Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2022/01/02 08:20:21」(JST)
[Wiki ja表示]
脱水素化(だつすいそか、英: dehydrogenation)は、水素 (H2) の脱離を伴う化学反応である。水素化 (hydrogenation) の逆過程。脱水素反応は工業的な大スケールあるいはより小規模の実験室でも行われる。
脱水素化には様々な分類がある。
- 芳香族化
- 6員環脂環式環は、硫黄やセレン元素などの脱水素化触媒あるいはDDQといったキノン類の存在下で芳香族化することができる。
- 酸化
- アルコールのケトンあるいはアルデヒドへの変換は、亜クロム酸銅といった金属触媒によって達成できる。オッペナウアー酸化では、水素が一つのアルコールからもう一方へ移動し酸化が起こる。
- アミンの脱水素化
- アミンはIF5といった様々な試薬を用いてニトリルに変換できる。
- パラフィンおよびオレフィンの脱水素化
- n-ペンタンおよびイソペンタンのようなパラフィンは、温度500 °Cで触媒として酸化クロム(III)を用いてペンテンおよびイソプレンに変換できる。飽和脂肪は脱水素化によって不飽和脂肪へと変換される。
脱水素化反応を触媒する酵素は脱水素酵素(デヒドロゲナーゼ、dehydrogenase)と呼ばれる。
脱水素過程は精製化学製品、油脂化学製品、石油化学製品および洗剤工業においてスチレンを生産するために広く用いられている。
この脱水素過程に使用されそうな供給原料は、
- エチルベンゼン
- メタノール
- ブタンおよびブテン
- シクロヘキサン
といった炭化水素や硫化水素あるいはヨウ化水素といった無機化合物である。
参考文献
- Advanced Organic Chemistry, Jerry March, 1162-1173.
- “High-Efficiency Dehydrogenation Process”. First Principals. 2011年11月17日閲覧。
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- ZnZSM-5–金属酸化物階層構造触媒を用いた<i>n</i>-ペンタンの分解および環化脱水素反応による芳香族生成に及ぼすマトリックスの影響
- 石原 篤,水野 琢也,橋本 忠範
- Journal of the Japan Petroleum Institute 65(1), 27-35, 2022
- … <i>n</i>-ペンタンの分解および環化脱水素反応におけるマトリックスとしてのこれら酸化物の活性および芳香族選択性に及ぼす影響を検討した。 … <i>n</i>-ペンタンの分解および続く環化脱水素反応は450~550 ℃の温度範囲,水素雰囲気下,固定床反応器を用いて行った。 …
- NAID 130008139265
- 受賞講演 硫化水素を活用した低級アルカン脱水素反応に関する研究 : 2020年度奨励賞 (特集 2020年度受賞講演(2))
- 山田 強
- ファルマシア 57(8), 770-770, 2021
- チオエステルは様々な抗菌薬や天然物などの部分構造であるとともに,タンパク・糖代謝,脂肪酸の生合成など生体内酵素反応の鍵となる官能基である.しかし,その化学合成の主たる手法は,活性化剤あるいは触媒存在下,過剰量のカルボン酸無水物や酸塩化物を使用したチオールのアシル化反応であり,反応後の廃棄物や副生成物が少ない方法論の開発が望まれていた.今回Milsteinらは,ピンサー型ルテニウム(Ru)錯体(Ru …
- NAID 130008070418
Related Links
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - 脱水素反応の用語解説 - (1) 酸化反応の一種で,分子内もしくは分子間の脱水素によって水素を取去る反応の総称。狭義には飽和炭化水素に二重結合を生成する反応をさす。工業的に重要な脱水 ...
- よる水素製造などが行われればCO2 フリーのグリーン水素のエネルギー社会が誕生する。 ③MCH 脱水素式水素ステーションの開発 脱水素には触媒反応器で大量の熱を供する必要があり、最近までエネルギー効率の良い反応器が
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- (生物)response、(化学)reaction、respond、react、responsive
- 関
- 応答、応答性、反応性、返答
[★]
- 英
- elementary reaction
- 関
- 反応速度