- 英
- basal ganglion, (pl.)basal ganglia, cerebral basal nuclei (KL)
- ラ
- nuclei basales
- 同
- 大脳核 nuclei cerebri、基底核 basal nucleus
解剖
機能
- 大脳皮質とともに運動計画、運動開始、作業手順に関係している。
- 連続運動の相対強度や方向を制御する。
- 目的に沿って多くの運動を並列的に遂行させたり、遂行の順序を決めることによって、大の皮質による複雑なパターンの筋運動の企画と制御を助ける。
- 運動の学習、特に運動手続きの学習と記憶に重要な役割を果たす。
大脳基底核の回路
直接路 (SP.376)
間接路 (SP.377)
障害
- ある種の不随運動を抑制できない。
- 急速な随意運動が実行不能となる。
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/10/22 19:50:48」(JST)
[Wiki ja表示]
脳: 大脳基底核 |
図1 大脳基底核は右上にラベルされている
|
名称 |
日本語 |
大脳基底核 |
英語 |
basal ganglia |
ラテン語 |
nuclei basales |
略号 |
BG |
関連構造 |
上位構造 |
終脳 |
構成要素 |
線条体、淡蒼球、視床下核、黒質 |
関連情報 |
Brede Database |
階層関係、座標情報 |
NeuroNames |
関連情報一覧 |
NIF |
総合検索 |
MeSH |
Basal+Ganglia |
テンプレートを表示 |
大脳基底核(だいのうきていかく、英語:basal ganglia)は、大脳皮質と視床、脳幹を結びつけている神経核の集まりである。哺乳類の大脳基底核は運動調節、認知機能、感情、動機づけや学習など様々な機能を担っている。
目次
- 1 解剖学的区分
- 2 主要な神経回路
- 2.1 直接路 direct pathway
- 2.2 間接路 indirect pathway
- 2.3 ハイパー直接路あるいは皮質視床下核路
- 3 機能
- 4 参考画像
- 5 脚注
- 6 参考文献
- 7 関連文献
- 8 外部リンク
解剖学的区分
図2 ヒトの脳の冠状断面。大脳基底核が示されている。
吻側: 線条体, 淡蒼球 (GPe and GPi)
尾側: 視床下核 (STN), 黒質 (SN)
- 被殻と尾状核からなる。両者はもともと一つの構造物だったものが、進化の過程で内包によって二つに分断されたと考えられている。実際、齧歯類などでは被殻と尾状核の区別はない。線条体は大脳皮質および視床からの入力部である。
- 線条体と同様に大脳皮質からの入力部である。
- 内節と外節からなる。淡蒼球内節は黒質網様部と一つの構造物と考えられており、視床への出力部である。一方淡蒼球外節は間接路が通る介在部である。
- レンズ核は線条体の一部である被殻と淡蒼球とを合わせた呼び方。
- 黒質
- 緻密部と網様部からなる。中脳に存在しているが、発生学的・生理学的に大脳基底核の一部として捉えられている。黒質網様部は上記のように出力部である。黒質緻密部はドーパミン作動性ニューロンを多く含んでおり、線条体に投射する修飾的な回路要素である。
- マイネルト基底核はコリン作動性ニューロンが多く存在する。
- 前障も稀に大脳基底核に加えることがある。しかし機能的には他の大脳基底核回路要素との関連は弱いと考えられている。
主要な神経回路
図3 大脳基底核を取り巻く神経回路の相関模式図。グルタミン酸作動経路は赤、ドーパミン作動性経路は青、GABA作動性経路は緑で示す。Kortex : 大脳皮質。Striatum : 線条体。SNC : 黒質緻密部。GPI : 淡蒼球内節。SNR : 黒質網様部。GPE : 淡蒼球外節。STN : 視床下核。Thalamus : 視床。
- 下記のように「大脳皮質→大脳基底核→視床→大脳皮質」というループが形成されている。運動野(一次運動野・補足運動野・運動前野、ブロードマンの脳地図のそれぞれ4と6)から始まって運動野に戻るループを運動系ループ(motor loop)と呼び、四肢の運動をコントロールしているといわれる。同様なループが、大脳皮質のうち前頭前野・前頭眼野・辺縁皮質などを起点にして始まっており、それぞれ前頭前野系ループ(prefrontal loop)・眼球運動系ループ(oculomotor loop)・辺縁系ループ(limbic loop)と呼ばれる[1]。神経解剖学的な知見に基づいて、これらの4つのループは、互いに相互の連絡が乏しく、並列処理回路であると考えられている。
