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- carrageenin
- 関
- カラゲナン
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- a colloidal extract from carrageen seaweed and other red algae (同)carrageenan
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/03/15 09:31:37」(JST)
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カラギーナン (carrageenan [ˌkærəˈɡiːnən] ) は直鎖含硫黄多糖類の一種で、D-ガラクトース(もしくは 3,6-アンヒドロ-D-ガラクトース)と硫酸から構成される陰イオン性高分子化合物である。カラギナン、カラゲナン、カラジーナン、カラゲーナン、カラゲニン (carrageenin) とも呼ばれる。CAS登録番号 9000-07-1。ふつう紅藻類からアルカリ抽出により得られる。組成は同じく紅藻類から得られるアガロース(寒天の主成分)に似るが硫酸を多く含む点で異なる。
アイルランド産の紅藻 Chondrus crispus(ヤハズツノマタ、英語で Irish moss または carrageen moss、アイルランド語で carraigín)から1844年に初めて抽出され命名された。
目次
- 1 性質と利用法
- 2 食品添加物としてのカラギーナンと安全性
- 3 生産
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
性質と利用法
カラギーナンは弾力のある高分子で二重らせん構造を作って互いにからみあっており、これにより室温でゲルを形成する。食品その他の工業でゲル化剤、増粘剤、安定剤などとして使われる。
特徴としては、力(せん断応力)をかけると容易に流動し、静置すると粘性を回復してゲル状になる性質(チキソトロピー)がある。この性質は工業的利用に有利で、特に食品に用いた場合には食感が滑らかになるという利点もある。これから以下のような用途に用いられる。
- デザート、アイスクリーム、乳製品、飲料、ソース - 増粘・ゲル化剤(ゲル化剤としてはアガー(agar)と呼ばれることがある)、分離を防ぐための安定剤(増粘安定剤)
- 肉製品(パテ、コンビーフなど) – 脂の代わりに添加するゲル化剤
- ビール – 濁りの原因となるタンパク質を除去する清澄剤
- 歯磨剤、シャンプー、化粧クリーム – 安定剤
- 泡消火器 – 泡の強化剤
- 芳香剤のゲル化剤
- 靴クリーム – 増粘剤
カラギーナンには次の3つのタイプがある。
- κ(カッパ) – 硬く強いゲルを作る。Kappaphycus cottonii (オオキリンサイ属)から得られる。
- ι(イオタ) – 軟らかいゲルを作る。Eucheuma spinosum (キリンサイ属)から得られる。
- λ(ラムダ) – 水ではゲル化しないが、タンパク質と混ぜたときに軟らかいゲルを作り、乳製品の安定剤に使われる。よく使われる原料は南欧産のGigartina (スギノリ属)である。
多くの紅藻は世代交代の各段階で異なるタイプのカラギーナンを作る。たとえば Gigartina 属は配偶体世代では主にκカラギーナンを作るが、胞子体世代ではλカラギーナンを作る。
いずれのタイプも熱湯には溶けるが、冷水に溶けるのはλだけである。ただしナトリウムの塩にすれば他の2タイプも溶ける。
食品添加物としてのカラギーナンと安全性
カラギーナンは少なくともヒト消化管ではほとんど分解されないとされて食物繊維の一種とみられており、また多くの国で食品添加物として扱われている。工業的規模で利用されるようになったのは1930年代からだが、最初は中国で紀元前600年頃 (Gigartina)、次いでアイルランドで西暦400年頃、食用に用いられた。日本では、コトジツノマタやツノマタ、カギイバラノリなどを煮溶かして固め、「海草」、「ぶど」などの名で食用としてきた。
げっ歯類(ラット、モルモットなど)を用いた動物実験では、カラギーナンの分解物が消化管に潰瘍およびがんを引き起こすこと、またこの分解物は未分解カラギーナンから消化管で生成しうることが示されている。また未分解カラギーナンも発がんプロモーション作用があると報告されている。なおカラギーナンをげっ歯類に皮下注射すると炎症を惹起することが古くから知られ(カラゲニン浮腫と呼ばれ炎症の研究用モデルとしても用いられる)、この性質が潰瘍や発がんプロモーションに関係する可能性も考えられる。現在 IARC における発がん性リスク分類は、未分解カラギーナンについてグループ3(ヒトに対する発がん性は不明)、カラギーナン分解物についてはグループ2B(ヒトに対して発がん性の疑いがある)となっている[1][2][3][4]。
しかし、
- 多くの動物実験はヒトでは不可能なレベルの大量投与により行われている
- カラギーナンによる発がんプロモーション作用はげっ歯類特有の腸内細菌叢による証拠がある
- カラギーナンによる炎症はサルでは容易に起きない
などの理由から、カラギーナンによる悪影響はげっ歯類の特殊な性質であり、ヒトでは問題ないとする考えが現在では有力である。これに基づきFAO/WHO 合同食品添加物専門家委員会 (Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives, JECFA) の第57回会議(2001年)では、1日許容摂取量を「特定せず」(つまり毒性リスクは事実上ゼロとみてよい)と決定した[1][2][4][5]。
生産
