ペラミビル
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ペラミビル
|
IUPAC命名法による物質名 |
(1S,2S,3S,4R)-3-[(1S)-1-acetamido-2-ethyl-butyl]-4- (diaminomethylideneamino)-2-hydroxy-cyclopentane- 1-carboxylic acid |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
識別 |
CAS登録番号 |
229614-55-5 |
ATCコード |
None |
PubChem |
CID 151164 |
化学的データ |
化学式 |
C15H28N4O4 |
分子量 |
328.407 g/mol |
ペラミビル (Peramivir) はアメリカのバイオクリスト社 (BioCryst Pharmaceuticals) 開発のインフルエンザ用抗ウイルス薬である[1][2]。
概要
ペラミビルはノイラミニダーゼ阻害薬であり、タミフルやリレンザと同じ分類の薬である[1][2]。点滴注射薬であるため、経口での服用が困難な患者にも投与可能である[2][3]。
日本でのライセンスは塩野義製薬が持っており、日本における臨床試験も塩野義製薬が行っている[1]。商品名は「ラピアクタ」であり、初の国産抗インフルエンザ薬である[4][5]。1回の投与時間が約15分の点滴薬であり、成人であれば1回の投与で治療が完結する[4][5]。
塩野義製薬が2009年10月に厚生労働省に承認申請し[3]、2010年1月13日、世界で初めて成人用が承認された。承認には通常1年から2年かかるが、新型インフルエンザの流行が考慮されたため、異例のスピード承認となった[4]。
脚注
- ^ a b c 塩野義製薬 - バイオクリスト社との抗インフルエンザウイルス剤『ペラミビル』に関するライセンス契約締結のお知らせ、2007年3月6日、2009年10月9日閲覧。
- ^ a b c 「治療薬はタミフル5日分の効果:インフル薬ペラミビル」共同通信 2009年9月14日、同年10月9日閲覧。
- ^ a b 「「第3のインフル薬」登場へ 塩野義「ラピアクタ」 厚労省1月承認有力」 『産経新聞』、2009年12月19日付朝刊。
- ^ a b c 「国産インフル薬、今月中にも販売 塩野義製薬」 『朝日新聞』 2010年1月14日付朝刊、東京本社発行最終版、30面。
- ^ a b 「点滴の治療薬が登場 患者の選択の幅広がる」 『産経新聞』 2010年2月4日付朝刊、東京本社発行12版、20面。
インフルエンザ |
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主要項目 |
研究 - ワクチン - 治療 - ゲノム解読 - 遺伝子再集合 - 重複感染 - シーズン
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ウイルス |
オルトミクソウイルス科 - A型 - B型 - C型
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A型の亜型 |
H1N1(ソ連型) - H1N2 - H2N2 - H2N3 - H3N1 - H3N2(香港型) - H3N8 - H5N1 - H5N2 - H5N3 - H5N8 - H5N9 - H7N1 - H7N2 - H7N3 - H7N4 - H7N7 - H7N9 - H9N2 - H10N7
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H1N1 |
パンデミック |
1918年のインフルエンザ流行 - 2009年のインフルエンザ流行
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科学 |
2009 H1N1
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H5N1 |
流行 |
クロアチア (2005年) - インド (2006年) - イギリス (2007年) - 西ベンガル州 (2008年)
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科学 |
構造 - 感染経路 - 世界的感染 - 治験 - ヒトの致死率 - 社会的影響
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治療 |
抗ウイルス薬 |
塩酸アルビドール - アダマンタン化合物 (アマンタジン、リマンタジン) - ノイラミニダーゼ阻害薬 (オセルタミビル、ラニナミビル、ペラミビル、ザナミビル)
実験 (ペラミビル)
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ワクチン |
フルミスト - フルゾーン
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流行・
パンデミック |
流行 |
ソ連かぜ (1977–1978年) - 福建かぜ (H3N2)
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パンデミック |
ロシアかぜ (1889–1890年) - スペインかぜ - アジアかぜ - 香港かぜ - 2009年新型インフルエンザの世界的流行
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ヒト以外 |
哺乳類 |
イヌ - ネコ - ウマ (2007年オーストラリアでの流行) - ブタ
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哺乳類以外 |
トリ - 福建かぜ (H5N1)
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関連項目 |
インフルエンザ様疾患
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Japanese Journal
- ペラミビル(ラピアクタ) (処方の教室 インフルエンザ) -- (医薬品の適正使用)
Related Links
- 2010年1月13日、塩野義製薬から新しいインフルエンザ治療薬「ラピアクタ」が発表されました。1回の点滴で、タミフル5日分と同じ治療効果があるという新薬のメリット・デメリットに迫ります。
- 商品名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分 ラピアクタ点滴静注液バッグ300mg RAPIACTA for Intravenous Drip Infusion 塩野義製薬 6250405A2039 6043円/袋 処方せん医薬品 ラピアクタ点滴静注液バイアル150mg
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ラピアクタ点滴用バッグ300mg
組成
成分・含量:
- 1袋(60mL)中
ペラミビル水和物349.4mg