- 線条体の投射ニューロンには直接路にかかわるものと間接路のそれがあるが、直接路のニューロンはドーパミンD1受容体を、間接路のニューロンはドーパミンD2受容体を持っている。現在の定説では、黒質緻密部からのドーパミン作動性ニューロンによる投射は、直接路ニューロンにはD1受容体を介して興奮性に、間接路ニューロンにはD2受容体を介して抑制性に働くとされる。しかし実際にはドーパミンの作用は単純ではない[2]。
直接路 direct pathway
-
- 大脳新皮質(グルタミン酸)→線条体(GABA)→淡蒼球内節/黒質網様部(GABA)→運動性視床核(グルタミン酸)→運動性大脳新皮質領野
- 大脳基底核の出口に位置する、淡蒼球内節および黒質網様部のGABA作動性ニューロンは、常時高頻度発火して投射先の視床のニューロンの活動を強く抑制している。線条体の直接路投射ニューロンからのGABA作動性出力は、この淡蒼球内節および黒質網様部のGABA作動性ニューロンを抑制する。すなわち途中に抑制性の結合が2回含まれるために、大脳基底核の出力先に当たる運動性視床核のニューロンは脱抑制され、発火頻度が上昇する。大脳新皮質からの運動指令が線条体の直接路ニューロンを興奮させると、このようにして運動性視床核における興奮性が上昇し、運動性皮質領野への興奮性出力が増える。この仕組みが運動の開始において重要だと考えられている。
間接路 indirect pathway
-
- 大脳新皮質(グルタミン酸)→線条体(GABA)→淡蒼球外節(GABA)→視床下核(グルタミン酸)→淡蒼球内節/黒質網様部(GABA)→運動性視床核(グルタミン酸)→運動性大脳新皮質領野
- および
- 大脳新皮質(グルタミン酸)→線条体(GABA)→淡蒼球外節(GABA)→淡蒼球内節/黒質網様部(GABA)→運動性視床核(グルタミン酸)→運動性大脳新皮質領野
- 間接路は直接路と拮抗的に作用し、淡蒼球内節および黒質網様部のGABA作動性ニューロンの興奮性を高め、運動性視床核を抑制するものと考えられている。
ハイパー直接路あるいは皮質視床下核路
- 大脳新皮質から視床下核へ直接の興奮性投射が存在することが知られ、皮質刺激を行った際に、基底核の出力核への影響が3つの経路の中で最初に見られることから、直接路より速いという意味で、ハイパー直接路(hyperdirect pathway)と呼ばれている[3]。
機能
大脳基底核は多様な機能を担うとされているが、大脳基底核の神経変性疾患における運動障害から得られる示唆が最も明瞭である。中でもパーキンソン病は大脳基底核変性疾患の代表的なものとされており、無動、寡動、安静時振戦、筋固縮などの運動症状がよく知られる。その他にハンチントン舞踏病やジストニアも、大脳基底核の異常が症状を作り出していると考えられている。これら大脳基底核の異常が多くの場合に不随意運動を示すことは、逆に大脳基底核が随意運動の実行に重要な役割を果たすことを示している。
歴史的に大脳基底核は、錐体外路性運動の中枢と考えられてきたが、近年では解剖学的に錐体外路という神経路が実在しない(大脳基底核から脊髄へ直接の出力はない)ことから、誤解を避けるために錐体外路という用語は次第に使われないようになってきている。
黒質や腹側被蓋野のドーパミンニューロンが、報酬予測誤差に反応してphasicなバースト発火を示すという発見から、大脳基底核が、報酬予測に基づく強化学習や行動選択のための神経基盤として考えられるようになってきた。多くの向精神薬の受容体が大脳基底核に高密度に発現しており(たとえばモルヒネ受容体であるμオピオイド受容体など)、薬物中毒や、習慣化した行動などにも関わっていると言われる[4]。
参考画像
-
-
主な神経核のカテゴリー (I から V) の模式図
脚注
- ^ “Functional architecture of basal ganglia circuits: neural substrates of parallel processing”. Trends in Neuroscience 13 (7): 266-71. (1990). PMID 1695401.
- ^ “Dopaminergic modulation of neuronal excitability in the striatum and nucleus accumbens.”. Annual Review of Neuroscience 23 (2): 185-215. (2000). doi:10.1146/annurev.neuro.23.1.185. PMID 10845063.
- ^ “Functional significance of the cortico-subthalamo-pallidal 'hyperdirect' pathway”. Neuroscience Research 43 (2): 111-7. (2002). PMID 12067746.