現在最も多く生産しているのはフィリピンで、海藻生産量で世界の約 80% を占める。最も普通に用いられるのはコットニー (Eucheuma cottonii) とスピノサム (Eucheuma spinosum) で、この2種で世界の生産量の約 75% である。これらは水深2メートル付近で栽培され、普通は竹の浮きの間に張られたナイロンロープに生やして、3か月ほど経って各海藻の重量が約1キログラムになったときに収穫される。
なお、コットニーは従来キリンサイ属 (Eucheuma)とされていたが、Maxwell Doty (1988) はκカラギーナンの存在によってオオキリンサイ属 (Kappaphycus) を立て、コットニーを Kappaphycus cottonii と分類している。
海藻を収穫後に乾燥し梱包して工場へ輸送する。工場では海藻をすりつぶしふるいにかけて砂などの不純物を除き、よく洗う。次に抽出、遠心分離と濾過によってカラギーナンとセルロースを分離する。できたカラギーナン溶液を蒸発によって濃縮し、乾燥して適宜すりつぶす。
脚注
- ^ a b World Health Organization, Geneva , 1999. IPCS - International Programme on Chemical Safety: Carrageenan (addendum). リンク(英語)
- ^ a b WHO Food Additives Series: 48. Safety evaluation of certain food additives and contaminants; Carrageenan and processed eucheuma seaweed (addendum). リンク(英語)
- ^ Tobacman, J. K. (2001). "Review of Harmful Gastrointestinal Effects of Carrageenan in Animal Experiments". Environmental Health Perspectives 109(10): 983–994. 本文(英語)
- ^ a b Carthew, P. (2002). "Safety of Carrageenan in Foods & Joanne K. Tobacman: Carrageenan in Foods: Response". Environmental Health Perspectives 110(4). 本文(英語)
- ^ Cohen, S. M.; Ito, N. (2002). "A critical review of the toxicological effects of carrageenan and processed eucheuma seaweed on the gastrointestinal tract". Crit. Rev. Toxicol. 32(5): 413–444. PMID 12389870
関連項目
外部リンク
- カラギーナン、カラゲニン - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- 三菱商事フードテック株式会社 | 増粘多糖類
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Japanese Journal
- 新規シクロオキシゲナーゼ-2選択的阻害薬セレコキシブ(セレコックス^【○!R】錠)の薬理学的特性および臨床試験成績
- 木本 愛之,花岡 晃郎,笹又 理央,宮田 桂司
- 日本薬理学雑誌 131(2), 127-136, 2008-02-01
- … X-1のみを発現するリンパ腫細胞よりも,COX-2を発現するIL-1β刺激線維芽細胞のプロスタグランジン(PG)E2産生を強く阻害し,既存の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)よりも高いCOX-2選択性を示した.ラットカラゲニン誘発痛覚過敏モデルにおいて,セレコキシブは温熱侵害刺激に対して低下した疼痛閾値を用量依存的に改善し,炎症組織および脳脊髄液PGE2量も用量依存的に減少させた.このときの鎮痛作用(ED30値)は …
- NAID 10024186749
- 成田 年,鈴木 勉
- 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 130(2), 124-127, 2007-08-01
- … み刺激をより強い痛み刺激と感じる症状)などの症状により特徴づけられており,これら炎症性疼痛モデルは,起炎物質である完全フロイントアジュバンド(complete Freund's aduvant:CFA),ホルマリンおよびカラゲニンの足蹠皮下投与により作製される.一方,神経障害性疼痛は,末梢あるいは中枢神経の損傷や機能障害により引き起こされると考えられており,主に自発痛,痛覚過敏反応やアロディニア(軽く触れた程 …
- NAID 10020000526
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- 栄養・生化学辞典 - カラゲニンの用語解説 - アイリッシュモス,カラゲナン,カラギーナンともいう.硫酸化されたガラクタンの混合物で,紅藻類から抽出される無味無臭の多糖.食品や薬品のゲル化剤,安定剤,乳化剤,糊料として ...
- ラットの足に炎症を起こすのによく用いられるのは、カラゲニンという物質です。カラゲニンは、海藻から抽出された物質(多糖類、、お砂糖の仲間といえばいいのか?)で、生理食塩水に溶かすとネバッと ...
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