- 英
- eutherian
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- of or relating to or belonging to the subclass Eutheria; "eutherian mammals"
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/01/23 13:20:59」(JST)
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真獣下綱 |
ハツカネズミ (Mus musculus)
|
地質時代 |
白亜紀前期 - 完新世(現代) |
分類 |
界 |
: |
動物界 Animalia |
門 |
: |
脊索動物門 Chordata |
亜門 |
: |
脊椎動物亜門 Vertebrata |
綱 |
: |
哺乳綱 Mammalia |
亜綱 |
: |
獣亜綱 Theria |
下綱 |
: |
真獣下綱 Eutheria |
|
学名 |
Eutheria
Huxley, 1880 |
上目 |
- 異節上目 Xenarthra
- アフリカ獣上目 Afrotheria
- 北方真獣類 Boreoeutheria
- 真主齧上目 Euarchontoglires
- ローラシア獣上目 Laurasiatheria
詳細は本文参照
|
真獣下綱(しんじゅうかこう;Eutheria)とはヒトを含む有胎盤哺乳類を包括する分類群である。有袋類と絶滅した近縁種を含んだ後獣下綱とは姉妹群である。正獣下綱、真獣類、正獣類などとも。
哺乳類の現生種はおよそ4300種だが、うち約4,000が真獣下綱である。また生物地理的な分布においては、オーストラリア区に限られる原獣亜綱(カモノハシ目 / 単孔類)やオーストラリア区及び新北区、新熱帯区のみとなる後獣下綱(有袋類)などとは異なり、ほぼ全世界に分布している。[1]
目次
- 1 形態
- 2 分類
- 2.1 上位分類
- 2.2 有胎盤類
- 2.3 下位分類
- 3 脚注
- 4 関連項目
- 5 参考文献
形態
有袋類との相違点を以下に述べる。
- 脳函
- 有袋類と比しても拡大が著しい[2]。
- 歯
- 有袋類が基本的に50本の歯を持つのに対し、真獣下綱では44本となる。またともにトリボスフェニック(tribosphenic) 型後臼歯を持つが、その形態は異なる。この大臼歯の数も、有袋類は4本であるが、真獣類では3本となる。[3]
- 骨格
- 有袋類にある前恥骨(袋骨)を持たない[4][2]。ただし、初期群には持つものもいる。
- 胎生
- 真獣下綱、後獣下綱はともに胎生であるが、真獣下綱は胎盤が形成される点が異なる。また、有袋類は膣及び子宮が一対であるのに対し、真獣下綱では膣は一つ、子宮はネズミ目やウサギ目を除いては一つに癒合している。[5]
分類
上位分類
現生哺乳類の多数は有胎盤である。その他に、別の絶滅哺乳類の系統である単孔類と有袋類の2つが生き残る。真獣類を他と区別する点は妊娠中に胎児を胎盤を通して成長させることにある(有袋類であるフクロアナグマは例外的に胎盤を有する)。有性生殖をし、仔は充分に成長するまで母親に懐胎されている。近縁の後獣下綱と同じく胎生である。全ての大陸と全ての大洋にみられる。
- 原獣亜綱 Prototheria / Australosphenida
- 全獣類 Holotheria
- 獣亜綱(真獣亜綱) Theria
- †パッポーテリウム科 Pappotheriidae(†は絶滅)
- 後獣下綱 Metatheria
- 真獣下綱 Eutheria
[6]
有胎盤類
100万年前
真獣類
の起源
Murtoilestes
Prokennalestes
Acristatherium
Montanalestes
Ukhaatherium
Asioryctes
Kennalestes
Zalambdalestes
Daulestes
Aspanestes
Eoungulatum
Protungulatum
Gypsonictops
Cimolestes
白亜紀の真獣類と有胎盤類
[7]
┏━ 有胎盤類以外の真獣類
┏━ 有胎盤類
● アジアの化石
○ 北米の化石
分子時計による有胎盤類が放散した時期
真獣類が1880年にトマス・ヘンリー・ハクスリーによって導入されたとき、その語はそれまで使われていた有胎盤類 (Placentalia) よりも範囲が広くされ、冠系統としての有胎盤類と有袋類よりも有胎盤類に近い絶滅種群が含まれる。
現在、有胎盤類は、現生哺乳類の最も新しい共通祖先とその子孫と定義される[8][9]。これは一般に、真獣類より狭いクレードであり、真獣類と後獣類が分岐してから、有胎盤類が放散する以前に、有胎盤類に繋がる系統から分岐した原始的な真獣類が含まれない。 Maureen A O'Learyらによる研究では、有胎盤類の共通祖先は中生代と新生代の境目、いわゆるK-T境界の後に現れたとしている。[10]
下位分類
知られている最古の真獣下綱に属する種が中国の白亜紀下層から出土したエオマイア・スカンソリアである。これは紛れも無い真獣類であったが、その臀部は充分に成長した仔を産むのには狭すぎる。このことから、初期の真獣類では、胎児の成長に胎盤の果たす役割は些細なものであったと結論付けられる。
また、現生群は異節上目、アフリカ獣上目、真主齧上目、ローラシア獣上目という四つの大グループに分類される。このうち真主齧上目とローラシア獣上目は近縁で、北方真獣類(ボレオユーテリア)を形成する[11]。これと残り二つのグループの分岐順には様々な説が存在した。遺伝子を解析した結果においても、使用する遺伝子によって結果が異なったからである。
しかしLINE配列の解析を行っていた東工大大学院の岡田典弘教授らのグループは祖先多型[12]が存在し、その状態が解消される前に3つの系統がほぼ同時期に、急激に分岐したと結論付けた[13][14]。
- †エオマイア属 Eomaia
- †ササヤマミロス属 Sasayamamylos
- †アジオリクテス類 Asioryctitheria
- †アジオリクテス科 Asioryctidae
- †ケナレステス科 Kennalestidae
- †ザランブダレステス科 Zalambdalestidae
- †ビビマラガシ目 Bibymalagasia
