ロルメタゼパム
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ロルメタゼパム
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IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
9-chloro-6-(2-chlorophenyl)-4-hydroxy-2-methyl-2,5-diazabicyclo[5.4.0]undeca-5,8,10,12-tetraen-3-one
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臨床データ |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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識別 |
CAS番号
(MeSH) |
848-75-9 |
ATCコード |
N05CD06 (WHO) |
KEGG |
D01657 |
化学的データ |
化学式 |
C16H12Cl2N2O2 |
分子量 |
335.2 |
ロルメタゼパム(lormetazepam)はベンゾジアゼピン系の睡眠薬のひとつ。日本においてはバイエル薬品よりエバミール、あすか製薬・武田薬品工業よりロラメットの商品名で販売されている。
連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがある[1]。向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されている。麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬である。処方箋医薬品であり、習慣性医薬品である。
効能
不眠症の治療に用いられる。
種類
薬理
ロルメタゼパムはベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、大半はグルクロン酸抱合され、肝臓に負担がかかりにくい。そのため、肝機能障害患者や肝機能の低下した高齢者への使用が推奨される。
依存性
日本では2017年3月に「重大な副作用」の項に、連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意し慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する旨が追加され、厚生労働省よりこのことの周知徹底のため関係機関に通達がなされた[1]。奇異反応に関して[2]、錯乱や興奮が生じる旨が記載されている[1]。医薬品医療機器総合機構からは、必要性を考え漫然とした長期使用を避ける、用量順守と類似薬の重複の確認、また慎重に少しずつ減量する旨の医薬品適正使用のお願いが出されている[3]。調査結果には、日本の診療ガイドライン5つ、日本の学術雑誌8誌による要旨が記載されている[2]。
出典
- ^ a b c 厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長, “催眠鎮静薬、抗不安薬及び抗てんかん薬の「使用上の注意」改訂の周知について (薬生安発0321第2号)” (pdf) (プレスリリース), https://www.pmda.go.jp/files/000217230.pdf 2017年3月25日閲覧。 、および、“使用上の注意改訂情報(平成29年3月21日指示分)”. 医薬品医療機器総合機構 (2017年3月21日). 2017年3月25日閲覧。
- ^ a b 医薬品医療機器総合機構 (2017年2月28日), “調査結果報告書” (pdf) (プレスリリース), 医薬品医療機器総合機構, http://www.pmda.go.jp/files/000217061.pdf 2017年3月25日閲覧。
- ^ 医薬品医療機器総合機構 (2017-03). “ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について” (pdf). 医薬品医療機器総合機構PMDAからの医薬品適正使用のお願い (11). https://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf 2017年3月25日閲覧。.
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催眠/鎮静薬 (N05C) |
GABAA
アゴニスト/PAM |
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GABAB
アゴニスト |
- 1,4-ブタンジオール
- アセブル酸
- GABOB
- GHB (ナトリウムオキシベート)
- GBL
- GVL
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H1 インバース
アゴニスト |
抗ヒスタミン系: |
- カプトジアミン
- シプロヘプタジン
- ジフェンヒドラミン
- ドキシルアミン
- ヒドロキシジン
- メタピリレン
- フェニルアミン
- プロメタジン
- プロピオマジン
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抗うつ薬 |
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抗精神病薬 |
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α1-アドレナリン
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
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α2-アドレナリン受容体
アゴニスト |
- 4-NEMD
- クロニジン
- デトミジン
- デクスメドエトミジン
- ロフェキシジン
- メデトミジン
- ロミフィジン
- チザニジン
- キシラジン
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5-HT2A
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
- エプリバンセリン
- ニアプラジン
- プルバンセリン
- ボリナンセリン
|
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メラトニン
アゴニスト |
- アゴメラチン
- LY-156,735
- メラトニン
- ラメルテオン
- タシメルテオン
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オレキシン
アンタゴニスト |
- アルモレキサント
- SB-334,867
- SB-408,124
- SB-649,868
- スボレキサント
- TCS-OX2-29
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その他 |
- アセカルブロマール
- アリルイソプロピルアセチル尿素
- ブロムワレリル尿素
- カンナビジオール
- カルブロマール
- エンブトラミド
- エボキシン
- フェナジアゾール
- ガバペンチン
- カバラクロン
- サリドマイド
- メフェノキサロン
- オピオイド
- トケイソウ
- スコポラミン
- UMB68
- バルノクタミド
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ロラメット錠1.0
組成
成分・含量
添加物
- ステアリン酸マグネシウム,トウモロコシデンプン,乳糖水和物,ポビドン
禁忌
- 急性狭隅角緑内障のある患者
[抗コリン作用により眼圧が上昇し,症状が悪化するおそれがある.]
- 重症筋無力症のある患者
[筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある.]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 不眠症
- ロルメタゼパムとして,通常,成人には1回1〜2mgを就寝前に経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減するが,高齢者には1回2mgを超えないこと.
- 不眠症には,就寝の直前に服用させること.また,服用して就寝した後,睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと.
慎重投与
- 衰弱患者
[作用が強くあらわれるおそれがある.]
- 心障害のある患者
[症状が悪化するおそれがある.]
- 肝障害,腎障害のある患者
[排泄が遅延するおそれがある.]
- 脳に器質的障害のある患者
[作用が強くあらわれるおそれがある.]
重大な副作用
依存性(0.1〜0.2%未満)
- 連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること.
また,連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により,痙攣発作,せん妄,振戦,不眠,不安,幻覚,妄想等の離脱症状があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行うこと.
刺激興奮,錯乱(0.1%未満)
- 刺激興奮,錯乱等があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
呼吸抑制,炭酸ガスナルコーシス(頻度不明)
- 呼吸抑制があらわれることがある.また,呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合,炭酸ガスナルコーシスを起こすことがあるので,このような場合には気道を確保し,換気をはかるなど適切な処置を行うこと.
薬効薬理
- 本剤は他のベンゾジアゼピン系化合物と類似した薬理作用スペクトラムを有している.
睡眠増強作用4),5)
- 各種麻酔薬との併用で,ロルメタゼパムは入眠時間の短縮,睡眠時間の延長を示した(マウス).
抗コンフリクト作用5)
- ラットでのGeller型コンフリクト試験では,コンフリクト軽減作用を示した.
馴化静穏作用5)
- 嗅球摘出ラット及び縫線核破壊ラットのいずれのmuricideも抑制した.
動物脳波に対する作用5)
- 各種刺激による脳波覚醒反応,光誘起反応を抑制し,睡眠作用を示した(ウサギ).
作用機序
- 脳膜受容体標品を用いたベンゾジアゼピン受容体との結合親和性試験で,高い親和性を示した6).このことから他のベンゾジアゼピン系化合物と同様にベンゾジアゼピン受容体との結合を介し,大脳辺縁系及び視床下部GABA作動系ニューロンを増強するものと考えられている.
臨床薬理(終夜睡眠ポリグラフィー)7)
- 健康成人男性(6名)における終夜睡眠ポリグラフィーでは,入眠の促進,中途覚醒の減少,睡眠時間の増加が認められた.また,REM睡眠及び徐波睡眠の抑制はほとんどみられなかった.
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
融 点
性 状
- 白色〜淡黄色の結晶性の粉末で,におい及び味はない.
クロロホルムに溶けやすく,メタノール,酢酸(100),無水酢酸又はアセトンにやや溶けにくく,エタノール(95)又はジエチルエーテルに溶けにくく,水にほとんど溶けない.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- lormetazepam
- 商
- エバミール、ロラメット