- 英
- thermistor
- 関
- サーミスタ
WordNet
- a semiconductor device made of materials whose resistance varies as a function of temperature; can be used to compensate for temperature variation in other components of a circuit (同)thermal resistor
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/05 16:11:06」(JST)
[Wiki ja表示]
サーミスタ(thermistor)とは、温度変化に対して電気抵抗の変化の大きい抵抗体のことである。この現象を利用し、温度を測定するセンサとしても利用される。センサとしては-50度から1000度まで測定ができる。
目次
- 1 サーミスタの種類
- 1.1 NTCサーミスタ
- 1.2 PTCサーミスタ
- 1.2.1 セラミックPTC
- 1.2.2 ポリマーPTC
- 1.3 CTRサーミスタ
- 2 電気伝導メカニズム
- 3 サーミスタの特性
- 4 Steinhart-Hart式
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
サーミスタの種類
抵抗と温度の関係には線型性がある。
記号は以下のとおり
上式のkによってサーミスタを分類することができる。kが正の数の場合、抵抗は増加する温度につれて増加する。このような特性を持つサーミスタはPTCと呼ばれる。kが負の数の場合、抵抗は増加する温度とともに減少する。このような特性を持つサーミスタはNTCと呼ばれる。温度計測を目的としない通常の抵抗器の場合、できるだけ絶対値の小さなkを持つことを目指す。その結果、それらの抵抗器は広い温度範囲において抵抗値がほとんど一定のままとなる。
特性によって次の3つに分類される。
- NTC ( negative temperature coefficient )
- PTC ( positive temperature coefficient )
- CTR ( critical temperature resistor )
NTCサーミスタ
NTCサーミスタは温度の上昇に対して抵抗が減少するサーミスタである。温度と抵抗値の変化が比例的なため、最も使われている。 温度検出用センサとしての利用の他、電源回路の突入電流減少用としても使われる
ニッケル、マンガン、コバルト、鉄などの酸化物を混合して焼結したものである。
PTCサーミスタ
PTCサーミスタはNTCサーミスタとは逆に温度の上昇に対して抵抗が増大するサーミスタである。 温度センサーのほか、電流を流すと自己発熱によって抵抗が増大し、電流が流れにくくなる性質を利用して電流制限素子として用いられる。また、ある温度を超えると急激に抵抗が上昇するような非線形の動作をするものは、ヒューズを置き換える回路保護素子として利用される。
セラミックPTC
チタン酸バリウムに添加物を加えたセラミックを用いたもの。チタン酸バリウムのキュリー温度付近で急激に電気抵抗が増大する性質を利用している。
電流を流し続けると自己発熱によって電流が流れにくくなり、一定の温度を保つようになるため半田ごて等のヒーターとしても用いられる。
ポリマーPTC
低融点のポリマー中にカーボンブラック、ニッケル等の導電性粒子を分散させたもの。ポリマーが溶融することによって導電性粉末の接触が絶たれ電気抵抗が増大する。ポリエチレンなどの結晶性ポリマーにカーボンブラックなどの導電性粒子を均一に分散させることで良好なPTC特性を得ることができる。ポリスイッチとして電気製品の保護回路やリチウムイオン二次電池等の保護素子として使用される。また、電気カーペット等で過熱を防ぎ、温度を一定に維持する目的でも使用される。
CTRサーミスタ
また、ある温度をこえると急激に抵抗が減少するCTRサーミスタがある。
電気伝導メカニズム
サーミスタの電気伝導メカニズムとして、バンド理論やホッピング伝導がある。
サーミスタの特性
温度T0[K]の時のサーミスタ抵抗をR0とすると、温度T[K]の時のサーミスタ抵抗Rは次式で表せる。
Bはサーミスタの B定数と呼ばれ、サーミスタ毎にそれぞれ異なる。
Steinhart-Hart式
サーミスタの温度抵抗特性の近似としてSteinhart-Hart式がある。
a, b, cは「Steinhart-Hartパラメータ」と呼ばれ、サーミスタごとに指定されている。Tは絶対温度。Rはオームで表された抵抗値。 上式を以下の式に書き換えることができる、
Steinhart-Hart式の例として、室温(25°C=298.15 K)における3000Ωの抵抗を備えたサーミスターに対する典型的な値は次のとおりとなる。
関連項目
外部リンク
製造メーカー
- 株式会社大泉製作所(NTC/PTCサーミスタ・自動車用/家電・住設用)
- SEMITEC株式会社(旧石塚電子株式会社)
- 三菱マテリアル株式会社 電子材料事業カンパニー NTCサーミスタ 家電、車載温度センサ
- 株式会社芝浦電子
- 日機装サーモ株式会社 (工業プロセス、化学計測、医療用計測で用いられる精密サーミスタの製造・販売)
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 28aJPS-11 水の対流・温度と流速の関係 : サーミスタによる測定と目視による測定(ポスター発表,日本物理学会第10回Jr.セッション)
- 廣澤 文香,大倉 莉奈,大田 麻里子,貝原 愛,金武 麻由香,藤原 さなみ,町田 花子,柳 茉友子,渡辺 紗央,渡邊 祐里依
- 日本物理學會誌 69(3月増刊), 141, 2014-03-05
- NAID 110009798676
- 低流量域におけるサーミスタ式カルマン渦流量計の精度向上について(非線形問題)
- 岩井 正隆,潮 俊光
- 電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 J96-A(7), 401-409, 2013-07-01
- サーミスタ式カルマン渦流量計において,流量指示が実測値より増大することがある.その原因が渦信号の振幅と周波数が大きく変化する跳躍現象を伴った周波数引込み現象であることを明らかにした.この燃料指示増大現象をvan der Pol方程式モデルを用いてシミュレーションを実施し,渦流量計下流に設置している燃料圧縮機からくるうなり脈動が原因で,本燃料指示増大現象が発生していることを解明した.更に,正確な流量 …
- NAID 110009615691
- 広温度範囲測定用La(Cr,Mn)O₃サーミスタ材料の開発 (平成25年 新素材現場担当者会議 講演集)
- 藤田 利晃,藤原 和崇,長友 憲昭 [他]
- Journal of MMIJ : Journal of the Mining and Materials Processing Institute of Japan 129(6), 387-390, 2013-06
- NAID 40019700773
Related Links
- 「サーミスターとは」 温度上昇に伴って比抵抗が大きく変化する物質をサーミスター(Thermistor)といいます。 p型半導体の導電率は、温度に対して非常に敏感で、温度が50 上昇すると比抵抗が10分の1になります。 そこで、p型半導体 ...
- サーミスター(サーミスタ)は当社では比較的良く使うセンサです。特徴は安くて感度が 良いので安価な価格で大規模なシステムができます。このサーミスターセンサは精度も Pt、熱電対よりよいものもあります。特に高温でなければ ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- thermistor
- 関
- サーミスター
[★]
- 英
- miss
- 関
- 欠損、失う