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- Johne's disease
- 関
- 傍結核性、Johne病
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/04/01 20:37:05」(JST)
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ヨーネ病(Johne's disease−paratuberculosis)は、マイコバクテリウム属のヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis)の感染によって起こる慢性肉芽腫性腸炎である。感受性動物は牛、羊、山羊などの反芻類。分娩1~数週間後の発症が多く、慢性的な下痢、削痩、泌乳量の低下を呈し、発症数ヶ月から1年以内に死亡する。家畜伝染病予防法における法定伝染病。搾乳牛および種畜を対象に5年ごとのELISAによる検査が義務付けられている。感染動物の治療は行わず、淘汰する。
なお、「ヨーネ病」の名前は、この細菌を発見したドイツ人の細菌学者で獣医の Heinrich A. Johne に由来する。
目次
- 1 診断方法
- 1.1 細菌学的診断方法
- 1.2 免疫学的診断方法
- 1.3 病理学的検査方法
- 1.3.1 肉眼的な観察
- 1.3.2 病理組織学的検査
- 1.3.3 腸管の採取、固定方法
- 2 国内における発生状況
- 3 海外における発生状況
- 4 クローン病との関連
- 5 参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
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診断方法
細菌学的診断方法
- 直接鏡検法
- 培養方法
- マイコバクチン添加Middlebrook7H10卵黄寒天培地が適する。
- PCR診断法
免疫学的診断方法
- ELISA法
- 血清中のヨーネ菌に対する抗体を検出するヨーネ病の診断法。
- 共立製薬が生産販売しているヨーネライサ2を購入して実施する。
- 市販の牛ヨーネ病診断用エライザキットを使用する。使用方法は製品添付の説明書に従う。
- ヨーニン検査
- 皮内反応によりヨーネ菌感染個体の細胞性免疫反応を検出するヨーネ病の診断法。
- ヨーニン皮内反応用抗原を使用して検査する。使用方法は製品添付の説明書に従う。
- インターフェロンγ検査
病理学的検査方法
肉眼的な観察
病理解剖に際しては空腸・回腸・回盲部粘膜の肥厚、顕著な雛壁の形成の有無を確認する。
腸間膜リンパ節の髄様腫脹があることもあるので注意が必要。
病理組織学的検査
粘膜固有層、粘膜下識及び腸リンパ節における類上皮細胞の「び慢性増殖」とラングハンス巨細胞の出現が特徴所見である。牛の場合には結核のような乾酪性の肉芽腫はほとんど見られない。
- 1)肉眼観察後に以下の各部位を病理組織検査用として採材する。
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- 回腸末端部 回盲部より10cm位上
- 回盲部から30cm上
- 回盲部から50cm上
- 回盲部から1m上
- 回盲リンパ節
- 回腸部腸間膜リンパ節
- 空腸部腸間膜リンパ節
- 雌の場合には乳房上リンパ節
腸管の採取、固定方法
腸管は消化酵素に富む組織であるため死後変化をおこしやすいので、以下のとおりに採材する。
病理検査用の腸管は約10cmの長さで、管状に切り取り、管状のまま開かないで、切り取ったあと、一端をピンセットでつまんだまま腸を静かにホルマリン容器に入れ、ピンセットで固定している開口部から50mlのディスポ注射筒で10-20%中性緩衝ホルマリンを注ぎ込み、掴んだピンセットで腸組織を固定液に静かに沈め少し揺する。さらに2回ホルマリンを流し込み、静かに固定ビンに沈める。
- 2)パラフィンブロック作製、染色、鏡検
- 病理組織を見るための組織の切り出しでは、腸管固定標本からは2〜3カ所切り出すことが望ましい。そして通常の方法でパラフィン包埋を作り、ミクロトームにて薄切後、ヘマトキシリン・エオジン染色、必要に応じてチール・ネルゼン染色を行い鏡検する。腸の粘膜組織や腸間膜リンパ節において最も高頻度に肉芽腫病変が認められる。
(参考資料:2006年11月に農水省より出された、ヨーネ病検査要領)
国内における発生状況
昭和5年(1930年)、イギリスから輸入された牛により国内へ侵入した。近年では定期的な検査と消毒により発生は散発的だが、多い年には年間で数百頭の感染も見られる。
平成19年(2007年)10月26日、日本ミルクコミュニティが10月24日から25日にかけて製造した牛乳の中に、ヨーネ病の疑いのある牛から採ったものが入っている可能性があるとして、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、静岡、長野に出荷された計62万1088本の自主回収を発表した。
