バンコマイシン耐性腸球菌
- 腸球菌はヒト腸管や女性外陰部の常在菌であり、免疫が低下した宿主で心内膜炎、敗血症、複雑性尿路感染症、胆道感染などを引きおこしうる。
- VREとはバンコマイシンに薬剤耐性を獲得した腸球菌のことであり、Enterococcus faecalis, Enterococcus faeciumのいずれにもVREが存在する。
- VREは、1986年フランスでバンコマイシン高度耐性腸球菌として発見され、その後、ヨーロッパ諸国において重症院内感染原因菌として広がった。
- アメリカでは1989年以降、院内感染菌として急激な広がりをみせ、現在最も治療困難な院内感染菌となっている。
- 基本的に、VREとは最小発育阻止濃度(MIC)が16μg/mL以上、或いはディスク法の阻止円径が14mm以下の腸球菌を指すが、vanA, vanBなどの外来性の誘導型VCM高度耐性遺伝子を保有した腸球菌も指す。
| 耐性遺伝子 | MIC | 耐性遺伝子の存在部位 | 耐性の発現 | 菌種 | |
| VCM | TEIC | ||||
| vanA | 64~1000 | 16~512 | プラスミド,染色体 | 誘導耐性 | E. faecalis, E. faecium |
| vanB | 4~1000 | 0.5~1 | プラスミド, 染色体 | 誘導耐性 | E. faecalis, E. faecium |
| vanC | 2~32 | 0.5~1 | 染色体 | 非調導型 | E. gallinarum, E. casseliflavus, E. flavescens |
| vanD | 64~128 | 4~64 | 染色体 | 非誘導型 | E. faecalis, E. faecium, E. raffinosus |
| vanE | 8~32 | 0.5 | 染色体 | 誘導耐性 | E. faecalis |
| vanG | 16 | 0.5 | 染色体 | 誘導耐性 | E. faecalis |