減圧症
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減圧症 |
分類及び外部参照情報 |
米国海軍兵士が治療のため減圧室に入っているところ
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ICD-10 |
T70.3 |
ICD-9 |
993.3 |
DiseasesDB |
3491 |
eMedicine |
emerg/121 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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減圧症(げんあつしょう)は、身体の組織や体液に溶けていた気体が、環境圧の低下により体内で気化して気泡を発生し、血管を閉塞して発生する障害の事である。潜水症(病)、潜函症(病) あるいは ケーソン病 とも呼ばれる。
目次
- 1 概要
- 2 症状
- 3 治療
- 4 予防
- 5 外部リンク
- 6 関連項目
概要
酸素や二酸化炭素は、呼吸により速やかに排泄されるので減圧症を発生させることはほとんどない。通常問題になるのは窒素で、大深度潜水に用いられるヘリウムが原因になることもある。
スクーバダイビングやケーソン工事などにより高圧環境下で体内に溶け込んでいた窒素が、急浮上などにより急速に周囲の圧力が低下することにより気泡化するケースが典型的である。
与圧された旅客機において何らかの原因で急減圧が生じたときや、戦闘機で急速上昇を行った場合、高高度において爆撃機に搭乗中に被弾した場合、宇宙服で宇宙空間に出た場合など、通常の気圧から急激に気圧が下がった場合にも減圧症になる場合がある。
日本国内では、西伊豆でスクーバダイビングを楽しんだあと、箱根を越えて帰宅する場合に発症するケースが多く報告されている。
症状
急性症状としては関節痛(ベンズともいう)が典型的である。重症例では呼吸器系の障害(息切れ・胸の痛み)やチアノーゼが見られる場合もある。生涯にわたる神経系の損傷等、重篤な後遺症を招くケースも少なくない。
ごく軽い減圧症では、ごく微細な毛細血管のみが閉塞し、これらの急性症状が見られない場合もあるが、この程度の減圧症でも長期的には骨の組織壊死を招く場合がある。
治療
高圧酸素療法が、ほぼ唯一の治療法である。自然治癒はしないものと考えた方が良い。発症後できる限り早い時期に治療を開始することで、後遺症を最小限に留めることができる。特に重症の場合は一刻を争い治療を開始する必要がある。緊急的には、再度潜水して気泡を縮小させ症状を軽快させる(フカシと言う)ことも行われないわけではないが、一般には推奨されない。
救急処置として(常圧の)純酸素を呼吸させることで、血管の閉塞に起因する低酸素状態から発生する障害や後遺症をある程度緩和できる可能性が高い。減圧症を発症した場合には、可能な限り早期に最寄の医療機関を訪問し、あるいは救急車を呼ぶなどして酸素吸入を開始し、その後高圧酸素療法を施行可能な医療機関に移送すべきである。
高圧酸素療法は、どこの医療機関でも施行可能な治療ではないが、大学病院等の高度医療機関、労災病院、沿岸部の公立病院等、減圧症患者の来訪頻度が高い医療機関には施行設備が設置されている場合が多い。また徳洲会系列の病院は、経営方針として高圧酸素療法の施行設備を有している場合が多い。同時に多人数の患者を治療することはできないため、訪問予定の医療機関が、減圧症患者の受け入れ可能な状態にあるか否か、あらかじめ確認してからの受診が望ましい。
潜水病の医学的研究機関として海上自衛隊の潜水医学実験隊が横須賀市に設立されている。また、空中での減圧症については、航空自衛隊の航空医学実験隊で研究されている。
予防
減圧症は環境圧の急激な変化で発生するため、少しずつ圧力に体を慣らす事で防ぐことができる。戦闘機搭乗や宇宙遊泳などの場合には、減圧症を発生させにくい純酸素を呼吸して予防することもできる。
特殊な環境下でなければ減圧症にならないので、スクーバダイビングなどをする場合にのみ注意すればよい。一般に、スクーバダイビングを行ってから24時間以上経過しなければ、飛行機に搭乗してはならない。また、ダイビングの直後に高山に登ってはならないなどの指導がある。
なお、潜水直後の飲酒は減圧症を招きやすく危険である。
外部リンク
- 潜水医学(東京医科歯科大学医学部附属病院高気圧治療部准教授による減圧症の解説ページ)
関連項目
- 飽和潜水
- テクニカルダイビング
- 混合ガス#潜水における混合ガス
- 酸素中毒
- 窒素中毒
- 伏龍特攻隊
- クラッキング (関節)
物理・化学的因子による疾患 |
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急性アルコール中毒アルコール依存症
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毒ガス
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化学兵器
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化学兵器関連の記事 |
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VEガス - VGガス - VMガス - VXガス
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催涙剤 |
トウガラシスプレー (OC) - CSガス - CNガス (mace) - CRガス
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焼夷剤 |
三フッ化塩素
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対物剤 |
パイロフォリック - 機動阻止システム
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化学兵器規制 |
ジュネーヴ議定書 - 化学兵器禁止条約 (CWC) - 化学兵器禁止機関 (OPCW) - 遺棄化学兵器問題
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(補足:関連項目) |
催涙スプレー - 防犯装備 - スカンク
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火山ガス
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農薬中毒
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金属中毒 |
- 鉛中毒
- 水銀中毒
- ヒ素中毒
- カドミウム中毒
- マンガン中毒
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物理的要因 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 減圧症/いわゆる潜水病、潜函病 (特集 環境障害)
- スクーバダイビングと救急--減圧症(潜水病)と動脈ガス塞栓症--後遺症を残さないための適切な初期対応を (特集 夏の救急--熱中症?! マムシに咬まれた! 食中毒! など夏に増える救急患者への初期対応)
Related Links
- 潜水病という言葉は、潜水障害、減圧障害または減圧症の代用語とされていますが、いずれの病態を指しているか明確でないので医学的には用いられません。 減圧症を理解する為の予備知識 スクーバダイビングでは、通常、空気 ...
- 水深24メートルより 深く潜ったり、 潜る速度が早くても いけない。 高圧下では 窒素は 人体に麻酔作用を及ぼし、 思考力 判断力を鈍らせ 動作を遅くさせます。 周りの人が 気がつけば なるべく ...
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- decompression sickness
- 同
- せんかんびょう 潜函病 dysbarism、減圧病、潜水病, 潜水夫病, diving disease, diver's disease、ケイソン病, caisson disease
- 関
- 気圧障害、窒素塞栓症
概念
- 高圧環境から常圧環境への急激な移動により生じる病態
- 水深10m以内の急浮上では発症しない。
- 急激な減圧後2時間以内に発症する場合がほとんど(90%)である。24時間以内の発症が90%という記載もみられる(SQ.504)
- 病型:I型は皮膚と筋関節症状のみのもので、それぞれ皮膚型、四肢型と呼ばれる。II型はI型以外の症状を呈するもので、中枢神経型、脊髄型、内耳型、呼吸循環型がある。(SQ.504)
- 治療は高圧酸素療法。II型減圧症の場合には再圧療法が必須。
参考
- http://www.divingmedicine.jp/decompression/d_3.html
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患
[★]
- 英
- diving、dive
- 関
- ダイビング