リトナビル、ロピナビル
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カレトラ配合錠
組成
成分・含量
添加物
- コポリビドン,モノラウリン酸ソルビタン,軽質無水ケイ酸,フマル酸ステアリルナトリウム,ヒプロメロース2910,酸化チタン,マクロゴール400,ヒドロキシプロピルセルロース,タルク,マクロゴール3350,黄色三二酸化鉄,ポリソルベート80
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 次の薬剤を投与中の患者: ピモジド,エルゴタミン酒石酸塩,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩,エルゴメトリンマレイン酸塩,メチルエルゴメトリンマレイン酸塩,ミダゾラム,トリアゾラム,バルデナフィル塩酸塩水和物,シルデナフィルクエン酸塩 (レバチオ),タダラフィル (アドシルカ),ブロナンセリン,アゼルニジピン,リバーロキサバン,ボリコナゾール〔「相互作用」の項参照〕
効能または効果
- HIV感染症
- 通常,成人にはロピナビル・リトナビルとして1回400mg・100mg (2錠) を1日2回,又は1回800mg・200mg (4錠) を1日1回経口投与する.
なお,体重40kg以上の小児にはロピナビル・リトナビルとして1回400mg・100mg (2錠) を1日2回投与できる.
本剤は,食事の有無にかかわらず投与できる.
- 本剤の吸収に影響を与えるおそれがあるので,本剤を噛んだり砕いたりせずそのまま服用すること.
- 併用薬剤の用法・用量,使用上の注意については,それらの薬剤の製品情報を参照すること.
- 1日1回投与は薬剤耐性検査を実施した上でロピナビル由来の耐性変異数が2以下の場合に限ること (耐性変異数が3以上の場合の成人1日1回投与データが少ない (「薬効薬理」の項参照)).
- 本剤との併用によりロピナビルの血中濃度が低下するおそれのある薬剤 (カルバマゼピン,フェノバルビタール,フェニトイン,ネビラピン,エファビレンツ,ネルフィナビル等) と併用する場合には,1日2回投与とすること (「相互作用」の項参照).
慎重投与
- 肝機能障害のある患者〔本剤は主に肝臓で代謝されるため,高い血中濃度が持続するおそれがある.また,B型肝炎,C型肝炎,トランスアミナーゼの上昇を合併している患者では肝機能障害を増悪させるおそれがある.〕
- 血友病及び著しい出血傾向を有する患者〔HIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の血友病の患者において突発性の出血性関節症をはじめとする出血事象の増加が報告されている.〕
- 器質的心疾患及び心伝導障害 (房室ブロック等) のある患者,PR間隔を延長させる薬剤 (ベラパミル塩酸塩,アタザナビル硫酸塩等) を使用中の患者〔本剤は軽度の無症候性PR間隔の延長が認められている (「薬物動態」の項参照).〕
重大な副作用
高血糖,糖尿病
(頻度不明)
- 高血糖,糖尿病及び糖尿病の悪化があらわれることがある.〔HIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の患者に糖尿病,糖尿病の悪化及び高血糖があらわれたとの報告がある.一部の例ではインスリン又は経口糖尿病薬の投与開始や用量調節が必要となった.一部では糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれている.HIVプロテアーゼ阻害薬を中止した例の一部では,高血糖が持続した.〕
膵炎
(頻度不明)
- 膵炎があらわれることがある.〔嘔気,嘔吐,腹痛等の臨床症状や血清リパーゼ,アミラーゼ,トリグリセライド等の検査値異常があらわれた場合は膵炎を疑うこと.〕
出血傾向
(頻度不明)
- HIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の血友病の患者において突発性の出血性関節症をはじめとする出血事象の増加が報告されている.このような症状があらわれた場合には血液凝固因子を投与するなど適切な処置を行うこと.
肝機能障害,肝炎
(頻度不明)
- 肝機能障害,肝炎があらわれることがあるので,観察を十分に行うこと.
徐脈性不整脈
(頻度不明)
- 徐脈性不整脈 (洞徐脈,洞停止,房室ブロック) があらわれることがある.
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),多形紅斑
(頻度不明)
- 中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,多形紅斑があらわれることがある.
薬効薬理
作用機序
- 本剤はロピナビルとリトナビルの配合剤である.
ロピナビルはHIVプロテアーゼの活性を阻害し,HIVプロテアーゼによるgag-pol ポリ蛋白質の開裂を抑制することで,感染性を持つ成熟したHIVの産生を抑制する.
リトナビルは,CYP3Aによるロピナビルの代謝を競合的に阻害し,ロピナビルの血中濃度の上昇をもたらす.
本剤の抗ウイルス活性は,ロピナビルによるものである (「薬物動態」の項参照).
本剤はHIVプロテアーゼに対する選択的親和性を有し,ヒトのアスパルティックプロテアーゼに対してはほとんど阻害作用を示さない.
抗ウイルス作用 (in vitro )
- HIV標準株による感染後早期のリンパ芽球細胞株及び臨床分離株に感染した末梢血リンパ球細胞におけるロピナビルの抗ウイルス作用を検討した.ヒト血清非存在下では,5種類のHIV-1標準株に対するロピナビルの平均EC50は10〜27nM (0.006〜0.017μg/mL) であり7),6種類のHIV-1臨床分離株に対するロピナビルの平均EC50は4〜11nM (0.003〜0.007μg/mL) であった.50%ヒト血清存在下ではHIV-1標準株に対するロピナビルの平均EC50は65〜289nM (0.04〜0.18μg/mL) であり,7〜11倍の効力低下がみられた.