海外における発生状況
クローン病との関連
近年、Mycobacterium avium subsp. paratuberculosisと、ヒトにおけるクローン病との関連が指摘されている。
参考文献
- 清水悠紀臣ほか 『動物の感染症』 近代出版 2002年 ISBN 4874020747
関連項目
- 家畜伝染病予防法(昭和26年5月31日法律第166号)
- 非定型抗酸菌症
外部リンク
- 牛のヨーネ病防疫対策要領(平成18年11月1日付け18消安第8586号)
- 国際ヨーネ病学会 International Association for Paratuberculosis
- 日本ヨーネ病学会
- 第9回ヨーネ病国際学会(2007年10/29-11/2,つくば市)
家畜伝染病
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言葉 |
家畜/家禽 - 牧畜/酪農/養豚/養鶏/養蜂 - 畜産/畜産業
病原体 - 感染 - 感染経路 - 伝染病/感染症 - 海外悪性伝染病 - 人獣共通感染症 - 公衆衛生 - アウトブレイク/パンデミック - ワクチン - 屠殺 - 殺処分 - 検疫
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組織・施設等 |
国際獣疫事務局(OIE) - 国際連合食糧農業機関(FAO) - 農林水産省/農業・食品産業技術総合研究機構/動物衛生研究所 - 検疫所/家畜防疫官 - 家畜保健衛生所/家畜防疫員/獣医師 - 日本家畜商協会/家畜商 - 屠畜場/化製場 - 保健所 - 農業共済組合/農業災害補償制度
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協定・法律等 |
SPS協定(世界貿易機関) - OIEコード(国際獣疫事務局) - 家畜伝染病予防法(農水省) - 狂犬病予防法(厚労省) - 口蹄疫対策特別措置法 -Category:畜産関連法規
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国際獣疫事務局 リスト疾病 |
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複数種 |
炭疽症 - オーエスキー病 - ブルータング - ブルセラ症 - クリミア・コンゴ出血熱 - エキノコックス症 - 口蹄疫 - 心水病 - 日本脳炎 - レプトスピラ症 - 新世界ラセンウジバエ - 旧世界ラセンウジバエ - ヨーネ病 - Q熱 - 狂犬病 - リフトバレー熱 - 牛疫 - 旋毛虫症 - 野兎病 - 水胞性口炎 - 西ナイル熱
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ウシ |
アナプラズマ病 - バベシア症 - 牛疫 - 牛海綿状脳症 - 結核 - 牛ウイルス性下痢 - 牛肺疫 - 牛白血病 - 出血性敗血症 - 牛伝染性鼻気管炎 - 皮膚病 - 悪性カタル熱 - タイレリア症 - トリコモナス病 - ナガナ病
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ヒツジ、ヤギ |
山羊関節炎・脳脊髄炎 - 伝染性無乳症 - 山羊伝染性胸膜肺炎 - 流行性羊流産 - 羊慢性進行性肺炎 - ナイロビ羊病 - 緬羊ブルセラオビス - 小反芻獣疫 - サルモネラ症 - スクレイピー - 羊痘/山羊痘
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ウマ |
アフリカ馬疫 - 馬伝染性子宮炎 - 媾疫 - 東部馬脳炎 - 西部馬脳炎 - 馬伝染性貧血 - 馬インフルエンザ - 馬ピロプラズマ病 - 馬鼻肺炎 - 馬ウイルス性動脈炎 - 鼻疽 - スーラ病 - ベネズエラ馬脳脊髄炎
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ブタ |
アフリカ豚コレラ - 豚コレラ - ニパウイルス感染症 - エキノコックス症 - 豚繁殖・呼吸障害症候群 - 豚水胞病 - 伝染性胃腸炎
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トリ |
クラミジア - 鶏伝染性気管支炎 - 鶏伝染性喉頭気管炎 - 鶏マイコプラズマ病 - あひる肝炎 - 家禽コレラ - 家禽チフス - 鳥インフルエンザ - 伝染性ファブリキウス囊病 - マレック病 - ニューカッスル病 - ひな白痢 - 七面鳥鼻気管炎
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ウサギ |
