- 英
- sanilvudine
- 同
- スタブジン stavudine(←洋書ではこちらが一般的),didehydrodeoxythymidine d4T
- 商
- ゼリット Zerit、チミジン
- 関
- 核酸系逆転写酵素阻害薬
UpToDate Contents
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ゼリットカプセル15
組成
- ゼリットカプセル15は1カプセル中,サニルブジン15mgを含有する。
- なお,添加物として結晶セルロース,無水乳糖,乳糖水和物,デンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム,また,カプセル本体にゼラチン及びラウリル硫酸ナトリウムを含有する。
禁忌
効能または効果
- 本剤は他に適切な治療法がない場合にのみ使用し,本剤の投与はできる限り短期間とすること。
- 通常成人には,サニルブジンとして以下の用量を1日2回12時間毎に経口投与する。
- 体重60kg以上:1回40mg
体重60kg未満:1回30mg
- 投与に際しては,必ず他の抗HIV薬と併用すること。
なお,患者の腎機能により減量を考慮する。
- 末梢神経障害(四肢のしびれ・刺痛感・疼痛等)があらわれた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。症状が回復した場合は,以下の用法・用量を参考に投与を開始するなど慎重に投与すること。
- 体重60kg以上の成人では1回20mgを1日2回12時間毎に経口投与する。
- 体重60kg未満の成人では1回15mgを1日2回12時間毎に経口投与する。
- 腎障害のある患者[腎障害のある患者では,本剤の消失半減期が延長し,副作用が強くあらわれるおそれがあるので,以下を参考にして投与量及び投与間隔を調節するなど慎重に投与すること。](「【薬物動態】(5)腎障害者における薬物動態」の項参照)
クレアチニンクリアランス(mL/分):サニルブジン投与量・投与間隔
- >50:通常用量・12時間毎
26〜50:通常用量の1/2・12時間毎
≦25※:通常用量の1/2・24時間毎
- ※血液透析を受けている患者には血液透析終了後に投与し,透析を行わない日にも同じ時間に投与する。
慎重投与
- 末梢神経障害又はその既往歴のある患者[症状を増悪又は再発させるおそれがある。](〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照)
- 肝障害のある患者[症状を増悪させるおそれがある。]
- 腎障害のある患者(〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照)
- 膵炎又はその既往歴のある患者[症状を増悪又は再発させるおそれがある。]
重大な副作用
次のような症状があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
*乳酸アシドーシス:
- 乳酸アシドーシス(1.5%)があらわれることがあるので,全身倦怠感,悪心・嘔吐,腹痛,急激な体重減少,頻呼吸,呼吸困難,ギラン・バレー症候群に類似した症状(四肢の筋脱力,腱反射消失,歩行困難,呼吸困難等)等に注意すること。また,乳酸アシドーシスの症例において,重度の脂肪肝を伴う肝腫大が報告されている。
*末梢神経障害:
- 四肢のしびれ・刺痛感・疼痛等の末梢神経障害(8.8%)があらわれることがある。
*膵炎:
- 膵炎(0.4%)があらわれることがあるので,血清アミラーゼ,血清リパーゼ等の生化学的検査を定期的に行うこと。
*急性腎不全:
- 尿細管性アシドーシス等による急性腎不全(0.4%)があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
*錯乱,失神,痙攣:
- 錯乱(頻度不明),失神(0.1%未満),痙攣(0.1%未満)があらわれることがある。
*皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):
- 皮膚粘膜眼症候群(頻度不明)があらわれることがある。
*肝機能障害,肝不全:
- 肝機能障害(10.1%),肝不全(0.2%)があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
薬効薬理
作用機序13)
- サニルブジンはチミジンヌクレオシド類縁体で,in vitroではヒト細胞中のHIVの複製を阻害する。サニルブジンは細胞のキナーゼによってサニルブジン三リン酸となり,抗ウイルス作用を発揮する。サニルブジン三リン酸がHIVの複製を阻害する作用機序としては次の2とおりが知られている。
- 生体中のデオキシチミジン三リン酸と競合してHIV逆転写酵素を阻害する。
- サニルブジンにはDNA鎖伸長のために必要な3'-水酸基が欠落しているので,DNA鎖伸長を終了させてウイルスのDNA合成を阻害する。
抗ウイルス作用13)
- サニルブジンはHIV-1に感染したT細胞及び単球/マクロファージの細胞培養によるin vitroの試験で抗ウイルス活性を示し(ED50=0.01〜4.1μM),HIV-2に対しても抗ウイルス活性を示した(ED50=0.09μM)。
*薬剤耐性14)
- サニルブジンに対する感受性が低下したHIV-1分離株が,細胞培養試験(株特異的)で選別され,また,サニルブジン治療患者からも得られた。サニルブジンの単独投与を6〜29ヵ月継続した61名の患者のHIV-1分離株についてその表現型解析を実施した結果,4名の患者で治療後における分離株のEC50値が,治療前ベースラインにおける分離株の平均EC50の4倍以上高値(耐性度7〜16倍)を示した。このうち,1名の患者からのHIV-1分離株ではジドブジン耐性関連変異のT215YとK219Eが含まれ,また別の患者の分離株からは,多種核酸系逆転写酵素阻害剤耐性関連変異のQ151Mが含まれていた。残り2名の患者からのHIV-1分離株では,逆転写酵素の遺伝子変異は検出されなかった。サニルブジンに対する感受性変化における遺伝学的な要因は特定されていない。
*交差耐性15)〜17)
- サニルブジンの長期間投与によりチミジン類似体耐性変異(TAMs)が発現し,またジドブジンによるTAMs発現後に,サニルブジンを長期間投与した場合にはそのTAMsが継続した。細胞培養試験における感受性の低下は軽微であり,サニルブジン感受性低下(<1/1.5)の前に2ヵ所以上のTAMs(概してM41LとT215Y)を必要とした。これらのTAMsは,サニルブジン及びジドブジンによるウイルス治療において同頻度でみられる。これらの結果は,TAMs,特にM41L及びT215Yが存在する場合にはサニルブジンの治療を避けるべきであることを示唆している。
相互作用18),19)
- PBMC細胞及びU937株を用いたサニルブジンとジドブジン,リバビリン又はドキソルビシンとのin vitroの併用試験で,サニルブジンの活性代謝物であるサニルブジン三リン酸の生成が有意に抑制されることが報告されている。一方,CEM-SS細胞を用いたin vitroの併用試験で,サニルブジンとジドブジンは相加から拮抗的な抗ウイルス作用が得られたことが報告されている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
略名:
化学名:
- (−)-2',3'-ジデヒドロ-3'-デオキシチミジン
分子式:
分子量:
- 224.21
- サニルブジンは白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルアセトアミド,ジメチルスルホキシド又は水にやや溶けやすく,メタノール,エタノール(95)又はアセトニトリルにやや溶けにくく,ジクロロメタンに溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
サニルブジン
- 同
- d4T
- 同
- Zerit, d4T
[★]
サニルブジン
- 同
- stavudine
[★]
サニルブジン。ゼリット