アデホビル
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Japanese Journal
- ウイルス性慢性肝炎 (新版 処方計画法) -- (消化器疾患)
- 臨床医による新薬の評価 アデホビルピボキシル、ラミブジン
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- アデホビルピボキシルは、ラミブジンと同様に、HBVのDNA合成時にDNAポリメラーゼ/逆転 写酵素による基質の取り込みを競合的に阻害 ... ラミブジンに対する感受性が低下した YMDD変異ウイルスを有する代償性B型慢性肝疾患患者にアデホビルピボキシル10mgと ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ヘプセラ錠10
組成
- 本剤は1錠中にアデホビル ピボキシル10mg(アデホビルとして5.45mg)を含有する。
添加物として部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、乳糖水和物、タルク及びステアリン酸マグネシウムを含有する。
禁忌
効能または効果
- B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制
- 他の治療法等により肝機能検査値が正常範囲内に保たれている患者は本剤の対象患者とはならないので注意すること。
- 非代償性肝硬変に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない(使用経験が少ない)(「慎重投与」の項参照)。
- 通常、成人にはアデホビル ピボキシルとして、1回10mgを1日1回経口投与する。
- 本剤は、投与中止により肝機能の悪化もしくは肝炎の重症化を起こすことがある。本内容を患者に説明し、患者が自己の判断で投与を中止しない様に十分指導すること(「警告」の項参照)。
- 本剤の投与開始時期、投与期間、併用薬、他の抗ウイルス剤に対する耐性がみられた患者への使用等については、国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。なお、ラミブジン耐性がみられた患者に対し本剤を投与する場合には、ラミブジンと本剤を併用すること。その後、ラミブジンを中止し本剤単独投与にすることは推奨されない(「薬効薬理」の項参照)。
- 高用量の投与により、腎機能障害が発現する可能性があるため、「用法・用量」で定められた用量を超えないこと。
- 腎機能障害患者では、血中濃度が増大するため、本剤投与開始時のクレアチニンクリアランスに応じて、下記のとおり投与間隔の調節が必要である(「慎重投与」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。
患者の腎機能に対応する用法・用量の目安(外国人データ)注1)
クレアチニンクリアランス(mL/min):≧50
クレアチニンクリアランス(mL/min):30〜49
クレアチニンクリアランス(mL/min):10〜29
クレアチニンクリアランス(mL/min):血液透析患者注2)
- 推奨用量:透析後に10mgを週に1回
- 注1)上記の本剤の推奨用量は単独投与した時の成績に基づくものである。なお、クレアチニンクリアランスが10mL/min未満の患者並びに腹膜透析を施行されている患者における推奨用量のデータは得られていない。
- 注2)週3〜5回の透析を施行したデータに基づくものである。
- なお、腎機能障害患者あるいは血液透析患者に対するラミブジンの用法・用量については、ラミブジンの添付文書に記載されている「用法・用量に関連する使用上の注意」を確認すること。
- 本剤とラミブジンの併用投与において、投与量の減量が必要な場合、本剤は投与間隔を調整するのに対し、ラミブジンは投与量を調整する必要があるので注意すること(本剤の分割又は粉砕時の安定性に関するデータは得られていない)。
- HIVに重複感染している患者に対し、本剤及びラミブジン(300mg/日)を併用投与した使用経験は限られている1),2)。
慎重投与
- 腎機能障害のある患者[本剤はアデホビルとして主に腎排泄されるため、高い血中濃度が持続し、腎機能障害が増悪する可能性があるので、投与間隔の調節が必要である(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。]
- 非代償性肝硬変患者[使用経験が少ない。なお、本剤単独投与の使用経験はない。(「臨床成績」の項参照)]
重大な副作用
腎不全、ファンコニー症候群等の重度の腎機能障害
- 腎機能障害、腎不全(頻度不明注1),2))、腎尿細管障害、ファンコニー症候群(頻度不明注1))があらわれることがあるため、腎機能検査を行う等観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。海外の臨床試験において、本剤10mg/日を投与した肝移植前後の患者で腎機能低下が認められた。これらの症例の多くは、シクロスポリン及びタクロリムスの投与、腎機能低下、高血圧、糖尿病及び移植を含む腎機能障害の危険因子を有していた。なお、これら肝移植前後の患者の4%(467例中19例)が、腎臓に関連する有害事象のために本剤の投与を中止した。また、他の海外臨床試験において、本剤の承認用量(10mg/日)の3〜12倍の用量を20週以上投与した患者で、血清クレアチニン増加、血清リン低下が報告されている。