(ペラミビルとして300mgに相当)
添加物:
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症
本剤の投与にあたっては,抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ,患者の状態を十分観察した上で,本剤の投与の必要性を慎重に検討すること。
本剤は点滴用製剤であることを踏まえ,経口剤や吸入剤等の他の抗インフルエンザウイルス薬の使用を十分考慮した上で,本剤の投与の必要性を検討すること。
流行ウイルスの薬剤耐性情報に留意し,本剤投与の適切性を検討すること。
本剤はC型インフルエンザウイルス感染症には効果がない。
本剤は細菌感染症には効果がない。[「重要な基本的注意」の項参照]
- 成人:通常,ペラミビルとして300mgを15分以上かけて単回点滴静注する。*合併症等により重症化するおそれのある患者には,1日1回600mgを15分以上かけて単回点滴静注するが,症状に応じて連日反復投与できる。*なお,年齢,症状に応じて適宜減量する。*小児:通常,ペラミビルとして1日1回10 mg/kgを15分以上かけて単回点滴静注するが,症状に応じて連日反復投与できる。投与量の上限は,1回量として600 mgまでとする。*
====本剤の投与は,症状発現後,可能な限り速やかに開始することが望ましい。[症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。]====
反復投与は,体温等の臨床症状から継続が必要と判断した場合に行うこととし,漫然と投与を継続しないこと。なお,3日間以上反復投与した経験は限られている。[「臨床成績」の項参照]
腎機能障害のある患者では,高い血漿中濃度が持続するおそれがあるので,腎機能の低下に応じて,下表を目安に投与量を調節すること。本剤を反復投与する場合も,下表を目安とすること。小児等の腎機能障害者での使用経験はない。[「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照]
本剤は点滴静脈内注射にのみ使用すること。
慎重投与
ペラミビルに関する注意
- 腎機能障害のある患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参照]
添加物(塩化ナトリウム,注射用水)に関する注意
心臓,循環器系機能障害のある患者[ナトリウムの負荷及び循環血液量を増やすことから心臓に負担をかけ,症状が悪化するおそれがある。]
腎機能障害のある患者[水分,塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく,症状が悪化するおそれがある。]
重大な副作用
ショック(頻度不明):ショック(血圧低下,顔面蒼白,冷汗等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
白血球減少,好中球減少(1〜5%未満):白血球減少,好中球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
薬効薬理
インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼに対する阻害作用
- ヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼに対して阻害活性を示し,その50%阻害濃度はA型で0.54〜11nmol/L,B型で6.8〜17nmol/Lであった 12)。
インフルエンザウイルス感染マウスに対する治療効果
- ヒトA型及びB型インフルエンザウイルス感染マウス致死モデルにおいて,ペラミビルの単回静脈内投与により用量依存的に生存数の増加が認められ,その50%有効量はA型で0.4〜1.5mg/kg,B型で0.1〜1.0mg/kgであった 12)。
作用機序
- ヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害する。インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼはシアル酸切断活性を有し,糖鎖末端のシアル酸を切断することで,子孫ウイルスが感染細胞の表面から遊離できるように働く。ペラミビルはノイラミニダーゼを阻害することによって感染細胞の表面から子孫ウイルスが遊離するステップを抑制し,ウイルスが別の細胞へ拡散することを防ぎ,結果的にウイルス増殖抑制作用を示す 12)。
耐性
- 国内第II相試験及び小児等を対象とした国内第III相試験において,本剤投与前後で,本剤に対する感受性が3倍以上低下した株がA型のみ少数例に認められた 3),9)。なお,国際共同第III相試験では,これらの感受性低下株と同じ亜型で同程度の感受性を示す株に感染した患者で治療効果が確認されている 10)。また,in vitro耐性ウイルス分離試験において,類薬との交叉耐性を示す耐性株の出現が報告されているが,本剤に特有の耐性株は報告されていない 13),14)。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称:
- ペラミビル水和物(JAN)
Peramivir Hydrate
化学名:
- (1S,2S,3R,4R)-3-[(1S)-1-(Acetylamino)-2-ethylbutyl]-4-guanidino-2-hydroxycyclopentanecarboxylic acid trihydrate
分子式:
分子量:
化学構造式:
性状:
- 白色〜微黄褐白色の粉末である。
水にやや溶けにくく,メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく,N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けにくい。
融点:
分配係数:
- log P=-1.16(P=0.069)[1-オクタノール/水]
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- peramivir
- 化
- ペラミビル水和物 peramivir hydrate
- 商
- ラピアクタ
- 関
- 抗インフルエンザウイルス剤
効能又は効果
作用機序
- ヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害する。
- インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼはシアル酸切断活性を有し、糖鎖末端のシアル酸を切断することで、子孫ウイルスが感染細胞の表面から遊離できるように働く。
- ペラミビルはノイラミニダーゼを阻害することによって感染細胞の表面から子孫ウイルスが遊離するステップを抑制し、ウイルスが別の細胞へ拡散することを防ぎ、結果的にウイルス増殖抑制作用を示す。
添付文書
- ラピアクタ点滴用バッグ300mg/ラピアクタ点滴用バイアル150mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6250405A1024_1_04/6250405A1024_1_04?view=body