- 英
- propagermanium
- 商
- セロシオン、セロシオンカプセル
- 関
- 肝臓疾患用剤、ゲルマニウム
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/23 22:20:24」(JST)
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プロパゲルマニウム |
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IUPAC名
3-[(2-Carboxyethyl-oxogermyl)oxy-oxogermyl]propanoic acid
|
別称
proxigermanium, Ge-132, germanium sesquioxide, 2-carboxyethylgermasesquioxane, SK-818, bis(2-carboxyethylgermanium) sesquioxide
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
12758-40-6 |
PubChem |
83030 |
- C(C[Ge](=O)O[Ge](=O)CCC(=O)O)C(=O)O
|
特性 |
化学式 |
C6H10O7Ge2 |
モル質量 |
339.4222 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
プロパゲルマニウム(Propagermanium)は、ビス(2-カルボキシエチルゲルマニウム)三二酸化物 又は 2-カルボキシエチルゲルマン三二酸化物 とも呼ばれるゲルマニウム含有有機化合物である[1]。
効能・効果
B型慢性肝炎の補完代替治療として用いられる。ウイルス感染防御作用及び免疫賦活作用を有する[2]。日本での効能・効果は「HBe抗原陽性B型慢性肝炎におけるウイルスマーカーの改善」である。FBXW7蛋白質に働き掛け、癌の転移を抑制することが動物実験で確かめられた[3][4]。
参考資料
- ^ M.P. Egorov, P.P. Gaspar (1994), Germanium: Organometallic chemistry in Encyclopedia of Inorganic Chemistry. John Wiley & Sons ISBN 0-471-93620-0
- ^ “セロシオンカプセル10 添付文書”. 2015年1月6日閲覧。
- ^ “F-box protein FBXW7 inhibits cancer metastasis in a non-cell-autonomous manner” (2015年1月2日). 2015年1月6日閲覧。
- ^ “既存薬でがん転移抑制 九大教授ら、マウス実験で確認” (2015年1月3日). 2015年1月6日閲覧。
Japanese Journal
- 経口B型慢性肝炎治療剤プロパゲルマニウム propagermanium
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
セロシオンカプセル10
組成
- セロシオンカプセル10は、1カプセル中にプロパゲルマニウム10mgを含有する製剤である。
添加物
- ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、乳糖水和物、及びカプセル本体にラウリル硫酸Naを含有する。
禁忌
- 黄疸のある患者[B型慢性肝炎が重症化することがある。]
- 肝硬変の患者、あるいは肝硬変の疑われる患者[B型慢性肝炎が重症化することがある。]
- 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- HBe抗原陽性B型慢性肝炎におけるウイルスマーカーの改善
- 通常成人には、プロパゲルマニウムとして、1日30mgを3回に分けて、毎食後に経口投与する。
- 投与開始16週目に、ウイルスマーカー(HBe抗原等)を含めた臨床検査を実施し、ウイルスマーカーの改善がみられなかった場合には、他の療法を考慮すること。
慎重投与
- 薬剤過敏症の既往歴のある患者
- 重篤な腎障害のある患者[本剤は、主として腎臓から排泄され、また、腎不全(片腎摘出)モデルラットにおいて血中濃度が上昇するとの報告がある。]
- 黄疸の既往歴のある患者[B型慢性肝炎の急性増悪等があらわれることがある。]
- インターフェロン投与終了直後の患者[インターフェロン投与終了後にはウイルス量の増加、肝機能の悪化が起こることがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
B型慢性肝炎の急性増悪
- 黄疸や著しいトランスアミナーゼの上昇を伴う重篤な肝機能障害、肝不全があらわれることがあるので、定期的に(特に投与開始直後は2、4、6週)肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
ウイルス感染防御作用(in vivo)
- 単純へルペスII型ウイルス感染マウスの死亡率を低減させた10)。
- ワクシニアウイルス感染マウスに発現するポック数を抑制した11)。
免疫賦活作用
細胞性免疫及び液性免疫賦活作用(in vivo)12〜14)
- 免疫能低下マウスの遅延型過敏症反応や抗体産生増強作用が認められた。
T細胞賦活作用(in vitro)12、15、16)
- コンカナバリンA(ConA)によるマウスリンパ球、ConA及びフィトヘマグルチニン−P(PHA-P)によるヒトリンパ球幼若化反応の促進作用が認められた。
細胞障害性T細胞(Tc細胞)誘導作用
- マウスのアロジェニックTc細胞及びウイルス特異的Tc細胞の誘導を促進した。(in vivo)17、18)
マウス及びヒトのマクロファージにおけるIL-1産生(in vitro)、マウスにおけるIL-2産生(in vitro)及びIFN-γ産生(in vivo)増強作用が認められた15、17、19〜21)。
NK細胞活性化作用(in vivo)17)
IFN産生増強作用
- インフルエンザウイルス感染マウスのIFN-α/β産生増強作用が認められた。(in vivo)20)
インフルエンザウイルスを感染させたヒト末梢血リンパ球におけるIFN産生増強作用が認められた。(in vitro)22)
肝障害に対する作用(in vivo)23)
- マウス又はラットを用いた試験で四塩化炭素、ガラクトサミン等による急性肝障害に対して血清トランスアミナーゼの上昇を抑制した。
作用機序
- プロパゲルマニウムは、IL-1、IL-2、IFN-γ産生増強等により細胞障害性T細胞、NK細胞を賦活化し、ウイルス感染細胞を破壊する。また、抗体産生能増強によりウイルス関連抗原の排除を促す。更に、IFN-α/β産生増強により、ウイルスの増殖を抑制する。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
融点
性状
- プロパゲルマニウムは、白色の結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに酸味がある。
水に溶けにくく、エタノール(95)、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン又はヘキサンにほとんど溶けない。0.02mol/L水酸化ナトリウム液に溶ける。
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