アセトン血性嘔吐症
概念
- 感冒や精神的ストレスにより嘔吐を繰り返し、ケトーシスを来して元気がなくなる病態であり、幼児~学童(2-10歳)に見られるものである(SPE.211)
病因
- 中枢神経、自律神経を含めた発達の未熟性による。これらにストレスが加わって大脳辺縁系の興奮を引き起こし、視床下部-下垂体系、延髄(嘔吐中枢)、自律神経中枢(視床下部)などの広範な興奮異常を引き起こす。(SPE.211)
疫学
- 痩せた男児に多い
病態生理
- 精神的・肉体的ストレス → ケトン体(アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸)、ストレスホルモンであるACTH、コルチゾール、ADH、血症レニン活性が増加 → 種々の症状 (SPE.211)
身体所見
- 腹壁の緊張低下
- 股動脈音聴取
症状
- 悪心・嘔吐、脱力感、全身倦怠感、無表情、会話の停滞、集中力減退、速脈、顔面蒼白、歩行障害、嗜眠、意識障害 (SPE.211)
- 発症から2-3日症状が持続する
- 低血糖症状はない ← ないこともないけど
検査
- 血中・尿中ケトン体
治療
- 軽症:安静、制吐薬、糖質摂取、ブドウ糖液の静注 → 嘔吐発作が続いているときには経口摂取禁止(SPE.211)
- 重症:脱水症状の治療(輸液)
鑑別
- YN.D-107
| アセトン血性嘔吐症 | ケトン性低血糖症 | ||
| 発作時 | ケトーシス | +++ | +++ |
| 低血糖症 | ±~- | ++ | |
| 痙攣 | - | + | |
| 非発作時血糖値 | 正常 | 正常 | |
| 発作の誘因 | ストレス・感染 | 摂食不良・高脂肪食 | |
| ケトン食負荷 | 非発症 | 発症 | |
| 好発年齢 | 約2-10歳 | 約1-5歳 | |
| 出産時状況 | 未熟児、SFD児に多い | ||
| 予防 | ストレス回避 | 高炭水化物の摂取 | |