症例管理は注意深い観察嘔吐で失われた体液を戻すための静脈内輸液である。出血が激しい場合には血液検査のために採血するが、輸血は必ずしも必要ない。彼は生徒大とH2 blocker治療された。嘔吐は収まりそれ以上出血も見られなかった。彼は将来のパーティでは通院しすぎないように決めた。
管理(内科診断学 第2版 医学書院)
①本疾患大多数安静絶食制酸薬粘膜保護薬の投与保存的治療できる。
輸血必要なほどの貧血は稀である。
内視鏡検査時に出血している症例に対しては内視鏡的止血術を行う。
④クリッピング法(図4-89) [図] 、純エタノール局注法、アルゴンプラズマ凝固(APC)法などさまざまあるが、いずれの方法でも良好な止血成績を得られる。
鑑別診断 (内科診断学 第2版 医学書院 p.843)
・特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)
逆流性食道炎
食道静脈瘤破裂
出血性胃潰瘍
急性粘膜病変(AGML)
■KEYPOINT
吐血の前の血液を伴わない激しい嘔吐とむかつきの既往は、上部消化管裂傷示唆する。
患者血液の量を見積もるのが困難と分かるので、吐血で失われた失血程度多糸かでないし、消化管の中にとどまっている血液の量は分からない。
アルコールは救急入院の約1/4と直接連関があるという研究がある。
□マロリーワイス症候群(内科診断学 第2版 医学書院)
 嘔吐などにより腹腔内圧が急激上昇して噴門部近傍に裂創発生し、これを出血源として顕出血をきたしたもの。30-50歳代の男性に多く、全消化管出血例の約3-15%を占める。 アルコール多飲原因となることが多いが、ほかに妊娠悪阻、乗り物酔い、脳腫瘍髄膜炎医原性のものとしては上部消化管内視鏡検査心肺蘇生術など、原因となるものは種々である。 ②嘔吐などにより急激腹圧上昇すると、急激に胃内圧が上昇し、これにより食道胃接合部近傍に裂創が生じる。
吐血 hematemesis (内科診断学 第2版 医学書院)
 コーヒー残渣用の吐血 melanemesis
 鮮血吐血 hematoemesis
急性粘膜病変 acute gastric mucosal lesion AGML
急性胃炎劇症型であり、急速に起こる腹痛(時に、吐血下血)をきたし、潰瘍びらん出血が混在した病態を呈する。
病因アルコール薬物(アスピリンステロイド)、薬品ストレス食物(激辛食品など)、アニサキス中枢神経系障害熱傷外科手術
glossary
inebriate
vt. (人)を酔わせる(make drunk)。~を有頂天にする
adj. 酔っぱらいの、大酒飲みの
n. 酔っぱらい、大酒飲み
pint n. (液体単位)1パイント = 1/2クオート=(米)28.8753 inch cube = 0.473 liter = (英) 0.568 liter = 約500cc
retch
vi. むかつく、吐き気を催す、無理に吐こうとする
vt. 吐く
n. むかつく。ヒック(吐き気を催すときの音)
lager n. ラガー(ビール)(貯蔵ビール日本普通ビール)
violently adj. 激しく、猛烈に
drunk adj. (pred)酔って。(fig)酔いしれて
epigastrium n. 上腹部心窩部
blood grouping 血液判定血液検査
indulge
vt. ~にふけらせる。気ままにさせる、(子どもを)甘やかす。(欲求などを)思いのままに満たす。喜ばせる、楽しませる。
vi. (快楽・趣味などに)ふける、身を任す(in)。(略式)たらふく食べる、痛飲する。(~に)従事する。(好ましくないことに)かかわる(in)
□Hematemesis and Melena(Differential Diagnosis in Primary Care 4th)
吐血喀血を見分けたい場合はnitrazine paperを使って判定
・身体開口部(body orifice)からの出血鑑別するとき解剖学的アプローチがよい。
(食道)
静脈瘤逆流性食道炎癌腫、マロリーワイス症候群
・外来異物も忘れるな。
先天性まれな病因として異所性胃粘膜によるバレット食道炎と潰瘍もある。
大動脈瘤縦隔腫瘍肺癌食道潰瘍化させ出血させることもある。
(胃)
炎症胃炎と胃潰瘍アスピリンアルコールも良くある原因
・幽門部静脈瘤出血するかもしれない
出血がひどく、他の原因が見つからなければ血液疾患検索する。
(診断への道)
吐血の確固たる証拠がある時、内視鏡をつかえる状況にあれば問診とか検査無駄時間を使わずに内視鏡診断治療をやってしまえ。
血液検査血液クロスマッチ?して輸血準備凝固検査など鑑別必要検査をやりなさい。内視鏡検査準備をしている間に、アルコールアスピリン、そのほかの薬品服用潰瘍既往食道疾患既往を聴け
ひどい出血最近の急な吐血既往がなければ(内視鏡を使わずに?)伝統的アプローチでも良い
吐血の前に血液を伴わない嘔吐があればマロリーワイス症候群診断の助けとなる。