薬剤耐性
- ロピナビルに対する感受性が低下したHIV-1変異株を分離し,ロピナビル単独,あるいは臨床投与時の血中濃度でのロピナビルとリトナビルの存在下にHIV-1のin vitro 継代培養を行った.継代培養で分離された株の表現型と遺伝子型を検討したところ,リトナビルの存在はロピナビル耐性株の出現に影響を及ぼさないことが示唆された (in vitro ).
交差耐性:
- HIVプロテアーゼ阻害薬 (PI) 間で観察される交差耐性は多様であった.本剤の治療によってロピナビルに対する感受性が低下したウイルスの交差耐性に関する情報はほとんど得られていない.
ロピナビルに対する表現型耐性の増加を認めたPI使用歴のある4例から得られた分離株は本剤投与前からリトナビル,インジナビル,ネルフィナビルに対する交差耐性が維持されていたか,本剤投与後に交差耐性を獲得した.リバウンドしたすべてのウイルスはアンプレナビルに対する感受性を十分に維持していたか,弱い感受性の低下が認められたにとどまった (ロピナビルの最大99倍と比較し,アンプレナビルでは最大8.5倍).ウイルスのリバウンドを経験した被験者のうち,サキナビルの使用経験のない被験者由来の2株はサキナビルに対する感受性を維持していた.
ロピナビル・リトナビルを含む併用療法を開始した抗レトロウイルス療法経験患者における抗ウイルス作用減少と遺伝子型との関連:
- HIVプロテアーゼにアミノ酸置換 (L10F/I/R/V,K20M/N/R,L24I,L33F,M36I,I47V,G48V,I54L/T/V,V82A/C/F/S/T,I84V) が3以上存在すると本剤のウイルス学的反応に影響を及ぼすことがわかっている.複数の本剤臨床試験におけるHIVプロテアーゼ阻害薬 (PI) 耐性変異数と併用療法におけるウイルス学的反応との関係は以下の通りであった.(薬効薬理の表1参照)
試験802における耐性変異数とウイルス学的反応の関係は次の通り.
耐性変異数が3以上の場合の成人1日1回投与のデータは少ない.(薬効薬理の表2参照)
HIVプロテアーゼ阻害薬 (PI) 既使用例における抗ウイルス作用:
- ロピナビルに対するin vitro 感受性低下の臨床的意義を検討するため,複数のPIによる治療にもかかわらず血中HIV RNA量が1,000copies/mLを超えた患者56名に対し本剤を投与し,ウイルスの遺伝子型と表現型を評価した.開始時に分離した56株に対するロピナビルのEC50は,野性株に対するEC50の0.5〜96倍であった.48週間にわたり本剤,エファビレンツ及びヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬を投与した後,血中HIV RNA量が400copies/mL以下となった患者は,開始時ロピナビル感受性が10倍以下,10倍超〜40倍未満,及び40倍以上の患者群でそれぞれ93% (25/27),73% (11/15),25% (2/8) であった.また,これら開始時ロピナビル感受性患者群で血中のHIV RNA量が50copies/mL以下となった患者は,それぞれ81% (22/27),60% (9/15),25% (2/8) であった.
本剤投与中の耐性ウイルスの選択:
- 227例の抗レトロウイルス療法未経験者及びHIVプロテアーゼ阻害薬 (PI) 既使用例を対象にした第II相臨床試験では,12〜100週間にわたり本剤を服用した後にウイルス量が定量可能 (>400copies/mL) であった患者のうち4例の分離株は,試験開始時の分離株に比べ,ロピナビルに対する感受性が著しく低下していた.試験開始時におけるこれら患者4例すべての分離株には,PI耐性に関連する変異が少なくとも4箇所認められた.また,ウイルスリバウンド後では,全ての分離株で変異数が増加しており,PI耐性に関連する変異も含まれていた.しかし,現時点ではデータが不十分なため本剤投与患者における変異パターンがロピナビルによるものかどうかは同定できていない.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (-)-(2S )-N-{(1S , 3S , 4S )-1-benzyl-4-[2-(2, 6-dimethylphenoxy) acetylamino]-3-hydroxy-5-phenylpentyl}-3-methyl-2-(2-oxotetrahydropyrimidin-1-yl) butyramide
分子式
分子量
性状
- 白色〜淡黄褐色の粉末で,柔らかい塊を含むこともある.
一般名
化学名
- (+)-5-thiazolylmethyl[(αS )-α-[(1S , 3S )-1-hydroxy-3-[(2S )-2-[3-[(2-isopropyl-4-thiazolyl) methyl]-3-methylureido]-3-methylbutyramido]-4-phenylbutyl] phenethyl] carbamate
分子式
分子量
性状
- 白色〜淡黄褐色の粉末で,柔らかい塊を含むこともある.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- ritonavir, RTV
- 商
- ノービア, Norvir、カレトラ
[★]
- 英
- lopinavir
- 商
- カレトラ
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会社名
成分名
薬効分類