- 異節上目 Xenarthra
- アフリカ獣上目 Afrotheria
- アフリカトガリネズミ目 Afrosoricida
- イワダヌキ目(岩狸目) Hyracoidea
- ハネジネズミ目(長脚目) Macroscelidea
- ゾウ目(長鼻目) Proboscidea
- ジュゴン目(海牛目) Sirenia
- ツチブタ目(管歯目) Tubulidentata
- 北方真獣類 Boreoeutheria
- 真主齧上目 Euarchontoglires
- ヒヨケザル目(皮翼目) Dermoptera
- ウサギ目(重歯目) Lagomorpha
- サル目(霊長目) Primates
- ネズミ目(齧歯目) Rodentia
- ツパイ目(登木目) Scandentia
- ローラシア獣上目 Laurasiatheria
- ネコ目(食肉目) Carnivora
- 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
- コウモリ目(翼手目) Chiroptera
- ハリネズミ目(針鼠目) Erinaceomorpha
- センザンコウ目(有鱗目) Pholidota
- トガリネズミ目(尖鼠目) Soricomorpha
- ウマ目(奇蹄目) Perissodactyla
[15][6]
脚注
- ^ 『哺乳類の進化』 48–49頁
- ^ a b 『哺乳類の進化』 50頁
- ^ 『絶滅哺乳類図鑑』 12頁
- ^ 『絶滅哺乳類図鑑』 41頁
- ^ 『「退化」の進化学』 75 - 76頁
- ^ a b 哺乳類の系統分類(渡邊誠一郎)
- ^ Ji, Q., Luo, Z-X., Yuan, C-X.,Wible, J.R., Zhang, J-P. and Georgi, J.A. (April 2002). "The earliest known eutherian mammal". Nature 416 (6883): 816–822. doi:10.1038/416816a. PMID 11976675. Retrieved 2008-09-24.
- ^ Archibald, J David (2001), “Eutheria (Placental Mammals)”, Encyclopedia of Life Science, http://www.bio.sdsu.edu/faculty/archibald/Archibald01Eutheria.pdf
- ^ Carter, A.M.; Mess, A. (2007), “Evolution of the Placenta in Eutherian Mammals”, Placenta 28 (4): 259–62, http://www.anslab.iastate.edu/Class/AnS536w/03%20Placental%20Physiology/Carter2006.pdf
- ^ http://www.sciencemag.org/content/339/6120/662
- ^ レトロポゾンが書き込んだ哺乳類の歴史(2006.05.23)
- ^ 祖先に異なるSINE配列を持った複数のグループが存在した事。通常はこの状態は長続きせず、いずれ一つの配列パターンに落ち着く。
- ^ 産経ニュース 【科学】哺乳類の進化 大陸分裂→3系統に分岐
- ^ 『ありえない!? 生物進化論』 82–86頁
- ^ “Eutheria phylogeny”. Mikko's Phylogeny Archive. 2006年3月8日閲覧。
関連項目
参考文献
- 遠藤秀紀 『哺乳類の進化』 東京大学出版会、2002年、48–50頁。ISBN 978-4-13-060182-5。
- 富田幸光 『絶滅哺乳類図鑑』 伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2002年、12, 41頁。ISBN 4-621-04943-7。
- 犬塚即久 『「退化」の進化学』 講談社〈ブルーバックス〉、2006年、75–76頁。ISBN 4-06-257537-X。。
- 北村雄一 『ありえない!? 生物進化論』 ソフトバンククリエイティブ〈サイエンス・アイ新書〉、2008年、82–86頁。ISBN 978-4-7973-4592-6。
Japanese Journal
- 哺乳類の胎盤と胎生機構の進化におけるLTRレトロトランスポゾン由来の遺伝子の関与
- 石野 知子,石野 史敏
- Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 30(1), 16-23, 2013-04
- … どちらもLTRレトロトランスポゾンに由来しており,PEG10は胎生の哺乳類(有袋類と真獣類),PEG11/RTL1は真獣類にのみ保存されている。 … 遺伝子機能を考えあわせると,これらの遺伝子獲得が胎盤形成を通じて,胎生という生殖様式をとる獣類,真獣類というそれぞれ哺乳類の亜綱,下綱の形成に重要な寄与をはたしたことも確かであろう。 …
- NAID 120005580937
- 今川 和彦,安田 二朗,小林 剛,宮沢 孝幸
- Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 30(1), 2-10, 2013-04
- 哺乳(真獣)類は,次世代を子宮内で育てるという生殖戦略をとった。このことは受精卵一個一個の生存率を格段に増すことになったが,遺伝的に異なる胎仔を体内に共存させることから,新たな問題に直面することにもなった。胎仔と母親の間に存在するのが胎盤であり,その胎仔側の構成部分が栄養膜(卜ロホブラスト)細胞である。そして,受精卵・胚盤胞のトロホブラスト細胞が最初に母親の子宮内膜細胞に直面するのが着床である。か …
- NAID 120005580935
- 哺乳類におけるゲノムインプリンティングの起源と進化
- 鈴木 俊介
- 信州大学農学部紀要 49(1-2), 11-18, 2013-03
- … 哺乳類には,卵生で胎盤をもたない単孔類,胎生だが真獣類と比べ非効率的な胎盤をもち早期に出産する有袋類,効率のよい胎盤をもち長期間胎内で子を育てる真獣類という,それぞれ異なった生殖様式をとる三つのサブグループが存在する。 …
- NAID 120005580634