100Cases 27」

  [★]

☆case27 関節痛
症例
37歳 女性
主訴関節痛
現病歴:数ヶ月、膝の痛みがだんだん強くなっていると感じていた。痛みは手や足の小関節に多く、朝歩くときに最もこわばる。痛みはジクロフェナクを飲むと和らぐ。そのほかの症状として疲労感を感じ、最近体重が3ヶ月で4kg減っている。
喫煙歴:なし。
飲酒歴:機会飲酒
既往歴:なし
家族歴既婚子供は2人
服薬歴:ジクロフェナク
職業歴:legal sevretary
身体所見 examination
 顔貌 青白、臨床的貧血を認める。近位指節間関節中手指節関節 腫脹effusionを伴う疼痛中足趾節関節 圧痛。それ以外正常
検査 investigation
 血液検査
  Hb低下
  ESR上昇
  尿素軽度上昇
  クレアチニン軽度上昇
  正常白血球MCV血小板ナトリウムカリウムグルコースアルブミン
 尿検査
  蛋白(-)、尿糖(-)、潜血(-)、
問題
 本症例では診断とその根拠を考えるのは簡単なので、鑑別疾患をあげてその疾患特徴的症候列挙しましょう。
関節痛 DIF.283
 V Vascular
  血友病 hemophilia 血友病関節症(急性疼痛腫脹熱感(SOR.241)
慢性可動域の低下、変形関節周囲筋萎縮(SOR.241))。家族歴
  壊血病 scurvy 。生活環境。食事歴
  無菌性骨壊死 aseptic bone necrosis (Osgood-Schlatter diseaseとか)
 I Inflammatory
  感染性関節炎(細菌性関節炎(化膿性関節炎淋菌性関節炎結核性関節炎嫌気性菌関節炎 )、真菌性関節炎スピロヘータ関節炎(梅毒性関節炎ライム関節炎)、マイコプラズマ関節炎ウイルス関節炎)
 N Neoplastic disorders
  骨原性肉腫 osteogenic sarcoma
  巨細胞腫 giant cell tumors
 D Degenerative disorders
  degenerative joint disease
  変形関節osteoarthritis
 I Intoxication
  痛風 gout (uric acid)
  偽痛風 pseudogout (calcium pyrophosphate)
  ループス症候lupus syndrome of hydralazine (Apresoline) and procainamide
  gout syndrome of diuretics
 C Congenital and acquired malformations bring to mind the joint deformities of tabes dorsalis and syringomyelia and congenital dislocation of the hip. Alkaptonuria is also considered here.
 A Autoimmune indicates
  関節リウマチ RA
  血清病 serum sickness
  全身性エリテマトーデス lupus erythematosus
  リウマチrheumatic fever
  ライター症候群 Reiter syndrome
  潰瘍性大腸炎 ulcerative colitis
  クローン病=限局性回腸炎 regional ileitis
  乾癬性関節炎 psoriatic arthritis
  リウマチ性多発筋痛症 polymyalgia rheumatica
 T Trauma
 E Endcrine
  先端肥大症 acromegaly
  閉経 menopause
  糖尿病 diabetes mellitus
関節炎分類
炎症部位の数
 単関節炎痛風、偽痛風離断性骨軟骨炎血行性化膿性関節炎のほとんど
 多関節炎リウマチ疾患ウイルス疾患白血病での関節症状易感染性宿主における血行性化膿性関節炎
関節リウマチ
 診断基準
 関節症状
  朝のこわばり、疼痛腫脹関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指足趾、膝関節)。(SOR.211)
  手指近位指節間関節(PIP関節)、中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
  左右対称性に生じることが多い。手関節足趾、膝関節初発する。(SOR.211)
 関節症状
  全身症状発熱
  皮膚症状リウマトイド結節(肘の伸側、後頭部手指)
  眼症状:上胸膜炎(10日の経過治癒)、強膜炎(予後不良)。稀に角膜穿孔
  血液障害:(高頻度)貧血白血球減少(Felty病。DMARDs投与中の場合薬剤性骨髄抑制考慮)
  アミロイドーシスネフローゼ下痢を来した症例で疑う。アミロイド蛋白AA
  腎障害:稀。アミロイドーシス続発症薬剤性考慮
  呼吸器症状間質性肺炎の合併多い。下肺野に好発。通常無症状メトトレキセートなどの使用により薬剤性急性間質性肺炎を生じることがある。
  心・血管障害リンパ管炎による難治性浮腫
  神経症状:環軸関節亜脱臼により項部痛や脊髄症上が出現しうる。
  骨粗鬆症
  腱鞘滑膜炎:手指、手関節、足関節
■両側性多関節炎の鑑別疾患
 OA:遠位指節間関節を冒すのが特徴的で、近位指節間関節中手指節関節を冒しうる。
 RA
 SLE軽度症状程度変動する非びらん性の関節炎
 gout:単関節炎からはじまる。
 血清陰性関節炎強直性脊椎炎感染、ライター病:中~大関節非対称性関節炎。仙腸関節と遠位指節間関節にも関節炎
 急性ウイルス関節炎風疹
■KEY POINTS
RAでは遠位指節間関節は冒されない傾向がある。
RAの全身症状関節症状先行することがある。
RA活動性貧血及びESR相関している。
NSAIDs腎機能に悪影響を与えることがある。
initial plan
 Dx 1. 単純X線写真
    ・亜脱臼関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症,juxta-articular osteoporosis)、関節裂隙の狭小化関節辺縁のびらん(bony erosion)
     ・初期RAで第5趾に骨びらん一般的に見られる。
    ・血液検査
     ・RF、抗DNA抗体
 Tx 1. 鎮痛薬
    ・NSAIDs鎮痛とこわばりの軽減
   2. DMARDs(メトトレキセートレフルノミド金製剤ペニシラミン)
    ・NSAIDs症状が治まらない場合考慮
   3. 抗TNF抗体
    ・重症RAで効果がある場合がある。
参考文献
SOR 標準整形外科学 第10版 医学書院
DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins


