出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/04/11 12:05:49」(JST)
ミルキング(Milking)は、医学診断に使用される強力な放射性物質を得る手法の1つである。
強い放射能のテクネチウム99(99mTc)はSPECTのような医学診断に使用されるが、半減期が6時間であるため1日で16分の1にまで減少してしまう。これを補うためにテクネチウム99の親核種であるモリブデン99(99Mo)を保有して、ベータ・マイナス崩壊を起こして生まれるテクネチウム99を分離・利用する。 このように親核種と娘核種の永続平衡関係を利用して、強力な放射能を持つ娘核種を得る方法をミルキングと呼ぶ。
ミルキングとは「乳搾り」のことであり、毎日、乳牛(Cow)から牛乳(Milk)を搾る(Milking)ように、親核種から娘核種を得る本方法にこの名がつけられた。
SPECTのように放射性物質を体内に入れる場合には、診断後、放射能が急速に減衰する放射性テクネチウム99のような物質が求められる。病院には99Mo/99mTcジェネレータが置かれて放射性テクネチウム99が供給される。
モリブデン99(99Mo)の半減期は66時間、放射性テクネチウム99(99mTc)は6時間、テクネチウム99(99Tc)は21万年、ルテニウム99(99Ru)は安定である。
99Mo → 99mTc → 99Tc → 99Ru
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