出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/25 22:17:16」(JST)
NTCサーミスタ ビーズ型、絶縁電線
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種類 | 受動素子 |
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動作原理 | 電気抵抗 |
電気用図記号 | |
サーミスタ 記号 |
サーミスタ(thermistor)とは、温度変化に対して電気抵抗の変化の大きい抵抗体のことである。この現象を利用し、温度を測定するセンサとしても利用される。センサとしてはふつう-50℃から150℃くらいまでの測定に用いられる。
特性によって次の3つに分類される。
NTCサーミスタは温度の上昇に対してゆるやかに抵抗が減少するサーミスタである。温度と抵抗値の関係が簡単な近似式で表されるため、最も使われている。 温度検出用センサとしての利用の他、電源回路の突入電流減少用としても使われる。
ニッケル、マンガン、コバルト、鉄などの酸化物を混合して焼結したものである。
PTCサーミスタはある温度をこえると温度の上昇に対して急激に抵抗が増大するサーミスタである。 温度センサーのほか、電流を流すと自己発熱によって抵抗が増大し、電流が流れにくくなる性質を利用して電流制限素子として用いられる。また、ヒューズを置き換える回路保護素子として利用される。
チタン酸バリウムに添加物を加えたセラミックを用いたもの。チタン酸バリウムのキュリー温度付近で急激に電気抵抗が増大する性質を利用している。
電流を流し続けると自己発熱によって電流が流れにくくなり、一定の温度を保つようになるため半田ごて等のヒーターとしても用いられる。
低融点のポリマー中にカーボンブラック、ニッケル等の導電性粒子を分散させたもの。ポリマーが溶融することによって導電性粉末の接触が絶たれ電気抵抗が増大する。ポリエチレンなどの結晶性ポリマーにカーボンブラックなどの導電性粒子を均一に分散させることで良好なPTC特性を得ることができる。ポリスイッチとして電気製品の保護回路やリチウムイオン二次電池等の保護素子として使用される。また、電気カーペット等で過熱を防ぎ、温度を一定に維持する目的でも使用される。
CTRサーミスタは、PTCサーミスタとは逆に、ある温度をこえると急激に抵抗が減少するサーミスタである。 バナジウムの酸化物に添加物を加えて焼結したものである。
サーミスタの電気伝導メカニズムとして、バンド理論やホッピング伝導がある。
温度T0[K]の時のサーミスタ抵抗をR0とすると、温度T[K]の時のサーミスタ抵抗Rは次式で表せる。
Bはサーミスタの B定数と呼ばれ、サーミスタ毎にそれぞれ異なる。
上式より近似を高めたNTCサーミスタの温度抵抗特性の近似式としてSteinhart-Hart式がある。
a, b, cは「Steinhart-Hartパラメータ」と呼ばれ、サーミスタごとに指定されている。Tは絶対温度。Rはオームで表された抵抗値。 上式を以下の式に書き換えることができる、
and
Steinhart-Hart式の例として、室温(25°C=298.15 K)における3000Ωの抵抗を備えたサーミスターに対する典型的な値は次のとおりとなる。
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