急性前骨髄球性白血病
概念
- 急性骨髄性白血病の一病型
- 白血病細胞が前骨髄球の段階で成熟停止を起こした型
- FAB分類:M3
- アウエル小体が多く認められる。アウエル小体が集積した細胞(鳥の巣細胞、ファゴット細胞)がみられる。
- 免疫組織化学:MPO陽性(*ミエロペルオキシダーゼ活性はほぼ100%陽性)
- 異型前骨髄球がみられる。
- 染色体異常
- 95%以上の症例:t(15;17)(q22;q21)
- 全症例:PML遺伝子(chr.15)とRAR-α遺伝子(chr.17)の融合遺伝子の存在
M3と他のAMLを区別するポイント
検査
- 急性白血病に特徴的:高尿酸血症、LDH上昇
- 染色体異常:全例にt(15;17)を認め、PML遺伝子とRAR-α遺伝子が誘導したPML-RARA遺伝子を認める。
合併症
- Auer顆粒を豊富に含み、この中にはトロンボプラスチン類似物質を含む。この物質の逸脱により凝固が亢進しDICにつながる
- 線溶亢進型DICを引きおこし、臓器障害より出血症状が前面にてくる。フィブリノゲン減少、Dダイマー・FDP増加が見られる。
治療
- レチノイン酸(ATRA, all-trans retinoic acid)の経口投与で高い確率で寛解する
- 白血球や前骨髄球が多い場合には化学療法を併用する:レチノイン酸 + アントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬(イダルビシン、ダウノルビシン, DNA二本鎖の間にintercalateしでDNA,RNAの合成を阻害) + シタラビン(Ara-C, シトシンアナログ, 代謝拮抗薬)