- 英
- hydrophobicity
- 関
- 親油性、疎水結合
WordNet
- the property of being water-repellent; tending to repel and not absorb water
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/13 05:20:37」(JST)
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疎水性、本表記は疏水性(そすいせい、形容詞:hydrophobic、名詞:hydrophobicity)とは、水に対する親和性が低い、すなわち水に溶解しにくい、あるいは水と混ざりにくい物質または分子(の一部分)の性質のことである。
疎水性物質は一般に、電気的に中性の非極性物質であり、分子内に炭化水素基をもつ物質が代表的である。脂質や非極性有機溶媒との親和性を示す「親油性」(しんゆせい、lipophilic)も同義で用いられることが多いが、疎水性物質が全て親油性であるとは限らず、シリコーンやフルオロアルキル鎖を持つ化合物などの例外もある。
対義語は「親水性」(しんすいせい、hydrophilic)である。一般的に極性の高いまたは電荷を有する化合物は親水性を示す。これの例外としては「不溶性の塩」などがあげられる。
分子内にある疎水性、親水性の部分をそれぞれ「疎水性基」、「親水性基」という。また分子内に疎水性基と親水性基の両方を持つ物質は「両親媒性」(りょうしんばいせい、amphiphilic)であるといい、界面活性剤や極性脂質が代表的である。
疎水性の高い物質は体内に蓄積しやすく、環境中でも残留しやすい傾向がある。典型的な例としては有機塩素系殺虫剤DDTやPCBなどがある。
疎水性の測定
物質の疎水性の程度を表す指標としては、単純に「水に対する溶解度」を求めるものや、電離度の指標である酸解離定数を求めるもの、また、分配係数、つまりその物質を水と相分離する有機溶媒(一般にn-オクタノール)に溶解して水と混ぜ合わせ、平衡に達したときの双方での濃度の比(有機溶媒中の濃度÷水中の濃度)を求めるものがある。分配係数はしばしば常用対数を用いてLogPと表される。有機溶媒としてn-オクタノールを用いた場合にはLogPowと書く。また逆相クロマトグラフィーでも疎水性の程度を知ることができる。コンピュータで構造からLogPを予測する方法も数多く開発されており、CLogP法やNlogP法などがある。
疎水性相互作用
疎水性相互作用は、水中の疎水性分子の間に働く熱力学的な相互作用である。室温では引力的相互作用である。疎水結合とも呼ばれる。疎水相互作用の最も大きな要因は、非極性分子が水に溶けにくいという疎水効果であるが、ファン・デル・ワールス力やCH/π相互作用なども重要である。詳細はそれぞれの頁を参照。疎水性相互作用は脂質のミセルの形成や、タンパク質の高次構造の形成(フォールディング)において重要な役割を果たしている。
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ベトノバールG軟膏0.12%
組成
※※成分・含量(1g中)
- 日局ベタメタゾン吉草酸エステル 1.2mg
日局ゲンタマイシン硫酸塩 1mg(力価)
基剤
添加物
効能または効果
適応菌種
====適応症==== *・湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発している次の疾患:
- 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む)、乾癬、掌蹠膿疱症
- ・外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
- 通常1日1〜数回適量を塗布する。なお、症状により適宜増減する。
重大な副作用
(ベタメタゾン吉草酸エステルによる)
- 眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障を起こすことがあるので注意すること。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により緑内障、後のう白内障等の症状があらわれることがある。
薬効薬理
局所抗炎症作用2)3)
- ベタメタゾン吉草酸エステルはMcKenzieらの方法による健康成人皮膚における血管収縮試験(皮膚蒼白度を指標)においてフルオシノロンアセトニドの約3.6倍の血管収縮作用を示した。
試験管内抗菌作用4)
- ゲンタマイシン硫酸塩はブドウ球菌、連鎖球菌等のグラム陽性菌及び緑膿菌、変形菌、大腸菌等のグラム陰性菌に対して強い抗菌力を示す。なお、嫌気性菌に対してはほとんど耐性である。
全身への影響
- ベタメタゾン吉草酸エステルのラットにおける胸腺萎縮作用はフルオシノロンアセトニドよりも低いことが認められている。5)また、肝グリコーゲン沈着作用(ラット、皮下注)は低く、ナトリウム貯留作用(ラット、皮下注)、男性・女性ホルモン作用(マウス、皮下注)はほとんど認められていない。
