- 英
- prosthetic group
- 同
- 配合族、非タンパク性配合群、非蛋白性配合群、配合族群
- 関
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/15 20:34:57」(JST)
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補欠分子族(ほけつぶんしぞく、Prosthetic group)は、タンパク質の生物活性において重要なタンパク質に結合する非タンパク質(非アミノ酸)要素である[1]。補欠分子族は有機物(ビタミン、糖、脂質など)または無機物(金属イオンなど)であることがあり得る。補欠分子族はタンパク質にかたく繋がれており、共有結合を通して結合される。補欠分子族は酵素反応において重要な役割を持つ。補欠分子族が無いタンパク質はアポタンパク質と呼ばれるのに対し、補欠分子族がついているそれはホロタンパク質と呼ぶ。
補欠分子族は補因子の1つで、一時的に酵素と結合するのではなく永久的に酵素と結合しているという点で補酵素とは異なる[2]。酵素では、補欠分子族はいくつかの経路においてその活性部位に関係している。
ヘモグロビンのヘムは補欠分子族の一つである。さらに、有機物の補欠分子族にはチアミン(ビタミンB1)、チアミンピロリン酸、ピリドキサールリン酸そしてビオチンなどのビタミン誘導体がある。よって、補欠分子族はしばしばビタミンであるか、ビタミンから作られる。これが、ビタミンがヒトの食事に必要な理由の一つである。
無機物の補欠分子族は通常は鉄(チトクロムcオキシダーゼ、ヘモグロビンなどのヘム)、亜鉛(炭酸脱水酵素など)、マグネシウム(いくつかのキナーゼなど)、モリブデン(硝酸還元酵素など)のような遷移金属イオンである。
目次
- 1 補欠分子族の一覧
- 2 脚注
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
補欠分子族の一覧
補欠分子族 |
機能 |
分布 |
フラビンモノヌクレオチド [3] |
酸化還元反応 |
バクテリア、アーキア、真核生物 |
フラビンアデニンジヌクレオチド [3] |
酸化還元反応 |
バクテリア、アーキア、真核生物 |
ピロロキノリンキノン [4] |
酸化還元反応 |
バクテリア |
ピリドキサールリン酸 [5] |
アミノ基転移、脱炭酸、脱アミノ |
バクテリア、アーキア、真核生物 |
ビオチン [6] |
カルボキシル化 |
バクテリア、アーキア、真核生物 |
メチルコバラミン [7] |
メチル化と異性化 |
バクテリア、アーキア、真核生物 |
チアミンピロリン酸 [8] |
脱炭酸 |
バクテリア、アーキア、真核生物 |
ヘム [9] |
酸素の結合と酸化還元反応 |
バクテリア、アーキア、真核生物 |
モリブドプテリン [10][11] |
酸化 |
バクテリア、アーキア、真核生物 |
リポ酸 [12] |
酸化還元反応 |
バクテリア、アーキア、真核生物 |
脚注
- ^ de Bolster, M.W.G. (1997年). “Glossary of Terms Used in Bioinorganic Chemistry: Prosthetic groups”. International Union of Pure and Applied Chemistry. 2007年10月30日閲覧。
- ^ de Bolster, M.W.G. (1997年). “Glossary of Terms Used in Bioinorganic Chemistry: Cofactors”. International Union of Pure and Applied Chemistry. 2007年10月30日閲覧。
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関連項目
外部リンク
- Cofactors PowerPoint lecture
補因子 |
|
補酵素 |
ビタミン: NAD+ (B3) - NADP+ (B3) - 補酵素A (B5) - THF / H4F (B9), DHF, MTHF - アスコルビン酸 (C) - メナキノン (K) - 補酵素F420
非ビタミン: ATP - CTP - SAM - PAPS - GSH - 補酵素B - 補酵素M - 補酵素Q - メタノフラン - BH4 - H4MPT
|
|
有機補欠分子族 |
ビタミン: TPP / ThDP (B1) - FMN, FAD (B2) - PLP / P5P (B6) - ビオチン (B7) - メチルコバラミン, コバラミン (B12)
非ビタミン: ヘム - α-リポ酸 - モリブドプテリン - PQQ
|
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金属補欠分子族 |
Ca2+ - Cu2+ - Fe2+, Fe3+ - Mg2+ - Mn2+ - Mo - Ni2+ - Se - Zn2+
|
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主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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- 高橋 重一,増田 建
- 低温科学 = Low Temperature Science 67, 327-337, 2009-03-31
- … 色素の分析 b光合成においてヘムは,光化学系のシトクロムや活性酸素消去系のカタラーゼなどのヘムタンパク質の補欠分子族として,酸化還元や電子伝達に機能している.本章では植物組織からのヘムの抽出・分析方法について紹介する.Heme is prosthetic group of hemoproteins, which are responsible for various biological processes including reduction and oxygenation, oxygen metabolism, oxygen transfer, electron transfer and secondary metabolism. …
- NAID 120001498384
- ポルフィリン生合成とヘム代謝におけるヒトABCトランスポーターの役割
- 田村 藍,安 然,大西 裕子,石川 智久
- 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 130(4), 270-274, 2007-10-01
- … 々な美を体現していた.21世紀の今,ポルフィリン研究において,温故知新の新しい潮流が起きようとしている.ポルフィリンはヘモグロビン,ミオグロビンのほか,我々の体内細胞におけるチトクロムの補欠分子族ヘムの基本骨格であり,生命維持に不可欠な生体物質である.一方,ABC(ATP-Binding Cassette)遺伝子は,細菌から酵母,植物,哺乳類に至る広い生物種に分布して,多様な生理的役割を担っている.ヒトで …
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