- ^ “Habits, rituals, and the evaluative brain”. Annual Review of Neuroscience 13: 359-87. (2002). PMID 18558860.
参考文献
- 南部篤「大脳基底核の神経回路から大脳基底核疾患の病態を理解する」高橋良輔編『神経変性疾患のサイエンス』、南山堂、2007年、ISBN 9784525130916
関連文献
日本語のオープンアクセス文献
- 日向野 修一 「基底核」 日本医学放射線学会 第22回神経放射線ワークショップ (2002)
- 嘉戸 直樹 「大脳基底核の機能」 関西理学療法 Vol. 5 (2005) 73-75
外部リンク
|
ウィキメディア・コモンズには、大脳基底核に関連するカテゴリがあります。 |
- (百科事典)「Basal Ganglia」 - スカラーペディアにある「大脳基底核」についての項目。(英語)
- (百科事典)「Models of Basal Ganglia」 - スカラーペディアにある「大脳基底核のモデル」についての項目(英語)
- (百科事典)「Action selection」 - スカラーペディアにある「行動選択」についての項目(英語)
脳 - 大脳基底核 |
|
吻側, 終脳
(線条体) |
線条体 : 被殻 - 尾状核
レンズ核 : 被殻 - 淡蒼球 (淡蒼球外節 (GPe), 淡蒼球内節 (GPi))
|
|
尾側, 間脳 |
視床下核
|
|
尾側, 中脳 |
黒質 (黒質緻密部, 黒質網様部)
|
|
経路 |
直接路: 運動野 → 線条体 → GPi → 視床下束 → 視床 → 運動野
間接路: 運動野 → 線条体 → GPe → 視床下核 → GPi → 視床下束 → 視床 → 運動野
黒質線条体神経路: 黒質緻密部 → 線条体
|
|
注: 側坐核, 前障 及び 扁桃体 は文献によっては大脳基底核の一部とされることもある。
|
|
|
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 2種類のTD誤差を用いた脳における状態価値の計算モデル
- 篠塚 正成,森田 昌彦
- 情報処理学会研究報告. BIO, バイオ情報学 2012-BIO-29(5), 1-6, 2012-06-21
- … らにより,中脳ドーパミンニューロンが強化学習における TD 誤差に相当する活動を示すことが報告されて以来,大脳基底核は強化学習に大きく関与しているという見方が有力であるが,従来の状態価値の計算モデルにはいくつかの疑問点がある.本研究では,予測および実測という 2 種類の TD 誤差を用いることによって,不自然なバッファ回路などを必要としない状態価値の計算モデルを構成した.簡単な報酬予測課題に …
- NAID 110009359890
- マウス大脳基底核線条体GABAニューロンにおける自発カルシウム濃度変化
- 菊地 琴美,小山内 実,田村 篤史,柳川 右千夫,森 一生,八尾 寛
- 電気学会研究会資料. MBE, 医用・生体工学研究会 2011(112), 71-73, 2011-09-20
- NAID 10029663126
- 機能的脳神経外科の現状と展望--大脳基底核への外科的アプローチを中心として (第64回東邦医学会総会 企画特別講演 大脳基底核と視床下部の基礎と臨床)
Related Links
- 大脳基底核(だいのうきていかく、英語:basal ganglia)は、大脳皮質と視床、脳幹を 結びつけている神経核の集まりである。哺乳類の大脳基底核は運動調節、認知機能、 感情、動機づけや学習など様々な機能を担っている。
- 大脳基底核. 大脳半球の髄質の中には、数個の灰白質塊がある。 これが大脳基底核で 、尾状核・レンズ核(淡蒼球)・前障・扁桃体の4つからなる。 大脳半球の基底部の髄質 にある神経核の集合体。 錐体外路系の中継核。 運動機能に関係する。 大脳基底核 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 68歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。10年前に胃癌で胃全摘術を受けている。3か月前から歩行時のふらつきを自覚し、特に階段を降りるときに足元を確認しないとよろけることがあった。1か月前から両足にじんじんとしびれる感じを自覚するようになったという。今朝、洗顔時にふらついて洗面台に頭をぶつけたため受診した。眼球運動は正常で眼振は認めない。上肢の腱反射は正常である。膝蓋腱反射は亢進しているが、アキレス腱反射は低下している。立位で体幹の動揺があり閉眼時に増強する。
- 想定される障害部位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114B036]←[国試_114]→[114B038]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110I039]←[国試_110]→[110I041]
[★]
- Alzheimer病の脳シングルフオトンエミッションCT(SPECT)で早期から異常を認める部位はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096H047]←[国試_096]→[096H049]
[★]
- 頭部の造影CTで増強(enhance)されないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096G101]←[国試_096]→[096G103]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104H005]←[国試_104]→[104H007]
[★]
- ☆case33 頭痛と混乱
- ■glossary
- accompany
- vt.
