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- deamidation、deamidate
- 関
- アミド分解
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/05 11:40:00」(JST)
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Asn-Gly (右上) からAsp-Gly (左) または iso(Asp)-Gly (右下)への脱アミド
脱アミド(だつアミド、Deamidation)は、アミドが有機化合物から取り除かれる化学反応。生化学での脱アミドは、アミノ酸(アスパラギンとグルタミン)のアミドを含む側鎖を分解するため、タンパク質の分解にとって重要な反応である。
目次
- 1 生化学的脱アミド
- 2 動作
- 3 参考文献
- 4 関連項目
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生化学的脱アミド
生化学的脱アミドは、非酵素的に起こる。ペプチド結合(図の右上)のN原子の不対電子がアスパラギンの側鎖を攻撃し、対称的なスクシンイミド中間体(赤色)を作る。中間体の対称性から、加水分解によってアスパラギン酸(左)またはβアミノ酸(緑色)であるイソアスパラギン酸のどちらかを生じる。この経路は、アスパラギン側鎖のアミドがカルボン酸に変換されるため、脱アミドであると考えられている。
動作
脱アミドの進行は非常に敏速であり、隣に小さいアミノ酸があるとその影響を受けやすく、例えばグリシンのような立体障害の小さい残基はペプチド基が攻撃のために開くとその結合角を曲げられやすい。また、脱アミドは高いpH(>10)と温度で非常に早くなる。
参考文献
- Clarke S. (1987) "Propensity for spontaneous succinimide formation from aspartyl and asparaginyl residues in cellular proteins", Int. J., Peptide Protein Res., 30, 808-821. PMID 3440704
- Stephenson RC and Clarke S. (1989) "Succinimide Formation from Aspartyl and Asparaginyl Peptides as a Model for the Spontaneous Degradation of Proteins", J. Biol. Chem., 264, 6164-6170. PMID 2703484
- Robinson NE, Robinson AB. (2004) Molecular Clocks: Deamidation of Asparaginyl and Glutaminyl Residues in Peptides and Proteins. Althouse Press: Cave Junction, Ore. OCLC 56978028
関連項目
タンパク質の一次構造と翻訳後修飾 |
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全般 |
タンパク質生合成 - ペプチド結合 - タンパク質分解 - ラセミ化
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N末端 |
アセチル化 - ホルミル化 - ミリストイル化 - ピログルタミン酸 - メチル化 - 糖化反応
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C末端 |
アミド化 - GPIアンカー - ユビキチン化 - SUMO化
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リシン |
メチル化 - アセチル化 - アシル化 - ヒドロキシル化 - ユビキチン化 - SUMO化 - デスモシン - ADPリボース化 - 脱アミノ(酸化的脱アミノ)
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システイン |
ジスルフィド結合 - プレニル化 - パルミトイル化
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セリン/トレオニン |
リン酸化 - グリコシル化
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チロシン |
リン酸化 - チロシン硫酸化 - ポルフィリン環結合 - リボフラビン結合
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アスパラギン |
脱アミド - グリコシル化
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アスパラギン酸 |
スクシンイミド形成 - リン酸化
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グルタミン |
アミノ基転移
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グルタミン酸 |
カルボキシル化 - ポリグルタミル化 - ポリグリシル化
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アルギニン |
シトルリン化 - メチル化
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プロリン |
ヒドロキシル化
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←アミノ酸
二次構造→
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★リンクテーブル★
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- 関
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[★]
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- 脱アミド
[★]
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- (comb form.)des, prolapse
- 関
- ヘルニア