※※生物学的同等性試験6)
====Carrageenin足浮腫法
==
- SD系雄性ラット( 1 群12匹)を用いたCarrageenin足浮腫法で、Carrageenin誘発足浮腫抑制効果を検討した結果、ベトノバールG軟膏0.12%と標準製剤(軟膏)間、またベトノバールGクリーム0.12%と標準製剤(クリーム)間に有意差は認められなかった。
====Croton油誘発耳浮腫抑制作用
==
- SD系雄性ラット( 1 群10匹)を用いたCroton油誘発耳浮腫モデルにおいて、浮腫抑制作用を検討した結果、ベトノバールG軟膏0.12%と標準製剤(軟膏)間、またベトノバールGクリーム0.12%と標準製剤(クリーム)間に有意差は認められなかった。
====抗菌効果
==
- チャールスリバーの雄性ラットに実験的熱傷を作成し、緑膿菌を感染させた後、ベトノバールG軟膏0.12%及び標準製剤(軟膏)を塗布し抗菌効果について検討した結果、両製剤間に有意差は認められなかった。また、ベトノバールGクリーム0.12%と標準製剤(クリーム)の両製剤間にも有意差は認められなかった。
有効成分に関する理化学的知見
ベタメタゾン吉草酸エステル
一般名
- ベタメタゾン吉草酸エステル(Betamethasone Valerate)
化学名
- 9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 17-pentanoate
分子式
分子量
性状
- 本品は白色の結晶性の粉末で、においはない。
本品はクロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点
分配係数(log P)
ゲンタマイシン硫酸塩
一般名
- ゲンタマイシン硫酸塩(Gentamicin Sulfate)
略号
化学名
(6R)-2-Amino-2,3,4,6-tetradeoxy-6-methylamino-6-methyl-α-D-erythro-hexopyranosyl-(1→4)-[3-deoxy-4-C-methyl-3-methylamino-β-L-arabinopyranosyl-(1→6)]-2-deoxy-D-streptamine sulfate
ゲンタマイシンC2 硫酸塩
(6R)-2,6-Diamino-2,3,4,6-tetradeoxy-6-methyl-α-D-erythro-hexopyranosyl-(1 → 4)-[3-deoxy-4-C-methyl-3-methylamino-β-L-arabinopyranosyl-(1 → 6)]-2-deoxy-D-streptamine sulfate
ゲンタマイシンC1a 硫酸塩
2,6-Diamino-2,3,4,6-tetradeoxy-α-D- erythro-hexopyranosyl-(1→4)-[3-deoxy-4-C-methyl-3-methylamino-β-L-arabinopyranosyl-(1→6)]-2-deoxy-D-streptamine sulfate
分子式
C1=C21H43N5O7・xH2SO4
C2=C20H41N5O7・xH2SO4
C1a=C19H39N5O7・xH2SO4
分子量
C1=477.60 C2=463.57 C1a=449.54* =CH3 R2=NHCH3
ゲンタマイシンC2硫酸塩:R1=CH3 R2=NH2
ゲンタマイシンC1a硫酸塩:R1=H R2=NH2
(ゲンタマイシン硫酸塩は、ゲンタマイシンC1、C2及びC1aの混合物の硫酸塩である。)
性状
- 本品は白色〜淡黄白色の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
吸湿性である。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hydrophobic interaction
- 関
- 疎水性、疎水性相互作用、疎水性表面、疎水結合
[★]
- 関
- hydrophobic、hydrophobic interaction、hydrophobic surface、hydrophobically
[★]
- 英
- hydrophobic、hydrophobically
- 関
- 疎液性、疎水性
[★]
- 英
- hydrophobic surface
- 関
- 疎水性、疎水的相互作用
[★]
- 英
- hydrophobic、lyophobic
- 関
- 疎水性、疎水的
[★]
- 英
- hydrophobic interaction chromatography
- 関
- 疎水性相互作用
[★]
- 英
- hydrophobic region
- 関
- 疎水性領域、疎水領域
[★]
- 英
- hydrophobic domain
- 関
- 疎水性領域
[★]
- 英
- hydrophobic core
- 関
- 疎水コア
[★]
- 英
- aqueous、water-based
- 関
- 水溶性、水