骨軟化症(頻度不明注1))
- 長期投与により、ファンコニー症候群を含む腎尿細管障害による低リン血症から、骨痛、関節痛、筋力低下を伴う骨軟化症があらわれることがある。また、骨折に至る例も報告されている。本剤を長期投与する場合は、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)
- 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)があらわれることがある(頻度不明注1))ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗ウイルス活性
- HBV-DNAをトランスフェクトしたHepG2細胞をアデホビル存在下で1週間培養した時、細胞内HBV複製は抑制された。また、ラミブジンに対する感受性が低下したYMDD変異HBV(L528M,M552I,M552V,L528M/M552V)4)及びB型肝炎免疫グロブリンエスケープ変異(T476N,W501Q)に対して、アデホビルは野生型HBVと同程度の抗ウイルス活性を示した。HBV-DNAを発現するトランスジェニックマウスにアデホビル ピボキシルを10日間経口投与した時、血清中及び肝臓中のHBV-DNA濃度は低下した5)。HBVと近縁のアヒルB型肝炎ウイルス(DHBV)感染肝細胞をアデホビル及びラミブジンの共存在下で9日間培養した時、細胞内のDHBVウイルス濃度は相乗的に低下した6)。
作用機序
- アデホビルは細胞内でアデホビル二リン酸にリン酸化され7)、HBV-DNAポリメラーゼを選択的に阻害することにより(Ki値0.1μmol/L)HBV-DNAの複製を阻害する8),9)。また、基質としてDNAに取り込まれ、DNA鎖を遮断することによりHBV-DNAの複製を阻害する10)。
薬剤耐性
- アデホビルに対して耐性を示す2種の変異HBV(rtN236T、rtA181V)の出現が臨床において確認されている11),12)。In vitroにおいて、rtN236T及びrtA181V変異HBVのアデホビルに対する感受性は、それぞれ4〜14倍及び2.5〜4.2倍低下しており、また、ラミブジンに対する感受性は、それぞれ2〜3倍及び1〜14倍低下していた。
薬剤耐性の出現頻度
アデホビル単独投与の場合
- 国内臨床試験における薬剤耐性の出現頻度は、52週時点で0%であった。海外における複数の臨床試験を統合解析したところ、薬剤耐性の出現頻度は、48週、96週、144週及び192週時点でそれぞれ0%、2%、7%及び15%と推定された13)。
なお、HBe抗原陰性患者における出現頻度は、投与96週、144週、192週及び240週時点でそれぞれ3%、11%、18%及び29%であり、HBe抗原陽性患者においては、投与135週、189週及び235週時点でそれぞれ3%、17%及び20%であった。
また、HIVに重複感染している患者に対し、ラミブジンとアデホビルを併用投与した結果、投与開始から48週及び96週時点において、アデホビルに対して耐性を示すHIVやHBVの変異は確認されていない14),15)。
その他、48週時点で血清HBV DNA量が少ない患者(1000 copies/mL以下)では、血清HBV DNA量が多い患者(1000 copies/mL以上)に比べて、長期投与時(4〜5年)のアデホビルに耐性を示すHBVの出現頻度は有意に低かったとの報告がある。
ラミブジンに耐性を示すHBVが認められた患者に対し、アデホビルとラミブジンを併用した場合
- 肝移植患者を対象とした臨床試験において、投与48週時点ではアデホビルに耐性を示すHBVは認められなかった。
また、3年までの投与において、アデホビルに耐性を示すHBVは認められなかったが、ラミブジン投与を中止した4例で、アデホビル単独投与中にrtN236T変異HBVが認められ、全例に血清HBV DNAの増加がみられた。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- Bis(2,2-dimethylpropanoyloxymethyl)[2-(6-amino-9H-purin-9-yl)ethoxymethyl]phosphonate
分子式
分子量
性状
融点
分配係数(logP)
- 1.91(1-オクタノール/リン酸緩衝液(pH7))
★リンクテーブル★
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- 関
- アデホビル、アデホビルピボキシル、アデフォビルピボキシル
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特徴
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