出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/27 05:24:50」(JST)
スイスの精神科医については「オイゲン・ブロイラー」をご覧ください。 |
ブロイラー(英語: broiler)は、肉鶏の一品種。短期間で急速に成長させる狙いで作られた品種である。食肉専用・大量飼育用の雑種鶏の総称。具体的品種としてはチャンキー、コッブ、アーバーエーカなどが主なものとなる。生育がとても早く、数週間で最大2kg前後の肉が取れることで知られている。
ブロイラーは徹底した育種改良の研究により、過去50年間で、成長率が1日25gから100gへとあがっている。自然界の鶏は成鶏に達するのに4〜5か月かかるところをブロイラーは40〜50日で成鶏に達する。その急激な成長によりブロイラーの30%近くは体を支えることが難しく歩行困難となり、3%はほとんど歩行不能となっている。なお心臓にも負担がかかり、100羽に1羽は心臓疾患で死亡する[1]。
もともとはアメリカの食鶏規格の用語で、孵化後2か月半(8-12週齢)以内の若鶏の呼称である。ブロイル(broil)とは、オーブンなどで丸ごと炙り焼きすることの意味で、ブロイルして売るのに適した大きさの鶏であるためこう呼ばれた。日本には第二次世界大戦後にくいだおれ創業者の山田六郎によってアメリカから導入された。
毎年、日本では6億羽のブロイラーが出荷されている。
日本の採卵用鶏の養鶏方法の95%がバタリーケージ(ワイヤーでできたケージの中へ鶏を収容し、それを何段かに重ねて飼育する方式)であるが、肉用鶏のブロイラー養鶏は99.9%が平飼いである。ブロイラーはオールイン・オールアウトといって、同一の鶏舎には同じ孵化日の雛(採卵鶏と違い雛の雌雄鑑別は行われない)だけを入れ(オールイン)、これを育ててすべて出荷する(オールアウト)方法が主流である[2]。
経済性を追求するために、合理化された大規模な密閉型の鶏舎の中に収容され、通常他の生産システムより高い飼養密度で飼養されている。年々ブロイラーの飼養戸数が減少を続けているのに対し、1戸当たりの飼養羽数は着実に増加しており[3]、一般的に1m2当たり16羽前後の過密飼いとなっている。
徹底した除糞・殺虫・水洗・消毒が行われた鶏舎へ、購入した雛が入れられる。(雌雄別飼方法と混飼方法とがある)
雛は羽毛の発達が未完成で、放熱されやすいため寒さに弱い。その一方で、鶏には汗腺が殆どなく呼吸によって体熱を放散させるため、高温下に長時間置かれると過呼吸となり熱射病になる。特にブロイラーは短期間で大型に成長するよう改良されていることや、高密度での飼養によって床面付近の温度が上昇しやすいことなどから熱射病にかかりやすい。
鶏は気嚢を持っており、その大きさは成鶏で肺の約9倍あり、酸素消費量は豚・牛と比べて3倍以上である。そのため有害物質(鶏の排泄物から発生したアンモニアなど)の鶏舎内での滞留は鶏の健康に悪影響を及ぼす。
照明時間を長くすることで、摂食行動を活発にさせ増体を促進させる、また雛に飼料や給水器の場所を覚えさせるためなどに、24時間点灯、夜間点灯、23時間点灯・1時間消灯などの光線管理が行われる。日本のブロイラー養鶏では約90%が光線管理を行っており[4]、一般的に暗期の設定は行われていない。
生後51〜55日、体重2.5〜3㎏で出荷される。
ブロイラーの飼養管理に関するアニマルウェルフェア(動物福祉)規則としては以下のものがある。
なおEUのイギリスなどでは、過密飼育に対し最大密度を設けているが、ゆるいガイドラインであり、実質的に機能していない場合もある[1]。
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