- 英
- letrozole
- 関
- フェマーラ Femara
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レトロゾール
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
4,4'-(1,2,4-triazol-1-ylmethyl)dibenzonitrile
|
臨床データ |
販売名 |
フェマーラ |
Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a698004 |
ライセンス |
US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- CA: Schedule VII
- UK: 処方箋のみ (POM)
- US: ℞-only
|
投与方法 |
経口投与 |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
99.9% |
血漿タンパク結合 |
60%, おもにアルブミンに結合 |
代謝 |
pharmacologically-inactive carbinol metabolite (4,4΄-methanol-bisbenzonitrile)[1] |
半減期 |
2日[1] |
排泄 |
腎臓[1] |
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
112809-51-5 |
ATCコード |
L02BG04 (WHO) |
PubChem |
CID: 3902 |
DrugBank |
APRD01066 |
ChemSpider |
3765 |
UNII |
7LKK855W8I |
KEGG |
D00964 |
ChEBI |
CHEBI:6413 |
ChEMBL |
CHEMBL1444 |
化学的データ |
化学式 |
C17H11N5 |
分子量 |
285.303 g/mol |
SMILES
-
N#Cc1ccc(cc1)C(c2ccc(C#N)cc2)n3ncnc3
|
InChI
-
InChI=1S/C17H11N5/c18-9-13-1-5-15(6-2-13)17(22-12-20-11-21-22)16-7-3-14(10-19)4-8-16/h1-8,11-12,17H
-
Key:HPJKCIUCZWXJDR-UHFFFAOYSA-N
|
レトロゾール(英: letrozole)は乳癌の治療で用いられるアロマターゼ阻害薬の一種であり、アロマターゼから作られるエストロゲンの産生を抑えることによってホルモン依存性の腫瘍を抑える効果が期待される。開発名はCGS 20267で、フェマーラという商品名で販売されている。
目次
- 1 作用
- 2 副作用
- 3 代謝
- 4 外部リンク
- 5 参考文献
作用
閉経前の女性は主として卵巣においてエストロゲンが作られるが、閉経後は専ら副腎で作られるアンドロゲンをアロマターゼがエストロゲンに変換することで産生される。レトロゾールは、アロマターゼを阻害することで閉経後のエストロゲン依存性の乳癌に対して効果を発揮する。閉経後の早期乳癌女性患者に対する術後補助療法において、エストロゲン拮抗薬であるタモキシフェンとの比較試験を行ったところ、レトロゾールの方が有意に再発を防ぐことがわかっている[2]。
副作用
レトロゾールの副作用はエストロゲンの減少によるものが中心となる。
- 血中コレステロール増加
- 血栓症(心筋梗塞・脳梗塞)
- ほてり
- 頭痛
- 肝機能障害
- 疲労感
- 骨粗鬆症
など。
代謝
レトロゾールは主としてCYP3A4またはCYP2A6によって代謝を受け、グルクロン酸抱合を受けたのち、主に腎臓から排泄される。特にCYP2A6がその代謝で主要な役割を担っているとされ、この多型が問題となる[3]。
外部リンク
- がんサポート情報センター:フェマーラ(一般名 レトロゾール)閉経後乳がんに効果を発揮する、新しい「アロマターゼ阻害剤」
- 国立がんセンター中央病院:ホルモン療法の手引き(アロマターゼ阻害薬)(患者向け)
参考文献
出典
- ^ a b c 003330 Letrozole
- ^ The Breast International Group (BIG) 1-98 Collaborative Group (29). “A Comparison of Letrozole and Tamoxifen in Postmenopausal Women with Early Breast Cancer”. New England Journal of Medicine 353: 2747-2757. PMID 16382061. http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa052258#t=letters.
- ^ Desta Z, Kreutz Y, Nguyen AT, Li L, Skaar T, Kamdem LK, Henry NL, Hayes DF, Storniolo AM, Stearns V, Hoffmann E, Tyndale RF, Flockhart DA. (November 2011). “Plasma letrozole concentrations in postmenopausal women with breast cancer are associated with CYP2A6 genetic variants, body mass index, and age.”. Clinical Pharmacology & Therapeutics 90: 693-700. doi:10.1038/clpt.2011.174. PMID 21975350.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- P3-34-9 レトロゾール投与周期での体外受精・胚移植の臨床成績および出生児予後の検討(Group 131 生殖補助医療4,一般演題,公益社団法人日本産科婦人科学会第66回学術講演会)
- 篠原 一朝,倪 暁文,湯 暁暉,土山 哲史,阿部 崇,和田 恵子,福田 淳一郎,谷田部 典之,山崎 裕行,奥野 隆,小林 保,加藤 恵一
- 日本産科婦人科學會雜誌 66(2), 861, 2014-02-01
- NAID 110009812802
- レトロゾールによる内分泌療法が有効であった91歳男性乳癌の1例
- 中田 琢巳,森川 あけみ,杉山 保幸,山田 鉄也
- 日本臨床外科学会雑誌 75(4), 906-910, 2014
- 症例は91歳,男性.併存症として,閉塞性動脈硬化症・狭心症・2型糖尿病・高血圧症などがあり,当院内科での治療中に左乳頭下に3.5cmの腫瘤を自覚するようになり当科を受診した.男性乳癌と診断されたが初期治療としては合併症を考慮してレトロゾール内服による内分泌療法が選択された.投与開始後から腫瘍の縮小が認められ,約6カ月間で腫瘤は1.7cmまでの縮小を認め,自覚症状は著明に改善した.症例の少なさから女 …
- NAID 130004713878
- レトロゾールまたはクロミフェン周期におけるICSI施行卵子のDay1未受精卵のヘキスト染色を用いた精子核の解析
- 可兒 知加子,石川 孝之,渡辺 真一,森田 大,上畑 みな子,桑波田 暁子,越知 正憲,堀内 俊孝
- Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 30(2), S12, 2013-04-01
- NAID 10031166271
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
レトロゾール錠2.5mg「明治」
組成
- レトロゾール錠2.5mg「明治」は、1錠中に下記の成分を含有する。
有効成分
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、酸化チタン、黄色三二酸化鉄
禁忌
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物実験(ラット)において胎児死亡及び催奇形性(胎児のドーム状頭部及び椎体癒合)が観察されている。](「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 授乳婦[動物実験(ラット)において乳汁移行が認められている。また、授乳期に本剤を母動物に投与した場合、雄の出生児の生殖能の低下が認められている。](「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 閉経後乳癌
- 通常、成人にはレトロゾールとして1日1回2.5mgを経口投与する。
慎重投与
- 重度の肝機能障害を有する患者[本剤の重度の肝機能障害患者における安全性は確立していない。]
- 重度の腎障害を有する患者[本剤の重度の腎障害患者における安全性は確立していない。]
重大な副作用
(頻度不明)
血栓症、塞栓症
- 肺塞栓症、脳梗塞、動脈血栓症、血栓性静脈炎、心筋梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心不全、狭心症
- 心不全、狭心症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、多形紅斑
- 中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見