- (人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
- slurred n. 不明瞭
- 強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- ■症例
- 28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
- 主訴:頭痛と混乱
- 現病歴:過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在も頭痛が持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭。救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
- ・診察 examination
- やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管、呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間、場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
- ・検査 investigation
- 血算:白血球増多
- 血液生化学:ナトリウム低下
- CT:供覧
- ■キーワード&着目するポイント
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis)
- ・頭痛、精神症状、強直間代痙攣
- ・眼底両側に乳頭浮腫
- ・CT所見
- ・低ナトリウム血症は二次的なもの
- ■アプローチ
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM、免疫抑制、AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期の抗菌薬の使用)
- ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
- ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
- ・精神症状、強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
- ・頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
- ・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進の徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍、クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患、大量出血、肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
- ・頭痛と脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変、脳炎(IMD.274)
- ・CT所見 → ringformの病変、脳浮腫、脳圧亢進
- ・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニアに続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体にトキソプラズマによる病変が形成されることにより起こりうる。
- ・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
- パターン認識でHIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
- ■Toxoplasma gondii
- 原虫 胞子原虫類
- (感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
- ・疫学:西洋では30-80%の成人がトキソプラズマの感染の既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
- ・生活環
- ・終宿主:ネコ:ネコの小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便にオーシストの排泄
- ・中間宿主:ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類:無性生殖で増殖、シストの形成
- 急性期の増殖盛んな急増虫体tachyzoiteとシスト内の緩増虫体bradyzoite
- ・病原、病因 phathogenesis
- ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
- ・感染経路
- 1. オーシストの経口摂取
- 2. 中間宿主の生肉中のシストの経口摂取
- 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
- (4)移植臓器、輸血。確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
- ・病態
- 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
- ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神・運動障害
- 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
- (1) 健常者
- ・多くは不顕性感染。発熱、リンパ節腫脹、皮疹(rash)
- ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
- ・(まれ)肺炎、心筋炎、脳症、心膜炎、多発筋炎
- ・網膜、脈絡叢に瘢痕や、脳に小さい炎症性の病変を残すことあり(CASES)。
- ・急性感染の症状は数週間で消失 筋肉や中枢神経系に緩増虫体が残存
- (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
- シスト内緩増虫体→急増虫体→播種性の多臓器感染
- AIDSでは、トキソプラズマ性脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
- ・治療
- (日本)アセチルスピラマイシン、ファンシダール(感染予防学 080521)
- ■トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis、トキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
- ・症状
- 発熱、頭痛、混乱m、痙攣、認知の障害、局所神経徴候(不全片麻痺、歯垢、脳神経損傷、視野欠損、感覚喪失)(CASES)
- ・画像検査
- (CT,MRI)多発性、両側性、ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核、脳幹、小脳が冒されやすい(CASES)
- ・鑑別診断(臨床症状・画像診断の所見で)
- リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
- ・病歴と画像所見からの鑑別診断
- リンパ腫、結核、転移性腫瘍
- ?
