会社名
大塚製薬
成分
薬効分類
抗パーキンソン剤(パーキンソン病用薬)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- エキセナチド(バイエッタ)と持続性エキセナチド(ビデュリオン) (特集 インクレチン関連薬による糖尿病治療の新時代) -- (インクレチン関連薬の臨床)
- 坂田 道教,植木 浩二郎
- 成人病と生活習慣病 : 日本成人病(生活習慣病)学会準機関誌 43(12), 1495-1499, 2013-12
- NAID 40019935617
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ビデュリオン皮下注用2mg
組成
- 本剤は専用懸濁用液で用時懸濁して用いる注射剤であり、それぞれ下記の成分・分量を含有する。
販売名
成分・含量注)(1バイアル中)
添加物(1バイアル中)
- d,l-ラクチド・グリコリド共重合体(50:50) 48.4mg
精製白糖 1.0mg
性状
剤形
注)本剤1バイアルに添付専用懸濁用液を加え懸濁した薬液を投与する場合、投与される薬液はエキセナチドとして2mgを含む。
専用懸濁用液(0.75mL)
添加物(1シリンジ中)
- カルメロースナトリウム 23mg
塩化ナトリウム 5.0mg
ポリソルベート20 0.77mg
リン酸二水素ナトリウム一水和物 0.74mg
リン酸一水素ナトリウム・七水和物 0.62mg
性状
剤形
pH
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリン製剤による速やかな高血糖の治療が必須となるので、本剤の投与は適さない。]
- 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない。]
- 透析患者を含む重度腎機能障害のある患者[本剤の消化器系副作用により忍容性が認められていない。](「薬物動態」の項参照)
効能または効果
- 2型糖尿病
- ただし、食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤及びチアゾリジン系薬剤(各薬剤単独療法又は併用療法を含む)による治療で十分な効果が得られない場合に限る。
- 本剤は、食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤の各薬剤の単独療法、又はスルホニルウレア剤とビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤とチアゾリジン系薬剤、ビグアナイド系薬剤とチアゾリジン系薬剤との併用療法を行っても十分な効果が得られない場合に限り適用を考慮すること。
- 通常、成人には、エキセナチドとして、2mgを週に1回、皮下注射する。
慎重投与
- 糖尿病胃不全麻痺等の重度の胃腸障害のある患者[十分な使用経験がなく、これらの症状が悪化するおそれがある。]
- 中等度又は軽度の腎機能障害のある患者[十分な使用経験がない。](「薬物動態」の項参照)
- 肝機能障害のある患者[十分な使用経験がない。]
- 膵炎の既往歴のある患者(「副作用」の項参照)
- 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者[腸閉塞を起こすおそれがある。](「副作用」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」、「薬物動態」の項参照)
- 次に掲げる患者又は状態[低血糖を起こすおそれがある。]
- 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
- 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
- 激しい筋肉運動
- 過度のアルコール摂取者
重大な副作用
- 低血糖:低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常等)を起こすことがある。低血糖症状が認められた場合、本剤あるいは併用している経口糖尿病用薬を一時的に中止するか、あるいは減量するなど慎重に投与すること。特にスルホニルウレア剤との併用により、多く発現することが報告されている。(「臨床成績」の項参照)また、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤で、スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されていることから、スルホニルウレア剤と併用する場合には、スルホニルウレア剤の減量を検討すること。低血糖症状が認められた場合には通常ショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。
- 腎不全:腎不全が報告されているので、患者の状態を注意深く観察しながら投与すること。特に、腎障害が知られている薬剤を使用している患者又は脱水状態に至る悪心・嘔吐・下痢等の症状のある患者において、急性腎不全、慢性腎不全の悪化、クレアチニン上昇、腎機能障害があらわれ透析を必要とする例が報告されている。このような場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 急性膵炎(0.2%):急性膵炎があらわれることがあるので、急性膵炎に特徴的な症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、膵炎と診断された場合には、本剤を再投与しないこと。非常にまれであるが、壊死性又は出血性膵炎あるいは死亡に至るなどの致命的な経過をたどった症例が報告されている。
