Japanese Journal
- 脂質ラジカルに対する消化性潰瘍治療剤の消去作用について
- 宇佐美 英治,瀬山 義幸,渡辺 聡,福井 哲也
- 臨床化学 25(4), 229-234, 1996-12-31
- NAID 10011509351
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 防御機構増強胃炎・胃潰瘍治療剤
販売名
ロンミールカプセル200mg
組成
成分・含量(1カプセル中)
- ベネキサート塩酸塩 ベータデクス200mg含有
添加物
- 無水乳糖、結晶セルロース、ステアリン酸、含水二酸化ケイ素
カプセル本体にラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン、酸化チタン
禁忌
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人（「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照）
効能または効果
下記疾患の胃粘膜病変（びらん、出血、発赤、浮腫）の改善
- 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
胃潰瘍
- 通常成人には、ベネキサート塩酸塩 ベータデクスとして、1回400mg（本剤2カプセル）を1日2回朝食後および就寝前に経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
慎重投与
- 血栓のある患者（脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等）［in vitroで抗プラスミン作用が報告されている1)。］
- 消費性凝固障害のある患者［in vitroで抗プラスミン作用が報告されている1)。］
薬効薬理
- ベネキサート塩酸塩 ベータデクスは、胃粘膜に直接作用し、胃粘膜の血流量を増加させるほか、種々の胃粘膜防御機能を増強させる。
胃粘膜血流増加作用
- 急性胃炎患者にベネキサート塩酸塩 ベータデクス200mgを生理食塩液に溶解し胃体部（n＝29）及び前庭部（n＝23）に注入したとき、内視鏡的レーザードップラー法にて測定された両部位の粘膜血流量は、注入直後（1分）から測定終了（5分）まで注入前に比べ有意に増加した17)。
- ベネキサート塩酸塩 ベータデクスはモルモット摘出血管において血管収縮を抑制した18)。
- ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス100mg/kg、300mg/kgを経口投与したとき、水素ガスクリアランス法にて測定された投与5分後の胃粘膜血流量は、用量反応性に増加した。また、300mg/kg投与において1時間以上血流量増加の持続が認められた19)。
胃粘膜内高分子糖蛋白質の生合成促進作用及び減少抑制作用20)
- ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス300mg/kg単独経口投与したとき、胃粘膜内高分子糖蛋白質を約1.5倍増加させた。
- ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス300mg/kgをアスピリン300mg/kgと併用して経口投与したとき、また、アスピリン300mg/kg投与1時間前に経口投与したとき、いずれの場合もアスピリン投与によって起こる胃粘膜内高分子糖蛋白質の減少を抑制した。
胃粘膜の内因性プロスタグランジンＥ2及びＩ2増加作用21)22)
- ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス300mg/kg、1,000mg/kgを胃内に注入したとき、インドメタシンあるいは拘束水浸ストレス負荷により低下した胃粘膜の内因性プロスタグランジンＥ2及びＩ2をほぼ用量依存性に増加させた。
酸（水素イオン）の胃粘膜への逆拡散防止作用23)
- ラットにベネキサート塩酸塩 ベータデクス300mg/kgをアスピリン（胃粘膜関門障害物質）と併用して胃内に注入留置したとき、留置15分後の時点でアスピリンによって起こる胃粘膜への水素イオンの逆拡散を有意に抑制した。
各種実験潰瘍、実験胃粘膜病変に対する抑制作用24)〜27)
- ベネキサート塩酸塩 ベータデクスはラットを用いた各種実験潰瘍、実験胃粘膜病変において幅広い抗潰瘍作用、病変発生抑制作用を示し、特に水浸ストレス潰瘍、アスピリン潰瘍、インドメタシン潰瘍、エタノール潰瘍及び塩酸エタノール潰瘍に対して著明な抑制効果を示した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ベネキサート塩酸塩 ベータデクス
（Benexate Hydrochloride Betadex）
〔別名〕塩酸ベネキサート ベータデクス
化学名
- Benzyl 2-[trans-4-(guanidinomethyl)cyclohexyl-carbonyloxy]benzoate monohydrochloride β-cyclodextrin clathrate
分子式
- C23H27N3O4・HCl・C42H70O35
分子量
- 1580.92
性状
- 本品は白色の粉末で、においはなく、味は苦い。
本品は水にやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、アセトニトリル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点：約221℃（分解）
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