- 英
- seawater、sea water
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- water containing salts; "the water in the ocean is all saltwater" (同)saltwater, brine
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- 海水
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/18 04:44:57」(JST)
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スクーバダイビング中に見る海水のディープブルー(タイのSimilanにて)
海水(かいすい)とは、海の水のこと[1]。水を主成分とし、3.5%程度の塩(えん)、微量金属から構成される。
地球上の海水の量は約13.7億 km3で、地球上の水分の97%を占める。水温は気温・季節・深さで異なり、-2度~28度[2]。密度は1.02 - 1.035g/cm3。
目次
- 1 構成成分
- 2 塩分
- 3 炭素循環
- 4 用途
- 5 参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
構成成分
海水の塩分濃度は測定の位置により一様ではないが、塩分の構成についてはほぼ一定である。
この内、塩分は、
- 塩化ナトリウム 77.9%
- 塩化マグネシウム 9.6%
- 硫酸マグネシウム 6.1%
- 硫酸カルシウム 4%
- 塩化カリウム 2.1%
- その他
となっている。
海水に含まれる主要なイオン・化学種は以下のようになっている。
海水に含まれる主要なイオン・化学種[3]
成分 |
化学式 |
質量% |
溶質% |
ナトリウムイオン |
Na+ |
1.0556 |
30.61 |
マグネシウムイオン |
Mg2+ |
0.1272 |
3.69 |
カルシウムイオン |
Ca2+ |
0.0400 |
1.16 |
カリウムイオン |
K+ |
0.0380 |
1.10 |
ストロンチウムイオン |
Sr2+ |
0.0008 |
0.03 |
塩化物イオン |
Cl− |
1.8980 |
55.05 |
硫酸イオン |
SO42− |
0.2649 |
7.68 |
臭化物イオン |
Br− |
0.0065 |
0.19 |
炭酸水素イオン |
HCO3− |
0.0140 |
0.41 |
フッ化物イオン |
F− |
0.0001 |
0.003 |
ホウ酸 |
H3BO3 |
0.0026 |
0.07 |
塩分
上述の通り、海水は3.5%程度の塩分を含む。これは、地球が形成され、海が形成された当時、海水は酸性であり、それにより地殻を溶かし、アルカリ金属・アルカリ土類金属によって中和した事による。ただ、海水が中性になって以降も僅かながら地殻を溶かし続けており、これにより塩分濃度は徐々に上昇を続けている。しかし氷河期による極地氷冠の成長や融解メルトダウンで多少の上下がある。
海洋の塩分は地球上の観測場所により3.1%から3.8%のばらつきがあり、海洋において一様ではない。とくに河口や氷河の崩落する地域では汽水化されている。最も塩分が高い外洋は紅海であり、海水の蒸発量の多さ、降水の少なさ、河川の流入、地形により海水の攪拌が少ないことなどが影響している。
なお、塩湖においては、海水よりもさらに塩分が高い場合がある。最も高いのは死海であり、塩分濃度は約30%である。これら塩湖は、河川から淡水が流入するものの、蒸発が激しく、流出する河川が無い事によって成立している。河川の淡水は僅かながら塩分を含んでいるため、水分の蒸発により塩分が濃縮されるのである。河川による水の流入はあっても流出がないという意味では、塩湖は海と同じである。
塩分と生物
通常は水分の摂取には適さないが、塩分摂取を目的として飲用する場合がある。
海水を飲む牛、エストニアKesselaid島の海岸にて。
塩分組成の比率はヒトの体液とほぼ同じであるとまことしやかに言われることもある(一部の天然塩の宣伝など)が、ヒト生体の塩分濃度は約0.9%であり、海水の塩分濃度は生体よりもかなり高い。大量に飲まない限り害はないが、塩分が多く浸透圧が高すぎるため水分の摂取には適さない。また、体質によりマグネシウムイオンに対して敏感な場合は下痢の原因となる。ただし海に近い場所に生息する動物は、塩分の摂取を目的として海水を飲用する場合はある(アオバトなど)。しかしヒトの場合は、そのまま海水を飲用するのではなく、水分を蒸発させて固体の食塩を採取するか、過去に海だった陸地において岩塩を採取し、摂取する。
塩分組成の比率については、現在の塩分濃度よりも、その生物が生まれた当時の海水の塩分濃度・組成に近いと言える[4]。硬骨魚類を含む多くの脊椎動物は塩分濃度は0.8-0.9%前後であり、これは4億年ぐらい前の海水の塩分濃度に近いと考えられている[5]。脊椎動物の登場が5億4200万年前、脊椎動物(両生類)の上陸が3億6000万年前と言われている。一方で硬骨魚類と異なり淡水での進化を経験していない軟骨魚類、クラゲやイソギンチャクなどの刺胞類、イカやタコなどの頭足類、ウニやヒトデなどの棘皮類、ホヤ類、軟体動物、甲殻類などの無脊椎動物については、体液は海水とほぼ同じ組成で、浸透圧も海水と等張である。
炭素循環