- このCTがcerebral toxoplasmosisに特徴的かは不明
- □最後に残る疑問
- AIDSでWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVはCD4+ T cellとmacrophageに感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球はAIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性に増加している?ちなみに、好酸球は寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
- スルファジアジン
- sulfadiazine
- ピリメタミン
- pyrimethamine
- 葉酸拮抗剤である。
- サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
- ST合剤
- SMX-TMP
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
- □AIDSの定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
- A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
- or he/she has one of the following defining illnesses:
-
- 01. Candidiasis of bronchi, trachea, or lungs
- 02. Candidiasis esophageal
- 03. Cervical cancer (invasive)
- 04. Coccidioidomycosis, disseminated or extrapulmonary
- 05. Cryptococcosis, extrapulmonary
- 06. Cryptosporidiosis, chronic intestinal for longer than 1 month
- 07. Cytomegalovirus disease (other than liver, spleen or lymph nodes)
- 08. Encephalopathy (HIV-related)
- 09. Herpes simplex: chronic ulcer(s) (for more than 1 month); or bronchitis, pneumonitis, or esophagitis
- 10. Histoplasmosis, disseminated or extrapulmonary
- 11. Isosporiasis, chronic intestinal (for more than 1 month)
- 12. Kaposi's sarcoma
- 13. Lymphoma Burkitt's, immunoblastic or primary brain
- 14. Mycobacterium avium complex
- 15. Mycobacterium, other species, disseminated or extrapulmonary
- 16. Pneumocystis carinii pneumonia
- 17. Pneumonia (recurrent)
- 18. Progressive multifocal leukoencephalopathy
- 19. Salmonella septicemia (recurrent)
- 20. Toxoplasmosis of the brain
- 21. Tuberculosis
- 22. Wasting syndrome due to HIV
- People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
-
- AND
- □AIDSのステージング
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- 英
- anatomy
- ラ
- anatomia
- 関
- 体表解剖学、臨床解剖学、神経解剖学、比較解剖学
系統解剖
運動
骨
部位ごとの分類
関節ごとの分類
神経
部位別
上肢
体幹
下肢
下肢の皮神経
脳幹の神経解剖
血管
臓器に分布する血管
各体部位に分布する血管
- 頚部
[★]
- 英
- involuntary movement IVM
- 関
- 不随意筋
[★]
- 英
- dopamine receptor DA-R
- 同
- ドーパミン受容体
- 関
- ドパミン、ドーパミン作動性ニューロン、受容体、カテコールアミン受容体
[show details]
- GOO.249
- 7回膜貫通型Gタンパク共役型受容体
- D1受容体
- Gs:アデニル酸シクラーゼ活性化→[cAMP]i↑
- 低用量での血管拡張はこの受容体を介して起こる
- 大脳基底核の神経回路では直接路にかかわる(SP.377)。
- Gi:アデニル酸シクラーゼ抑制→[cAMP]i↓、K+チャネル活性化、Ca2+チャネル抑制
- 中枢神経系に存在
- シナプス後ニューロン、ドーパミン作動性ニューロンの細胞体・樹状突起・軸索・終末部に存在し、興奮性の調節に関わる
- autoreceptor
- 大脳基底核の神経回路では間接路にかかわる(SP.377)。
作動薬(アゴニスト)
拮抗薬(アンタゴニスト)
[★]
- 英
- caudate nucleus (B)
- ラ
- nucleus caudatus
- 関
- 大脳基底核、線条体、レンズ核
- 発生学的に同一の灰白質から発生するが、内包の発達により被殻と尾状核が分断される。被殻と尾状核との間には線条の灰白質連絡が残るため、これらを合わせて線条体と呼ぶ (KL.753)
ニューロン
- GABAとアセチルコリンのバランスが重要 → くずれると錐体外路症候群(パーキンソン病、パーキン粗にズム)
- GABA作動性ニューロン
- アセチルコリン作動性ニューロン
- 線条体内の伝達に用いられる?
大脳皮質・大脳基底核ループ回路
入力
- 大脳皮質(グルタミン酸作動性ニューロンが入力)
- 黒質緻密部(ドーパミン作動性ニューロンが入力)
出力
[★]
- 英
- basal ganglia disease
- 関
- 錐体外路症候群, movement disorder
分類 (SP.381)
疾患の分類 (SP.381)
[★]
- 英
- basal ganglia disorder
- 関
- 錐体外路障害、大脳基底核疾患
[★]
- 英
- cerebrum
- 関
- 脳、ブロードマン野
感覚野、運動野
発生学
機能障害
|
優位半球
|
劣位半球
|
左
|
右
|
側頭葉
|
感覚性失語、Wernicke失語、同名性上1/4半盲
|
頭頂葉
|
対側の感覚
|
ゲルストマン症候群(手指失認、左右識別障害、失算、失書)
|
半側空間無視、病態失認、自己身体失認など
|
前頭葉
|
対側の運動麻痺、眼球運動(対側への追視)障害、運動性失語、知的及び精神的高次機能障害など
|
後頭葉
|
対側の同名半盲、両側後頭葉の障害ではアントン症候群
|
小脳
|
筋共同運動障害、運動・平衡障害に関係し、運動失調を呈する。測定異常、反復拮抗運動障害、筋緊張低下、運動過多、歩行異常、異常姿勢、発語障害、眼振など
|
[★]
- 英
- basement、ground、basis、bases、fundus、basal
- 関
- アース、胃底、眼底、基礎、基本、根拠、素因、底、基盤、地階、轢く
[★]
- 英
- nucleus, nuclei
- 同
- 細胞核
- 関
- 細胞