- 英
- anovulatory cycle
- 関
- 無排卵周期、無排卵性周期
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/09 19:48:37」(JST)
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無排卵月経(むはいらんげっけい、英: Anovulatory cycle)は、月経の周期内に排卵が伴っていない状態[1][2]。頻発月経、希発月経、過多月経、過長月経、過少月経、過短月経を主訴とし、月経血は消退出血ではなく、破城出血によるものになるため、1週間以上だらだらと続く出血となることも多い[1]。無排卵月周期症状とも呼ばれる[1]。
目次
- 1 概要
- 2 消退出血・破城出血
- 3 原因
- 4 検査
- 5 治療
- 6 脚注
- 7 関連項目
概要
無排卵月経はエストロゲンの分泌不足によりLHサージが生じないことにより起こる[1]。LHサージが起こらないため、排卵を伴わない。月経があるため、気づきにくい不妊症の原因となる[1]。月経血の種類は消退出血ではなく、破城出血のため、だらだらと続く少量の出血が特徴である(後述)。
消退出血・破城出血
通常の月経では子宮内膜の機能層が増殖し、機能層を維持するらせん動脈が切れ出血する。これを消退出血と呼ぶ[1]。無排卵月経では子宮の機能層が十分に発育しないため、らせん動脈は切れず、細胞のアポトーシスにより機能層が破城する。これを破城出血と呼ぶ[1]。破城出血の場合はすべての機能層が一度に剥がれ落ちるわけではないので、少量の出血がだらだらと続く状態となる。
原因
多嚢胞性卵巣症候群、ストレス、過度のやせ及び肥満、卵巣機能が十分に発達していない10代及び卵巣機能低下が生じた更年期以降に起こる[1][2]。
検査
家庭でできる検査として、基礎体温のチェックがある[1]。無排卵月経の際は排卵がないため、黄体もなく、そのためにプロゲステロンが分泌されない。プロゲステロンが分泌されないため、高温期がなくなる(低温一相性)。また、排卵日に見られる低温日もなくなる(低温日は排卵日に必ず見られる現象ではない)。
治療
更年期以降で、症状も強くない場合は生理的なものであるため経過観察とする[1]。薬物治療の目的はLHサージをおこし、排卵を誘発させることである。薬物治療には以下のものがある。
- クロミフェン:クロミフェンは抗エストロゲン剤である[3]。抗エストロゲン剤であるが以下の機序によりエストロゲンの増加、エストロゲン感受性の向上させる。まずクロミフェンは月経5日目から5日間投与する[2]。エストロゲン濃度を感知する視床下部はクロミフェンの抗エストロゲン作用により、エストロゲンの枯渇を強く感知する。それによりGnRHの分泌を促進し、エストロゲン感受性を増加させる。これによりエストロゲンの分泌量は増加する。エストロゲンの分泌増加と感度上昇によりLHサージがおこる。
- ピル:低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロンが入っているため、エストロゲンの補充療法となる。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j 病気がみえるVol.9 「婦人科・乳腺外科」 メディックメディア社発行 ISBN 978-4896324624
- ^ a b c 南山堂医学大辞典 第12版 ISBN 978-4525010294
- ^ Stedman's Medical Dictionary 28th ISBN 978-0781733908
関連項目
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Japanese Journal
- 井上 真智子
- 日本プライマリ・ケア連合学会誌 36(3), 237-241, 2013
- 性器出血の中で, 月経や分娩に関連するもの以外は不正出血であり, 原因の検索が必要である. 約9割は機能性子宮出血であるが, 腫瘍や炎症等の器質的疾患や出血性素因の除外が必要である. 出血量が多い場合, QOL低下や鉄欠乏性貧血の原因となるため, 薬物的あるいは外科的マネジメントを要する. 思春期で最も多いのは無排卵周期による機能性出血で, 高齢者で最も多いのは萎縮性腟炎による出血である.
- NAID 130003388470
- 性成熟期排卵障害婦人の血中hormone levelとKuppermah更年期不定愁訴について
- 假野 隆司,西川 潔
- 日本産科婦人科學會雜誌 37(1), 31-37, 1985-01-01
- … 更年期障害の原因究明を目的として103例の性成熟期排卵障害婦人のKupperman(更年期)不定愁訴の内分泌相関を検討した.排卵障害が無排卵月経周期から第?度無月経,第?度無月経へと高度になるに従ってKupperman指数は増加した.また排卵障害が進むにつれてFSH,LHは有意に増加し,estrone(E_1),estradiol(E_2)は有意に低下した.Prolactin(PRL)は低下傾向を示した.各愁訴に特徴的な内分泌像は,のぼせ・熱感のFSH,LH高値,E_1,E_2低値,入眠障害,易 …
- NAID 110002190476
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- Q1 排卵日とは何ですか? Q2 排卵日を知るにはどうしたらいいのですか? Q3 排卵日にはどんな症状がおきるのですか? Q4 無排卵月経とはどういう症状ですか? Q5 無排卵月経の治療にはどういうものがあるのですか?
- 毎月1回来る月経。「今月は遅れてるな~」、「なんか最近周期が安定しない」。もしかしたらそれって、ちょっと ... 生理がきてても周期が乱れていたり、間隔が長すぎると「無排卵性月経」の危険も潜んでいる可能性がある
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