兎粘液腫 - ウサギ出血病
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ハチ |
アカリンダニ症 - アメリカ腐蛆病 - ヨーロッパ腐蛆病 - スモール・ハイブ・ビートル症 - ミツバチトゲダニ症 - バロア病
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魚類 |
伝染性造血器壊死症 - 伝染性造血器壊死症 - コイ春ウイルス病 - ウイルス性出血性敗血症 - 伝染性膵臓壊死症 - 伝染性サケ貧血 - 流行性潰瘍症候群 - 細菌性腎臓病 - ギロダクチルス症 - マダイイリドウイルス病
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軟体動物 |
Bonamia ostreae感染症 - Bonamia exitiosus感染症 - Marteilia refringens感染症 - Mikrocytos roughleyi感染症 - Perkinsus marinus感染症 - Perkinsus olseni感染症 - Xenohaliotis californiensis感染症
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甲殻類 |
タウラ症候群 - 白点病 - イエローヘッド病 - バキュロウイルス・ペナエイによる感染症 - モノドン型バキュロウイルスによる感染症 - 伝染性皮下造血器壊死症 - ザリガニ病
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その他 |
ラクダ痘 - リーシュマニア症
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家畜伝染病予防法上の監視伝染病 |
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法定伝染病 |
牛疫 - 牛肺疫 - 口蹄疫 - 日本脳炎 - 狂犬病 - 水胞性口炎 - リフトバレー熱 - 炭疽症 - 出血性敗血症 - ブルセラ症 - 結核病 - ヨーネ病 - ピロプラズマ症 - アナプラズマ病 - 牛海綿状脳症 - 鼻疽 - 馬伝染性貧血 - アフリカ馬疫 - 豚コレラ - アフリカ豚コレラ - 豚水胞病 - 家きんコレラ - 高病原性鳥インフルエンザ - ニューカッスル病 - 家きんサルモネラ感染症 - 腐蛆病
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届出伝染病 |
ブルータング - アカバネ病 - 悪性カタル熱 - チュウザン病 - ランピースキン病 - 牛ウイルス性下痢・粘膜病 - 牛伝染性鼻気管炎 - 牛白血病 - アイノウイルス感染症 - イバラキ病 - 牛丘疹性口炎 - 牛流行熱 - 類鼻疽 - 破傷風 - 気腫疽 - レプトスピラ症 - サルモネラ症 - 牛カンピロバクター症 - トリパノソーマ病 - トリコモナス病 - ネオスポラ症 - 牛バエ幼虫症 - ニパウイルス感染症 - 馬インフルエンザ - 馬ウイルス性動脈炎 - 馬鼻肺炎 - 馬モルビリウイルス肺炎 - 馬痘 - 野兎病 - 馬伝染性子宮炎 - 馬パラチフス - 仮性皮疽 - 小反芻獣疫 - 伝染性膿疱性皮膚炎 - ナイロビ羊病 - 羊痘 - マエディ・ビスナ - 伝染性無乳症 - 流行性羊流産 - トキソプラズマ病 - 疥癬 - 山羊痘 - 山羊関節炎・脳脊髄炎 - 山羊伝染性胸膜肺炎 - オーエスキー病 - 伝染性胃腸炎 - 豚エンテロウイルス性脳脊髄炎 - 豚繁殖・呼吸障害症候群 - 豚水疱疹 - 豚流行性下痢 - 萎縮性鼻炎 - 豚丹毒 - 豚赤痢 - 鳥インフルエンザ - 鶏痘 - マレック病 - 伝染性気管支炎 - 伝染性喉頭気管炎 - 伝染性ファブリキウス嚢病 - 鶏白血病 - 鶏結核病 - 鶏マイコプラズマ病 - ロイコチトゾーン病 - あひる肝炎 - あひるウイルス性腸炎 - 兎ウイルス性出血病 - 兎粘液腫 - バロア病 - チョーク病 - アカリンダニ症 - ノゼマ病
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- 動物の感染症から学ぶ(20)ヨーネ病--世界中に蔓延するウシの抗酸菌感染症
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- 2.疫学. わが国でも近年、本症の摘発頭数が増加する傾向にある。感染経路は経口 感染が主であり、感染母牛から子牛への感染が伝播経路として重要である。同居牛へ の水平感染や母牛が重度のヨーネ病に罹患している場合は、胎児への胎盤感染も 起こる。
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