出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/08/15 22:55:57」(JST)
グリコール (glycol) はアルコールの一種(ポリオール)で、鎖式脂肪族炭化水素または環式脂肪族炭化水素の2つの炭素原子に1つずつヒドロキシ基が置換している構造を持つ化合物であり、ジオール化合物とも呼ばれる。ヒドロキシ基が隣接しているものを 1,2-グリコール、1つのメチレン基を介してヒドロキシ基が隣り合うものを 1,3-グリコールと呼び、以下メチレン基が増えるに従い 1,4-グリコール、1,5-グリコール、…と呼び表す。また、最も構造が単純な 1,2-グリコールであるエチレングリコール(1,2-エタンジオール)を単にグリコールとすることもある。
グリコール類は常温で無色液体であるが、一般のアルコールに比べて分子量の割に融点や粘度が高いという性質を持っている。これはヒドロキシ基を介する水素結合が多いことに起因している。グリコールの語源はギリシャ語の "glykeros"(甘い)であり、語源が示すように多くのグリコールは甘味を示す(エチレングリコールは毒性を有するので注意。詳細はエチレングリコールの項を参照のこと)。
1,2-グリコール合成を工業的に合成する場合は、アルケンを空気酸化してオキシラン(エポキシド)とし、酸性条件下においてH2O で開環させてジオールとする。実験室的にはアルケンを四酸化オスミウムで酸化するか、アルケンを低温下で過マンガン酸カリウムと反応させてジオールを得る。
単独のグリコールとしては不凍液・流体の可視化用トレーサなどに用いられている。また原料として合成樹脂・繊維、溶剤、界面活性剤、食品添加物、医薬品など多用される他、保湿剤としてシャンプー、化粧品などにも使われている。
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