発症前クッシング症候群
- 英
- preclinical Cushing syndrome, subclinical Cushing syndrome, pre-Cushing syndrome
- 同
- preclinical Cushing症候群
- 関
- クッシング症候群
概念
- 副腎からのコルチゾール分泌は存在するものの、クッシング病に特徴的な徴候を欠くものをpreclinical Cushing syndromeという。
- 原因としては下垂体あるいは副腎によるものがある、と思う。
診断
下垂体性
- ガイドライン1
- I. 本疾患の存在を疑う例
- 1)と2)があり、3)を満たす場合は本疾患を疑って以下のスクリーニング検査を行い、ACTHの自律的分泌に依存するコルチゾール分泌の異常を調べる。
- 1) 画像診断で下垂体腫瘍の存在が疑われる。
- 2) 朝の血中ACTH濃度は正常—高値で、コルチゾール濃度は正常域にある。
- 3) Cushing病に特徴的徴候が欠如している。
- 満月様顔貌
- 中心性肥満または水牛様脂肪沈着
- 皮膚の伸展性赤紫色皮膚線条(幅 1 cm 以上)
- 皮膚のひ薄化および皮下溢血
- 近位筋萎縮による筋力低下
- 小児における肥満をともなった成長遅延
- II. スクリーニング検査
- 1)は必須で、それ以外に2)-4)の1つ以上を満たせば、ACTHの自律的分泌に依存するコルチゾール分泌異常の証明となる。次いで異所性ACTH症候群との鑑別のため、以下の検査を行う。
- 1) 一晩0.5 mgデキサメサゾン抑制試験で、翌朝の血中コルチゾール値が3μg/dl以上を示す。
- 2) 複数日において深夜睡眠時の血中コルチゾール値が5μg/dl以上を示す。
- 3) DDAVP試験でACTHの奇異反応(前値の1.5倍以上)がみられる。 ← 下垂体性(クッシング病)を示唆?
- 4) 複数日において深夜唾液中コルチゾール値が、施設における正常者平均値の1.5 倍以上を示す。
- III. 確定診断
- 1)–3)全てを満たせば診断できるが、1つ以上欠ける場合、または精度を上げるには4)が必要となる。4)を満たさなければ異所性ACTH症候群を考える。
- 1) 一晩大量(8 mg)デキサメサゾン抑制試験で、翌朝の血中コルチゾール値が前値の半分以下に抑制される。
- 2) CRH試験でACTHが前値の1.5倍以上に増加する。
- 3) 下垂体腫瘍の存在を証明する。
- 4) 選択的静脈洞血サンプリングで、ACTHのC/P比が基礎値で2以上、CRH刺激後で頂値が3以上となる。
腎性
- 検査所見の判定:1)2)は必須、さらに3)-6)のうち1つ以上の所見、あるいは7)がある時、陽性と判定する。1、2および3の検査結果陽性をもって本症と診断する。
- 1.副腎腫瘍の存在(副腎偶発腫)
- 2.臨床症状:クッシング症候群の特徴的な身体徴候の欠如
- 3.検査所見
- 1)血中コルチゾールの基礎値(早朝時)が正常範囲内
- 2)コルチゾール分泌の自律性
- 3)ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)分泌の抑制
- 4)副腎シンチグラフィーでの患側の取り込みと健側の抑制
- 5)日内リズムの消失
- 6)血中DHEA-S 値の低値
- 7)副腎腫瘍摘出後、一過性の副腎不全症状があった場合、あるいは付着皮質組織の萎縮を認めた場合
参考
- 1. 副腎性プレクリニカル・クッシング症候群の診断基準
ガイドライン
- 1. サブクリニカルクッシング病の診断と治療の手引き(平成21年度改訂)