- 英
- Marburg virus disease
- 関
- マールブルグ病、Marburg病
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/14 11:42:42」(JST)
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マールブルグウイルス |
|
分類(ウイルス) |
群 |
: |
第5群(1本鎖RNA -鎖) |
目 |
: |
モノネガウイルス目
Mononegavirales |
科 |
: |
フィロウイルス科
Filoviridae |
属 |
: |
マールブルグウイルス属
Marburgvirus |
|
種 |
|
マールブルグ熱 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
A98.3 |
ICD-9 |
078.89 |
DiseasesDB |
7835 |
eMedicine |
ped/2406 |
MeSH |
C02.782.417.560 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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マールブルグ熱(マールブルグねつ)とはフィロウイルス科のマールブルグウイルスを原因とする人獣共通感染症。同義語としてマールブルグ出血熱(Marburg hemorrhagic fever)、マールブルグ病(Marburg disease)、ミドリザル出血熱(Vervet monkey hemorrhagic fever)。患者と接触した医療関係者や家族は、接触の程度により一定期間の監視が行われる。[1]
目次
- 1 歴史
- 2 病原体
- 3 疫学
- 4 症状
- 5 診断
- 6 治療法
- 7 法律
- 8 関連項目
- 9 脚注
- 10 外部リンク
歴史[編集]
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1967年、西ドイツのマールブルクとフランクフルト、ユーゴスラビアのベオグラードにポリオワクチン製造・実験用としてウガンダから輸入されたアフリカミドリザルにかかわった研究職員や清掃員など25名が突如発熱、うち7名が死亡するという衝撃的事件が発生。原因はマールブルグウイルスというこれまでに知られていないウイルスによる出血性感染症であった。その後も中央アフリカで散発的な発生が見られているが、エボラ出血熱ほど急激に感染を拡大するウイルスではないようだ。しかし、2005年4月にアンゴラで大量に感染者が続出し300名前後が死亡したため「散発的な感染しかない」という点について疑問が出てきている。
- 1967年:西ドイツ、ユーゴスラビア 32人感染、7人死亡
- 1975年:南アフリカ(ヨハネスブルグ)(ジンバブエで発生 3人感染、1人死亡)
- 1980年:ケニア 2人感染、1人死亡
- 1987年:ケニア(オランダ人の少年)1人感染、1人死亡
- 1998 - 2000年:コンゴ民主共和国(金鉱労働者中心)154人感染、128人死亡
- 2004 - 2005年:アンゴラのウィジェ州 277人死亡
- 2012年:ウガンダ、4人死亡
病原体[編集]
フィロウイルス科マールブルグウイルスによる。エボラウイルスもフィロウイルス科(Filoviridae)。1本鎖RNAウイルス。エボラウイルスと電子顕微鏡上の外見は非常に似ている。野生動物のサル、コウモリ、鳥類からの空気感染、飛沫感染は否定できないが確認もされていない。
病原体を扱うには、P4レベル(近年ではBSL-4と呼ばれる)の施設で行う必要がある。
疫学[編集]
自然界での宿主は不明。アフリカ中東南部に散発的に発生する。ただし、最近のアフリカでは大量発生しているのが現状である。感染方法は、感染者や患者の血液、体液、分泌物、排泄物などとの接触による物と考えられる。感染の防護対策は手袋等で良いとされ、空気感染はないとされる。感染者に対する発症者の割合は不明。症状は軽快しても、症状軽快後、精液、前眼房水等からウイルスが分離。[1]
症状[編集]
潜伏期間は3~10日、発症は突然。診断する上で皮膚粘膜発疹は重要な症状。[1]
- 初期症状 全身倦怠感、発熱、頭痛、嘔吐、下痢、筋肉痛、皮膚粘膜発疹、咽頭痛
- 1~2日後 吐血、下血、水様性下痢。
- 5~7日後 臀部、上肢外側に暗赤色丘疹が出現。
- 最終的にはDIC、ショックに至る。
診断[編集]
P4レベルの施設で、血液などの検体からPCR、ELISA、免疫抗体法など
治療法[編集]
対症療法のみ。ワクチンはない。
法律[編集]
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の一類感染症で、診断した医師は直ちに最寄りの保健所長を経由して知事に届け出なければならない。また、サル類のマールブルグ熱は指定動物・指定感染症となっており、獣医師は届出義務を負っている。
関連項目[編集]
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ウィキメディア・コモンズには、マールブルグ熱に関連するメディアがあります。 |
脚注[編集]
- ^ a b c マールブルグ病 国立感染症研究所 感染症情報センター
外部リンク[編集]
- マールブルグ病(国立感染症研究所 感染症情報センター)
- 出血熱 メルクマニュアル家庭版
日本の感染症法における感染症 |
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一類感染症 |
エボラ出血熱 - クリミア・コンゴ出血熱 - 痘そう - 南米出血熱 - ペスト - マールブルグ病 - ラッサ熱
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二類感染症 |
急性灰白髄炎 - 結核 - ジフテリア - 重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る) - 鳥インフルエンザ(H5N1)
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三類感染症 |
コレラ - 細菌性赤痢 - 腸管出血性大腸菌感染症 - 腸チフス - パラチフス
|
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四類感染症 |
E型肝炎 - ウエストナイル熱 - A型肝炎 - エキノコックス症 - 黄熱 - オウム病 - オムスク出血熱 - 回帰熱 - キャサヌル森林病 - Q熱 - 狂犬病 - コクシジオイデス症 - サル痘 - 腎症候性出血熱 - 西部ウマ脳炎 - ダニ媒介脳炎 - 炭疽 - チクングニア熱 - つつが虫病 - デング熱 - 東部ウマ脳炎 - 鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く) - ニパウイルス感染症 - 日本紅斑熱 - 日本脳炎 - ハンタウイルス - Bウイルス病 - 鼻疽 - ブルセラ症 - ベネズエラウマ脳炎 - ヘンドラウイルス感染症 - 発しんチフス - ボツリヌス症 - マラリア - 野兎病 - ライム病 - リッサウイルス感染症 - リフトバレー熱 - 類鼻疽 - レジオネラ症 - レプトスピラ症 - ロッキー山紅斑熱 - 重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る)
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五類感染症 |
アメーバ赤痢 - ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く) - 急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く) - クリプトスポリジウム症 - クロイツフェルト・ヤコブ病 - 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 - 後天性免疫不全症候群 - ジアルジア症 - 先天性風しん症候群 - 梅毒 - 破傷風 - バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - バンコマイシン耐性腸球菌感染症 - 風しん - 麻しん - 侵襲性インフルエンザ菌感染症 - 侵襲性髄膜炎菌感染症 - 侵襲性肺炎球菌感染症 - RSウイルス感染症 - 咽頭結膜熱 - A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 - 感染性胃腸炎 - 水痘 - 手足口病 - 伝染性紅斑 - 突発性発しん - 百日咳 - ヘルパンギーナ - 流行性耳下腺炎 - インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く) - 急性出血性結膜炎 - 流行性角結膜炎 - 性器クラミジア感染症 - 性器ヘルペスウイルス感染症 - 尖圭コンジローマ - 淋菌感染症 - クラミジア肺炎(オウム病を除く) - 細菌性髄膜炎 - マイコプラズマ肺炎 - 無菌性髄膜炎 - ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 - メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - 薬剤耐性アシネトバクター感染症 - 薬剤耐性緑膿菌感染症
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- マールブルグ病について紹介しています。 ... (1) 定義 マールブルグウイルス(フィロウイルス科)による熱性疾患である。 (2) 臨床的特徴 潜伏期間は3~10日間である。
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