炭素循環において海洋は非常に重要なリザーバーであり、とくに深海が地球上でもっとも炭素保持量が多い。
「炭素循環」も参照
用途
- 塩分・ミネラルのもと
- 塩分・ミネラルの摂取目的としてそのまま飲用する例は少ない。海岸付近の住民や船舶上において、調理で使う水に海水を用いて適度な塩味をつける場合がある。塩分をとる目的で海洋深層水が製品として販売されることがある。
- 上述の通り、海水は水分摂取に使用するには塩分濃度が高過ぎるため、そのままではなく、古来より水分を乾燥させ、食塩を精製するための原料として使われる。
- 現在では、工業原料としてアルカリ金属やアルカリ土類金属、臭素を得る用途の比率が、食塩を得る用途よりも大きくなっている。
- なお、希少な微量金属(リチウム、コバルト、チタン、ウランなど)をも含有しているため、現在海水からそれらを回収する技術が開発途上にあるが、極めて微量であるため、現在の所採算性のある手法は発明されていない。
- 真水のもと
- 島部や乾燥地帯など、水不足が深刻な地域では、逆浸透膜などを利用した海水淡水化装置で海水を真水にして、生活用水として使用している。アラブ首長国連邦やドバイなどでは、石油で作った電力で淡水化を大々的に行って貴重な真水を得ている。これらの国では(一般に)、リットルあたりの単価は、石油より水のほうが高い。
- バラスト
- タンカーなどの貨物船は、積荷がない時にバランスをとるため、船底に海水を取り込んでバラスト水として利用している。
- 生活用水
-
- 風呂水
- 船舶(艦船(軍用船)・漁船)などでは、海水を風呂水として沸かして使っている場合が(多々)ある。真水を備蓄するのに限界があるため。海水の温かい湯に入り、風呂あがりに、身体表面の塩分をなくすために真水を含ませたタオルで拭いたり、あるいは、ごく少量の真水でさっと流す。
- 海水がミネラルを含む事から、温泉と同様に人体にも好影響であるとして、その目的で海水を風呂水として積極的に用いる例もある。東京都品川区東品川に存在する銭湯の「海水湯」は、創業時は近所の東京湾や運河から海水を汲み上げて風呂の水に利用していた。現在でも、大阪府堺市には沖合からパイプで汲み上げた海水を使用した潮湯の浴槽を持つ銭湯が営業している。
- トイレ洗浄水
-
- 慢性的に水不足の香港では、水洗トイレの洗浄水として海水を利用しており、建物には飲用水と2系統の給水系統を設けている。海水に含まれるヤコウチュウがそのままトイレに入り込んで、トイレの水が光る現象が起きる場合がある。
- フェリー等の船舶でも、水洗トイレの洗浄水として海水を利用している。この場合便器洗浄用のフラッシュバルブは腐食防止対策がされた耐海水用のものが使用される。
- 冷却水
- 工業施設において大量の冷却水を必要とする場合、海水をその目的に用いるため、施設が海岸に設置される例が多い。これら工業施設からの排水は、周囲の海水より2度から4度程度高く(温排水)、海中の生物に影響を与える恐れもある。火力発電・原子力発電などの汽力発電では、タービンを回した蒸気を水に戻すための冷却に用いられることがある。タービンを回す系統では真水が循環し、冷却系統の海水とは復水器で隔壁ごしに熱のみを交換し、直接混ざらない。
参考文献
- ^ デジタル大辞泉「海水」
- ^ 塩水のため凝固点は0度を下回る。高圧になる深海部ではさらに下回る可能性がある。また海底火山など熱水噴出部ではさらに上回る可能性がある。
- ^ 松井義人、一国雅巳 訳 『メイスン 一般地球化学』 岩波書店、1970年
- ^ http://plaza.umin.ac.jp/~histsite/fluidtxt.pdf
- ^ 原始の海洋ー人間の血液中でもフジツボが成育する
関連項目
外部リンク
- 「Seawater」 - Encyclopedia of Earthにある「海水」についての項目(英語)。
- 海水の成分
- 海水の成分
UpToDate Contents
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- New Comer Vehicle 注目新車をディテール・アップ 横浜市消防局 特別高度救助部隊[神奈川県] 海水利用型消防水利システム 遠距離送水車/ホース延長車 日常災害にも活用できるシステムを構築
- 交流のひろば サウジアラビアの海水淡水化技術の課題とこれからの展望
- 松井 康弘
- 建設機械施工 = Journal of JCMA : 一般社団法人日本建設機械施工協会誌 67(4), 75-78, 2015-04
- NAID 40020457157
- スラリーアイスの漁船への適用事例 (特集 機能性氷・氷スラリーの研究動向と食品冷蔵・冷却への展開) -- (応用展開)
Related Links
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - 海水の用語解説 - 海水は海洋を満たしている一種の無機電解質の溶液で,1kg中に平均 35gの塩分を含んでいる。これを千分率 (‰,パーミル) で表わす。溶解塩類の組成が全海洋を通じてほぼ一定 ...
- 海の水はなぜ塩辛い? Q:海の水は、なぜ塩辛いのですか?、昔から海の水は塩辛いの?、世界中どこでも、塩辛さは同じですか? A:海水浴や磯遊びなどで、誰でも一度や二度は海水を飲み込んだ経験があると思います。
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