- 英
- merozoite, merozoites
- 同
- 娘虫体
- 関
- 多数分裂
WordNet
- a cell that arises from the asexual division of a parent sporozoan during its life cycle
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/29 15:32:50」(JST)
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メロゴニー(英: merogony)は単細胞寄生生物の生殖相の1つで、無性生殖により細胞数を増やす過程。メロゴニーを行う細胞をメロント(meront)、メロゴニーの結果生じる娘細胞をメロゾイト(娘虫体、merozoite)という。一般的に、生じたメロゾイトは再びメロゴニーを行うことができ、初代メロント、初代メロゾイト、第2代メロント、第2代メロゾイト、のように呼ぶ。かつての胞子虫について使われた用語であり、現在はアピコンプレックス門、ミクソゾア、微胞子虫などについて使われている。
アピコンプレックス門
メロゴニーを行う際の具体的な分裂様式として、アピコンプレックス門ではシゾゴニー、内生二分裂、内生多分裂などが存在する[1][2]。
- 内生二分裂(endodyogeny)
- DNA複製、閉鎖型の有糸分裂、娘細胞形成が順次行われる。真核生物一般に見られる体細胞分裂との違いは、細胞質を2分割するのではなく、細胞質中に娘細胞を組み立て母細胞は破壊される点である。
- 内生多分裂(endopolygeny)
- 内生二分裂と同様に細胞質中に娘細胞を組み立てるが、同時に多くの娘細胞が生じる点が異なる。娘細胞形成に先だってDNA複製が複数回行われており、細胞核の分裂が起き多核体となる場合(トキソプラズマ)と細胞核が分裂せず多倍数性となる場合(肉胞子虫)がある。
- シゾゴニー(schizogony)
- DNA複製と閉鎖型の有糸分裂を複数回繰り返して多核体となったあと、同時に娘細胞形成が行われる。細胞質を共有しているにもかかわらず、それぞれの核は自律的非同期的に分裂を行う。そのため生じる娘細胞の数は2のべき乗とは限らない。娘細胞は母細胞の表層で組み立てられ出芽する。
このうちシゾゴニーが最も一般的であることから、メロゴニーと呼ぶべき所をシゾゴニーと呼び、したがってメロントに相当するものをシゾント(schizont)と呼ぶ場合がある。しかしメロゴニー以外にガメトゴニーやスポロゴニーでも分裂様式はシゾゴニーである場合があり、生殖相と分裂様式を混同すべきでない。
アピコンプレックス門の標準的な生活環では、オーシストまたはその中のスポロゾイトが宿主体内に入ると、スポロゾイトが細胞に侵入しメロゴニーを行って個体数を増やす。アイメリア科の場合は小腸上皮細胞が標的となり、その結果下痢などを引き起こす。マラリア原虫の場合はまず肝細胞でメロゴニーを行い、続いて赤血球が標的となり発熱や貧血を引き起こすことになる。いずれの場合も、メロゴニーの結果として宿主細胞が破壊されることが直接の原因である。
参考文献
- ^ Striepen B, et al. (2007). "Building the perfect parasite: cell division in Apicomplexa.". PLoS pathog. 3 (6): e78. doi:10.1371/journal.ppat.0030078.
- ^ Ferguson, DJP, et al. (2007). "Enzymes of type II fatty acid synthesis and apicoplast differentiation and division in Eimeria tenella". Int. J. Parasitol. 37 (1): 33–51. doi:10.1016/j.ijpara.2006.10.003.
関連項目
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Japanese Journal
- 初生雛の実験的結膜クリプトスポリジウム症 (日本産業動物獣医学会会誌)
- 松田 紫恵,御領 政信,岡田 幸助
- 日本獣医師会雑誌 60(12), 858-862, 2007-12
- … 糞便由来オーシストを含まないB群において、I群よりも迅速にCr寄生が成立したことから、結膜Cr症には自家感染性を有するスポロゾイトおよびメロゾイトが重要であると推測された。 …
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- 2種の日本産ヤマネコにおけるへパトゾーン症(寄生虫病学)
- 久保 正仁,三好 宣彰,安田 宣紘
- The journal of veterinary medical science 68(8), 833-837, 2006-08-25
- … 察された.寄生形態はシゾントであり,さまざまな発育段階のものが観察された.シゾントとメロゾイトの大きさはそれぞれ22.3±3.1×15.3±2.2μmと6.1±0.6×2.3±0.2μmであった.原虫に対する炎症反応はわずかであった.電顕的に原虫は未同定の宿主細胞のparasitophorous vacuole内に位置しており,成熟シゾントは多数のメロゾイトから構成されていた.本研究は日本のネコ科動物におけるヘパトゾーン症の報告としては …
- NAID 110004814821
- マウス寄生Eimeria krijgsmanniの生活史(寄生虫病学)
- 松井 利博,藤野 隆志,小林 富美恵,森田 達志,今井 壮一
- The journal of veterinary medical science 68(4), 331-336, 2006-04-25
- … した.10^3個またはそれ以上のオーシストを経口投与したマウスでは上記症状が5日目から出現し,10^5個投与マウスでは5頭中4頭が9〜10日目に死亡した.原虫はマウスの盲腸,結腸,直腸の粘膜上皮細胞に寄生していた.スポロゾイトは1〜2日目に認められ,2個の大きなrefractile bodyが核の両サイドに存在した.メロゾイトは24時間後に,有性生殖体は4日目に最初に検出された.原虫は小腸と腸管膜リンパ節からは全く検出されなかった. …
- NAID 110004758085
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- 英
- merozoite surface protein 1、MSP-1、MSA-1