100Cases 78」

  [★]

☆case78 発熱
症例
36歳 男性
主訴発熱筋痛
現病歴発熱背中・四肢周辺の筋肉の痛みを訴えて来院患者インフルエンザと考えていたが、9-10日間症状持続。3日間下痢症状が見られたが、現在はない。
先週くらいから口の痛みが続いており摂食困難であるが、空腹感はないとのこと。彼は体重は2,3kg減少したと考えている。
(発熱筋痛のこと?)症状が始まったときから中等度の紅斑性赤色の皮疹(erythematous rash)を胸部腹部出現し、現在は消退した。
過去に行きつけのにたいしたことのない訴えで診療所を訪れていた。過去3年の間ベトナムやタイに行くためのワクチン接種してもらうためにpracticeに行っていた。最後旅行は、3ヶ月前に海外旅行した。12ヶ月前のHIV test陰性であった。
嗜好品:タバコ:10本/日。アルコール:20-30 unit/week(缶ビール(350ml)6本弱本/週)。違法薬物(illicit drug)はやっていない。
既往歴:特記事項無し
家族歴:特記事項無し
社会歴:事務弁護士として働いている。
生活歴:独身であり、一人住まいである。過去に多数の同性・異性関係があった。
身体所見 examination
 体温 38℃、脈拍 94/分、呼吸数 16/分、血圧 124/78mmHg。心血管系呼吸器系に異常なし。口腔内潰瘍2ヵ所 直径5-10mm。両側の頚部リンパ節を触知し、わずかに有痛性肝脾腫を認めず。皮疹は認められない。
検査所見 investigations
 正常
 腺熱スクリーニング検査陰性
要点
 ・一週間以上続く感染症かな?
  ・インフルエンザ経過が長くない。
 ・頚部リンパ節腫脹 + 口腔内潰瘍
 ・体温上昇が持続
 ・出現して消失した皮疹
 ・血液所見正常腺熱(伝染性単核球症)の検査陰性
 ・これらの所見腺熱で最もなんだけどね
 ・性感染症を疑うキーワード
  ・同性愛者との性的接触
  ・ベトナム、タイへの旅行
 ・HIV否定するキーワード
  ・12ヶ月前のHIV test陰性
   ・感染後4-6週後にHIV seroconversion illnessが起こる。HIVテストが陰性でもp24 antigenやHIV virus RNAの証明で診断されうる。
 ・そのほかの疾患に当てはまるか?
  ・二期梅毒(secondary syphilis)
   ・当てはまらない点:皮疹は全身性。リンパ腫は無痛性。
  ・肝炎:全身性の前駆症状を呈する
   ・当てはまらない点:肝臓は正常
  ・リンパ腫:リンパ腺腫、発熱
   ・当てはまらない点:口腔内潰瘍皮疹
 ・診断
  ・血清学的検査陰性だったらリンパ節生検を考慮
 ・オチ:検査したら、ウイルス血症であった。抗レトロウイルス療法HIVの明らかな暴露、あるいは暴露の危険が高いとき抗レトロウイルス療法は感染のリスクを減らすのに有効。この段階でウイルス負荷をモニターするための説明と準備が支持的である。
■key points
HIV感染した人の50%でseroconversion illnessが起こる
・既感染もしくは針刺しのようなハイリスクに暴露した症例では、即座おこなう抗レトロウイルス療法がよく適応となる。すぐに助言を求めるべきである。
アルコールunit
 1 unit = 10 ml of ethanol
 350ml アルコール5% → 350x0.05/10=1.75 unit
■glossary
practice
 n.
  実施、実行、実践、実際。経験。(数学)実算
  (個人の)習慣。(社会の)慣行、慣例、習わし
  (教会)礼拝式
  練習、実習、稽古
  熟練(skill)、手腕
  (医師・弁護士などの)業務、営業。事務所、診療所
  患者、事件依頼人
solicitor
 n.
  (米)(地域の)法務官、(州の)巡回検事◆州によっては法務官をattorneyと呼ぶこともある。
  (英)事務弁護士◆事務処理だけをする弁護士。法廷弁護士と訴訟依頼人との間で裁判事務を扱う弁護士。ある種の開催板書を除いて法廷での弁論権がない
prodrome
 n.
  (医)前駆症状、前駆症、前徴、前兆


