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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/11/21 00:50:51」(JST)
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遺伝子重複(いでんしちょうふく、gene duplication / chromosomal duplication)とは、遺伝子を含むDNAのある領域が重複する現象のことである。遺伝子重複が起こる原因としては、遺伝的組換えの異常、レトロトランスポゾンの転移、染色体全体の重複などがある[1]。
遺伝子の重複だけでなく、ゲノム全体の重複も珍しいことではない。例えば酵母のゲノムは1億年ほど前に重複したと考えられている[2]。また植物では頻繁にゲノム重複が起こっており、コムギは6つのゲノムセットを持つ6倍体である(→ 倍数性)。
目次
- 1 遺伝子重複と進化
- 2 パラログとオーソログ
- 3 参考文献
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
遺伝子重複と進化[編集]
重複した遺伝子の一方は選択圧から開放される。これは同じ機能を持つ二つの遺伝子が存在する場合、一方が突然変異を起こしてその機能を失っても(もしくは変化させても)、もう一方が正常に機能していれば生物の生存に支障が無いためである。そのため重複した遺伝子では、単一の遺伝子よりもはるかに早く、経代に伴う変異が蓄積される。
重複遺伝子は、従って進化の主要な役目を担うと考えられており、100年以上も前から学界において支持されてきた[3]。大野乾はもっとも有名な提唱者の一人であり、著書 "Evolution by gene duplication" (1970年)を著した人物でもある[4]。重複遺伝子は共通祖先の出現以来、最も重要な進化の原動力であったと主張する人もいる。
パラログとオーソログ[編集]
遺伝子重複によって生じた二つの遺伝子はパラログと呼ばれ、一般に機能や構造が異なるタンパク質をコードする。これに対し、異なる生物に存在する相同な機能を持った遺伝子群はオーソログと呼ばれ、種分化の過程で生じたものである。
これらパラログとオーソログを区別することは研究上重要であるが、しばしば困難である。例えばヒトの遺伝子の研究は、他の動物に相同な遺伝子が見つかればそれを用いて行われることが多いが、これはその遺伝子がヒトの遺伝子のオーソログである場合にのみ可能である。仮に遺伝子重複の結果生じたパラログであれば、その機能は全く異なっている可能性が高い。
参考文献[編集]
- ^ Zhang, J. (2003). "Evolution by gene duplication: an update." Trends in Ecology & Evolution 18(6): 292-298. DOI link
- ^ Kellis, M, Birren, BW & Lander, ES. (2004). "Proof and evolutionary analysis of ancient genome duplication in the yeast Saccharomyces cerevisiae" Nature 428: 617-624.
- ^ Taylor, JS. & Raes, J. (2004). "Duplication and Divergence: The Evolution of New Genes and Old Ideas" Annual Review of Genetics 9: 615-643. DOI link
- ^ Ohno, S. (1970). Evolution by gene duplication. Springer-Verlag. ISBN 0-04-575015-7.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- A bibliography on gene and genome duplication(英語)
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Japanese Journal
- 臨床研究・症例報告 SGA性低身長を呈したSHOX遺伝子重複細胞と45,X細胞とのモザイクの1女児例
- αシヌクレイン遺伝子重複を認める家族性パーキンソン病に対する脳深部刺激療法の効果
- 中島 円,下 泰司,三沢 司保子,西川 奈津子,大山 彦光,菅野 秀宣,石井 尚登,服部 信孝,新井 一
- Functional neurosurgery : proceedings of the annual meeting of the Japan Society for Stereotactic and Functional Neurosurgery 50(1), 72-73, 2011-06-15
- NAID 10029745851
- 原価計算の考現学序説--ふたたび逆システム学的視点から (特集 原価計算--過去,現在,そして未来)
Related Links
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★リンクテーブル★
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- 英
- heredity, inheritance
- 同
- 氏か育ちか
- 関
- 遺伝子、遺伝性疾患。遺伝形式
- 親のもつ遺伝情報が遺伝子によって子孫に伝達され、その作用によって形質が発現すること。
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- 英
-
- 関
- オーバーラップ、重なり、複製、二つ組、重複部分、重なる、冗長
- 遺伝子重複
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- gene
- 同
- 遺伝因子 genetic factor
- 関
- ゲノム genome
- 生物の遺伝情報を担う主要因子
- 全ての生物の情報は、DNAからなる塩基配列にコードされている