- アナフィラキシー反応、血管浮腫:アナフィラキシー反応、血管浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 腸閉塞:腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- 本剤の有効成分であるエキセナチドは化学合成されたペプチドで、トカゲ(Heloderma Suspectum)由来のエキセンディン-4(Exendin-4)と同じ39個のアミノ酸配列を有し、そのN末端配列がヒトGLP-1と異なることから、内因性ペプチド分解酵素であるジペプチジルペプチダーゼ-4による分解に抵抗性を示し、作用が持続する。本剤は、このエキセナチドを生分解性のd,l-ラクチド・グリコリド共重合体(50:50)(PLGA)のマイクロ粒子内に包埋することにより、1週間に1回の皮下投与で、エキセナチドを1日2回皮下投与する製剤(バイエッタ皮下注)と同様な効果を示すよう設計された徐放性製剤である。
GLP-1受容体アゴニスト作用
- エキセナチドは、in vitro試験において内因性GLP-1と同様にGLP-1受容体に結合し、細胞内cAMPを増加させるGLP-1アゴニスト活性を示した22)。
血糖上昇抑制作用
血糖降下作用
- 日本人2型糖尿病患者を対象とした10週間の試験において、0.8注)及び2.0mgの本剤を週1回反復皮下投与した。投与開始時(ベースライン)から投与10週時までのHbA1c変化量(平均値±標準偏差)は、プラセボ群で-0.4±0.3%、本剤0.8mg注)群で-1.0±0.7%、本剤2.0mg群で-1.5±0.7%であった。空腹時血糖値変化量(平均値±標準偏差)は、プラセボ群で-20.5±20.4mg/dL、本剤0.8mg注)群で-25.2±10.9mg/dL、本剤2.0mg群で-50.8±27.8mg/dLであった。また、食事負荷試験の結果、食後2時間の血糖値の変化量(平均値±標準偏差)は、プラセボ群で-8.8±26.9mg/dL、本剤0.8mg注)群で-50.0±41.1mg/dL、本剤2.0mg群で-59.7±26.8mg/dLであった7)。
- 糖尿病モデルであるZDFラット(Zucker diabetic fatty (ZDF)/GmiTM- (fa/fa))を用いた単回皮下投与試験において、本剤は1カ月後の空腹時血糖値及びHbA1cを溶媒対照群に比し有意に改善し、本剤の作用が持続することが確認された23)。
グルコース依存性血糖降下作用
- 糖尿病疾患モデルマウス(db/db及びob/ob)を用いたin vivo試験において、エキセナチドは血糖降下作用を示し、血中グルコース濃度の投与前値と投与前後の変化量に相関が認められた24)。
グルコース応答性インスリン分泌作用
- ラット膵島細胞を用いたin vitroインスリン分泌能試験において、エキセナチドは低グルコースレベルでは作用を示さず、高グルコースレベルで認められるインスリン分泌を増強した25)。また、糖尿病モデルラットを用いたin vivo反復投与試験において、エキセナチドは摂餌量を同等にした対照群に比し膵β細胞重量に有意な変化を示さなかったが、インスリン感受性を有意に改善し、膵β細胞重量とインスリン感受性との積(インスリン感受性で補正した膵β細胞量)を有意に増加した26)。更に糖尿病モデルラットを用いたin vivo反復投与試験において、エキセナチドは溶媒対照群に比し、血漿中Cペプチドを有意に増加した27)。同様に、ZDFラットを用いた本剤の単回投与試験において、投与1カ月後でもインスリン感受性の改善及び血漿中Cペプチドの増加が確認された28)。
グルカゴン分泌抑制作用
- ラットを用いたin vivo高血糖クランプ試験において、エキセナチドは溶媒対照群に比し、グルカゴン分泌を有意に抑制した29)。
胃内容物排出遅延作用
- ラットを用いたin vivo胃内容物排出試験において、エキセナチドは用量に依存した胃内容物排出遅延作用を示した30)。
体重減少作用
- ラットを用いたin vivo反復投与試験において、エキセナチドは摂餌量を抑制し、溶媒投与群に比し有意な体重減少を示した26)。ZDFラットを用いた本剤の単回投与試験においても用量依存的に摂餌量は低下し、投与10日後での体重減少が確認された23)。
インスリン抵抗性改善作用
- ラットにエキセナチドを反復投与した後に実施したin vivo正常血糖高インスリンクランプ試験において、エキセナチドはグルコース注入速度/血漿中インスリン濃度比を溶媒対照群に比し有意に上昇させ、インスリン抵抗性改善作用を示した26)。同様な作用は、ZDFラットを用いた本剤の単回投与試験において、投与1カ月後でも確認された23)。
- 注)本剤の承認された用法・用量は、エキセナチドとして、2mgを週に1回皮下投与である。(「用法・用量」の項参照)
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:エキセナチド(JAN)
- Exenatide
- 分子式:C184H282N50O60S
- 分子量:4186.57
- 構造式:
- 性 状:本品は白色の粉末である。水に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。