発症前クッシング症候群

2020年8月21日 (金) 15:17時点におけるimported>Medicineによる版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
preclinical Cushing syndrome, subclinical Cushing syndrome, pre-Cushing syndrome
preclinical Cushing症候群
クッシング症候群

概念

  • 副腎からのコルチゾール分泌は存在するものの、クッシング病に特徴的な徴候を欠くものをpreclinical Cushing syndromeという。
  • 原因としては下垂体あるいは副腎によるものがある、と思う。

診断

下垂体性

ガイドライン1
  • I. 本疾患の存在を疑う例
1)と2)があり、3)を満たす場合は本疾患を疑って以下のスクリーニング検査を行い、ACTHの自律的分泌に依存するコルチゾール分泌の異常を調べる。
  • 1) 画像診断で下垂体腫瘍の存在が疑われる。
  • 2) 朝の血中ACTH濃度は正常—高値で、コルチゾール濃度は正常域にある。
  • 3) Cushing病に特徴的徴候が欠如している。
  • 満月様顔貌
  • 中心性肥満または水牛様脂肪沈着
  • 皮膚の伸展性赤紫色皮膚線条(幅 1 cm 以上)
  • 皮膚のひ薄化および皮下溢血
  • 近位筋萎縮による筋力低下
  • 小児における肥満をともなった成長遅延
  • II. スクリーニング検査
1)は必須で、それ以外に2)-4)の1つ以上を満たせば、ACTHの自律的分泌に依存するコルチゾール分泌異常の証明となる。次いで異所性ACTH症候群との鑑別のため、以下の検査を行う。
  • 1) 一晩0.5 mgデキサメサゾン抑制試験で、翌朝の血中コルチゾール値が3μg/dl以上を示す。
  • 2) 複数日において深夜睡眠時の血中コルチゾール値が5μg/dl以上を示す。
  • 3) DDAVP試験でACTHの奇異反応(前値の1.5倍以上)がみられる。  ← 下垂体性(クッシング病)を示唆?
  • 4) 複数日において深夜唾液中コルチゾール値が、施設における正常者平均値の1.5 倍以上を示す。
  • III. 確定診断
1)–3)全てを満たせば診断できるが、1つ以上欠ける場合、または精度を上げるには4)が必要となる。4)を満たさなければ異所性ACTH症候群を考える。
  • 1) 一晩大量(8 mg)デキサメサゾン抑制試験で、翌朝の血中コルチゾール値が前値の半分以下に抑制される。
  • 2) CRH試験でACTHが前値の1.5倍以上に増加する。
  • 3) 下垂体腫瘍の存在を証明する。
  • 4) 選択的静脈洞血サンプリングで、ACTHのC/P比が基礎値で2以上、CRH刺激後で頂値が3以上となる。

腎性

検査所見の判定:1)2)は必須、さらに3)-6)のうち1つ以上の所見、あるいは7)がある時、陽性と判定する。1、2および3の検査結果陽性をもって本症と診断する。
  • 1.副腎腫瘍の存在(副腎偶発腫)
  • 2.臨床症状:クッシング症候群の特徴的な身体徴候の欠如
  • 3.検査所見
  • 1)血中コルチゾールの基礎値(早朝時)が正常範囲内
  • 2)コルチゾール分泌の自律性
  • 3)ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)分泌の抑制
  • 4)副腎シンチグラフィーでの患側の取り込みと健側の抑制
  • 5)日内リズムの消失
  • 6)血中DHEA-S 値の低値
  • 7)副腎腫瘍摘出後、一過性の副腎不全症状があった場合、あるいは付着皮質組織の萎縮を認めた場合




参考

  • 1. 副腎性プレクリニカル・クッシング症候群の診断基準
http://www.matsunami-hsp.or.jp/iryou_jyohou/fukujinguuhatsu/pdf/criterion.pdf


ガイドライン

  • 1. サブクリニカルクッシング病の診断と治療の手引き(平成21年度改訂)
http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance.html
<click2in>http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance/sub-clinical-cushing.pdf</click2in>