100Cases 39」

  [★]

erratic adj. adj. 軌道の定まらない。一貫性のない、不安定な、不規則
bowel motion 腸運動排便
fit adj. adj. 体調がよい、健康
emaciated adj.
glisten vi. ぴかぴか光る
dislodge
palliative
erythema multiforme 多形紅斑
dermatitis herpetiformis 疱疹状皮膚炎
itch 痒み
itching
celiac disease セリアック病
herpes gestationis 妊娠性疱疹
皮膚水疱
83歳 男性
主訴皮膚と口内における多数の水疱
現病歴水疱は2日前より出現水疱は破れやすく、赤色有痛性病変が残る。3ヶ月前から5kg体重が減少しており、食欲減退している。患者は体調の不調自覚してた。排便習慣が不規則になり、排便にいくらか血液を認めた。
既往歴:生来、健康であり、既往なし。
生活歴:一人住まい
嗜好歴:喫煙・飲酒無し
服薬歴:処方薬なし。マルチビタミンタブレットは体調の不調を感じてから薬局購入している。これ以外て薬を購入していない。
身体所見 examination
全身emaciateで調子悪そうである
皮膚全身皮膚水疱
口内:びらん(sore)あり sore有痛性びらん潰瘍
脈拍:102/minirregularly irregular → 不規則不整脈 → ( )
血圧:160/78 mmHg
上記以外心臓呼吸器系に異常を認めない。
腹部触診:6cmの硬い結節を肝の辺縁に触知。可動性のある硬性腫瘤を左腸骨窩に触知。
直腸診:鮮血色の血液糞便混合物が認められる
検査 examination
低値Hb, MCV,Alb
高値AlP
Q1. まず皮膚病変の診断をつけろ。
Q2. 次に皮膚病変と患者病態関連づけてみろ。
A. 尋常性天疱瘡
特徴:表皮内水疱、弛緩性水疱、ニコルスキー現象、口内びらん
病因癌腫リンパ腫、胸腺腫全身性エリテマトーデス特定薬物(ペニシラミンカプトプリル)などによる
治療ステロイド免疫抑制薬
鑑別疾患
水疱性類天疱瘡緊満性水疱水疱尋常性天疱瘡に比べて破れにくく大型になりやすい。
多形性紅斑中心水疱を伴った的形病変(target-shaped lesion with central blisters)。よく全身紅皮症と粘膜潰瘍と伴う(スティーブン・ジョンソン症候群)。病因単純ヘルペスウイルス薬剤(スルフォナミド)、悪性腫瘍
疱疹状皮膚炎:肘、膝、顔面小水疱病変(vesicular lesion)が形成される。vesicleblister(<0.5cm)より小さく、ひっかくことで破裂する。非常にかゆい。セリアック病合併することがある
・その他の疾患
 ・糖尿病
 ・妊娠性疱疹
 ・家族性水疱疾患
まとめ
悪性腫瘍合併しうる(→腫瘍存在下皮膚病変が出現したのであれば腫瘍随伴性天疱瘡診断されるべき)、
天疱瘡は気づかないうちに体液喪失し、あるいは水疱からの感染結果としての敗血症生命を脅かす。





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